再逮捕とは??再逮捕から早く釈放されるための逮捕期間中のポイント


再逮捕釈放示談不起訴保釈身柄拘束刑事弁護法律相談弁護士無料東京

ニュースでは、毎日のように殺人事件や詐欺事件などで犯人が逮捕されています。最近は、元プロスポーツ選手や芸能人の逮捕も珍しくなく、日々ワイドショーを賑わせています。

皆さんの中には、逮捕された、とのニュースのあと、しばらくして、今度は「再逮捕」されたというニュースを見た方もいるのではないでしょうか。

例えば、「死体遺棄事件で逮捕」というニュースのあとに、「殺人事件で再逮捕」という場合、「覚せい剤所持で逮捕」というニュースの後に、「覚せい剤使用で再逮捕」などが一例として挙げられます。

この「再逮捕」とはいったい何なのでしょうか。

普通の「逮捕」とはどのように違うのか、ご存じですか。

今回は、知っているようで知らない、刑事事件における再逮捕について、刑事弁護を得意とする弁護士が、解説していきます。

刑事事件はスピーディな対応が重要です!

もし、あなたの家族、友人、親族が、刑事事件で逮捕、勾留などの身柄拘束を受けた場合には、刑事事件の得意な弁護士にすぐ相談をしましょう。刑事弁護を開始するタイミングが早ければ早いほど、身柄拘束が短期で終了し、示談成立、起訴猶予などの、有利な結果を獲得できる確率が上がります。

日本の刑事司法では、起訴された場合の有罪率は99.9%と言われており、捜査、起訴と進んだ場合には、手遅れとなりかねません。前科が付き、その後の人生を崩壊させないために、早期の刑事弁護が重要です。

再逮捕とは

「再逮捕」とは、既に何らかの犯罪により、逮捕・勾留されている人を一旦釈放してその直後に逮捕すること、または勾留されたまま再度逮捕することをいいます。

ところで、逮捕・勾留の期間を御存じでしょうか。

逮捕、勾留の期間は、通算すると、最大で23日間です。

しかし、この23日間という期間では、検察官が被疑者を起訴するかどうか判断する上で十分な証拠や供述を得られないことがあります。

そこで、被疑者を再逮捕して、再び、身柄を拘束した上で継続して捜査を行うことがあるのです。

同一犯罪での再逮捕は原則禁止

検察や警察が、捜査に必要であるからといって、どのような場合でも再逮捕をしてよいわけではありません。

同じ容疑での再逮捕・再勾留は原則として禁止されています。

その理由は逮捕された人の気持ちになってみると想像がつくのではないでしょうか。

同一の容疑での再逮捕が認められてしまいますと、「最長20日間」と厳格に定められた勾留期間が何の意味もなさなくなってしまうからです。何度でも、捜査機関の都合によって再逮捕が認められるのでは、犯人の人権が守られません。

そのため、例えば、オレオレ詐欺で逮捕され、勾留期間と延長期間の20日間経過しても証拠が出ず、被疑者が黙認を貫いたとしても、もう一度、同じ容疑で再逮捕することはできないことになります。

この場合、検察官は、別の容疑、例えば、被害者が違う別のオレオレ詐欺の事件等で再逮捕することになるのです。

逮捕から再逮捕へのおおまかな流れ

実際に逮捕され、さらに再逮捕をされた場合、どのように対応すればよいのか、弁護士が解説します。

まずは、再逮捕されるまでの流れをしっかりと理解することが重要です。

再逮捕の流れを理解することによって、今どの段階にいるのかを知り、その段階に適した弁護活動を行わなければいけません。

ご家族が再逮捕されてしまい、なかなか釈放されないという場合には、刑事弁護人の経験が豊富な弁護士に、お気軽に法律相談ください。

警察の捜査(容疑A)

最初の容疑(「容疑A」とします。)で逮捕されると、指紋採取や顔写真の撮影が行われます。

そして、警察による取調べなどの捜査が行われます。

警察の捜査の期間は「48時間」です。48時間以内に警察から検察へと身柄を移されることになります。

検察の捜査(容疑A)

容疑Aの警察の捜査がおわると、検察へ身柄が移されます。

続いて、検察による捜査が行われます。

検察の捜査の期間は「24時間」です。検察が24時間で捜査が終了しないと判断し、勾留の必要性がある、と考えた場合、検察官は勾留請求を行います。

容疑Aによる勾留請求が認められますと、被疑者はまず10日間、引き続き留置場にいることになります。

さらに、検察官が勾留延長の請求をして、これが認められれば、さらに最長10日間、留置場にいることになります。

逮捕状の作成(容疑B)

事件が複雑であったり、容疑者が否認しているなどの事情により、捜査が長引くと判断した場合は、捜査機関は容疑Aの捜査を進めるとともに容疑Bの逮捕状を用意します。

裁判所から逮捕状の許可がおりた場合、捜査機関は容疑Bで逮捕することが可能になります。

釈放(容疑A)

勾留期間(延長期間を含めます。)の20日間、つまり、逮捕された後、23日を過ぎると、嫌疑不十分で起訴・不起訴の判断ができない等と、検察官が判断した場合、被疑者は釈放となります。

本来であれば、釈放されると被疑者は自由の身になり、逮捕時の私物も返却されることになります。

再逮捕(容疑B)

