団体交渉・労働紛争を解決した弁護士が教える!団体交渉申入書への対応


団体交渉

労働組合から突然、「団体交渉申入書」「労働組合結成通知書」などの書面が会社に届いたとき、初動の対応にミスがあると、大きな労働トラブルに発展します。団体交渉で解決できた問題が、労働委員会での救済命令申立、労働審判、仮処分、労働訴訟というように労働紛争が拡大していきます。

労働問題の対応、特に労使交渉の問題は、本に書いていないことが多く、その反面、企業であればその規模にかかわらず常に労働問題を抱えており、合同労組などの労働組合に駆け込まれる可能性があります。

今回は、団体交渉を申し入れられた場合の、初動対応として最低限行わなければならないことについて解説します。具体的な団体交渉の流れ、注意事項についてはこちらの記事を参考にしてください。

(参考1)団体交渉の手続き進行を有利に進める5分でわかるポイント
(参考2)団体交渉の「やってはいけない」が一目でわかる!経営者必見

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団体交渉の申し入れへの対応

うちの会社には労働組合はないけど・・・という経営者へ

労働組合から突然、自分の会社の従業員が組合に加入したから団体交渉をするようにという要求をされた場合に、「うちの会社には労働組合はなかったはずだけど・・・」と疑問に思ってそのまま放置してしまう経営者や、思い切ってその従業員を問い詰めてしまう社長もいます。

しかしながら、この対応は初動対応として最悪で、労働組合から不当労働行為として労働組合法違反であると指摘される材料となってしまいますから、団体交渉の対応を適切に行わなければなりません。

「合同労組」(ユニオン)という労働組合は、労働者が1人であっても加入できるため、いろいろな会社の従業員が集まって結成された組合です。したがって、社内の労働組合とは異なり、経営者が認識していなくても、自分の会社の労働者が加入していたということがあり得るのです。

そして、合同労組は、労働組合としての活動を専門的に行っていますから、労働法の知識、経験は、会社経営者よりも格段にあります。

団体交渉に応じるべきか?

まず労働者の労働組合への加入と団体交渉の申し入れを受けたときに、一番はじめに考えなければいけないのは、「団体交渉に応じるべきかどうか?」ということです。

応じるべき場合に、応じないと、「団体交渉拒否」という不当労働行為になり、労働組合法違反となります。
逆に、応じなくてもよい場合というのもあります。

たとえば、次の場合には、団体交渉に応じなくてもよいとされます(ただ、判断が難しいため、最終的には労働問題に強い弁護士に相談して決めた方がよいでしょう)。

☞ 団体交渉を申し込んできた組織が法律上の労働組合の要件を満たさない場合
☞ 団体交渉を申し込まれた会社が、その従業員の法律上の使用者ではない場合
☞ 大挙して組合員が押し寄せ、生命・身体の危険があるとき
☞ 暴力、脅迫など不当な手段で団体交渉を強要してきたとき
☞ 労働条件とは全く無関係のことについて交渉を要求されたとき
☞ 団体交渉を行うことが不可能な日時・場所を要求され、話し合いに応じないとき

ただ、まずは労働組合から渡された書類は、絶対に受け取るようにしてください。受け取りすら拒否するということとなると、不当労働行為となる可能性が高い上、いざ団体交渉に応じるときになっても、労働組合側の主張が全くわからず、対策が全くできない状態となってしまいます。

誠実団交義務とは?

とはいえ、労働組合から団体交渉を申し入れされた場合、会社は、原則として団体交渉に応じるのが原則となります(誠実に団交に応じなければならない義務として「誠実団交義務」「団交応諾義務」などといいます)。

労働組合からの団体交渉が正当になされているにもかかわらず団体交渉に応じないと、応じないことをもって団体交渉拒否という不当労働行為となり、労働組合法違反となります。

上記のような「正当な理由」がある場合には、そもそも労働組合の団体交渉でなかったり、団体交渉が正当な方法で申し入れられていない場合ですから、応じる必要はないわけですが、その判断は、高度な法的判断になりますし、最終的に労働委員会などで争って勝ち取らなければならないことになります。

したがって、まずは誠実団交義務にしたがって、団体交渉の席にはつくべきでしょう。団体交渉で円満に解決できるケースも多いですから、頑なに突っぱねるよりは、会社側も最初は歩み寄りを見せたほうがうまく行く場合が多いです。

【書式付き】労働組合への回答書の作成

回答書の内容

以上の検討をした上で、団体交渉に応じることとなった場合には、労働組合に対して回答書を作成することとなります。

回答書の内容としては、日時、場所、出席者、団体交渉における議題など、形式的なことにとどめるのが一般的です。というのも、団体交渉というのはあくまでも「話し合い」ですので、詳しくは団体交渉の場で話し合うべきだからです。

この書面で、労働組合の主張を一方的に反論し、否定し、団体交渉での話し合いの機会を奪ってしまえば、不誠実団交という不当労働行為になって労働組合法違反となる可能性がありますから、書面の記載にも注意が必要です。

回答書の記載例をダウンロードできるようにしておきましたので、参考にしてみてください。

(参考)団体交渉における労働組合への回答書

回答書の送付期限

労働組合からの団体交渉申入書には、回答書を送付する回答の期限が記載されていることが多いです。多くの場合、1週間以内など、かなり短期間の回答期限が付されています。労働者の労働問題という緊急で重要な問題を争うのですから、急がなければなりませんが、厳しすぎる期限には必ずしもしたがう 必要はありません。

労働組合としても、短時間で適当な回答をされるよりは、適切な的を射た回答を得た方がよいですから、労働問題に強い弁護士に相談する時間などは、労働組合に先に連絡をして回答期限を待ってもらった方がよいでしょう。

まとめ

今回は、労働組合から突然団体交渉の申し入れがされたという、非常に緊迫した場面で、焦らず行動するために、初動対応において最低限気を付けておかなければならないことについて解説しました。

団体交渉の具体的な流れや注意点については、こちらの記事を参考にしてください。

(参考1)団体交渉の手続き進行を有利に進める5分でわかるポイント
(参考2)団体交渉の「やってはいけない」が一目でわかる!経営者必見

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