しかし、容疑Bで逮捕状が出ていた場合、被疑者は、再度、捜査機関から容疑Bの逮捕状を提示され、再逮捕されてしまいます。

再逮捕後は再び指紋採取や顔写真の撮影が行われ、上記と同様の逮捕後の流れが繰り返されることになります。再逮捕された場合、相当なショックを受けるのは容易に想定できるでしょう。

再逮捕される具体的なケース

では、再逮捕されるケースとは具体的にどのような場合なのでしょうか。主に、以下の3つの場合に多く見られます。

できるだけ再逮捕されないようにするためにも、再逮捕されてしまいがちなケースをきちんと理解してください。

再逮捕を避けるためには、逮捕直後から、スピーディに弁護士による刑事弁護を開始することが効果的です。

余罪がある

まず、再逮捕される典型的なケースとして、余罪がある場合があげられます。

逮捕された犯罪以外にも、余罪がある場合には、再逮捕されることがあります。

例を挙げますと、詐欺罪で逮捕・勾留されていた容疑者が、実は、殺人も犯していた場合です。

もっとも、捜査機関側も抱えている事件はひとつではないので、できるだけ捜査を早く終わらせたいと考えます。

一度の逮捕・勾留で捜査が済みそうな場合は、わざわざ再逮捕という手続きをとらないのが通常です。

この場合、一度の逮捕、勾留のあとに起訴され、余罪がさらに追加で起訴されるということがあります(「追起訴」といいます。)。

事件が複雑、特殊である

複雑な事件や特殊な事件の場合には、まず捜査機関が、証拠が揃っている等、確実に逮捕できそうな容疑で逮捕・勾留し、その後複雑な事件や特殊な事件について再逮捕することがあります。

殺人事件の場合を例にとりましょう。

まず、死体遺棄罪で逮捕・勾留して、その後、殺人罪で逮捕する場合です。

殺人事件の場合、報道番組やニュース等で、「殺人罪で逮捕!」という前に、「死体遺棄罪で逮捕!」というニュースが流れる場合がありますが、それはまさにこのようなケースの典型例です。

黙秘し続けている

捜査機関に逮捕された被疑者には黙秘権があります。

犯人がこの黙秘権を行使し続けることがあります。

このような場合、捜査機関としては、他の有力な客観的証拠がない限り、被疑者を起訴するだけの証拠を集められない、ということになってしまいます。

そこで、捜査機関は、別の容疑で被疑者を再逮捕することがあるのです。

当然ですが、容疑をでっち上げた上で逮捕することは違法です。したがって、多くの場合は上記でご説明した余罪がある場合の再逮捕ということが多いでしょう。

再逮捕のダメージはとても大きい

再逮捕が、犯人(被疑者)に与えるダメージは、とても大きいものです。

再逮捕を回避したいと考えるのは当然でしょう。次に、再逮捕をされてしまった場合に、犯人(被疑者)が受ける大きなダメージについて、弁護士が解説します。

逮捕・勾留期間が長くなる

既に説明したことからもわかるとおり、逮捕された場合、逮捕と勾留の期間を併せて、最大で23日間も留置場にいることになります。

通常であれば、留置場での生活に慣れている人は少ないでしょうから、長期間、身体を留置場で拘束されることの精神的・肉体的ダメージは大きいものとなります。

そして、再逮捕の場合には、これがもう一度繰り返されるわけです。

身柄拘束の期間が長くなると、やってもいない犯罪について「私がやりました。」と自白してしまうなど、通常の状態では思いもよらないことが起きかねません。

弁護人としては、できる限り身柄拘束を短くするよう、刑事弁護を徹底的に行います。

再逮捕が捜査上のテクニックにされる危険

必ずではありませんが、捜査機関が、「再逮捕」を捜査テクニックとして使うケースもあります。

すなわち、「再逮捕」の可能性があることを被疑者にチラつかせ、精神的にダメージを与え、自白を得ようとすることがあります。

特に、逮捕・勾留中に被疑者が完全に黙秘している場合や、一貫して容疑を否認している場合です。

このように被疑者が完全黙秘や否認をしたため、起訴するに足りる十分な証拠を捜査機関側が得られないまま、勾留期間が満了となれば、一旦、被疑者は釈放されます。

ところが、留置場の出入口に警察官が新たな容疑(上記でいう容疑B。)の逮捕状を持って待ち構えており、一度釈放された被疑者に逮捕状を示して再度逮捕したという事例もないわけではありません。

ダメージの大きい再逮捕ケースに出くわした被疑者としては、「やっと長い身柄拘束から自由になれる。」と思っていた矢先に、再び、逮捕されてしまうのです。

再び逮捕・勾留されてしまった場合、被疑者の精神的なダメージは計り知れないでしょう。被疑者は精神的なダメージを負った状態のまま、引き続き捜査に協力する、つまり取調べが行われることになります。

再逮捕の段階で、被疑者が、罪を認めてしまうケースも少なくありません。

結果的には、再逮捕が、被疑者の自白を得るための捜査テクニックとして使用される可能性も十分にあります。

再逮捕と保釈の関係

再逮捕と保釈の関係について、弁護士が解説します。

ところで、容疑Aの事件に関して保釈され、その後容疑Bで再逮捕された場合、Aに関しての保釈はどのような扱いとなるのでしょうか。

結論から言いますと、残念ながらAに関しての保釈は事実上無意味になります。

Aとは別の容疑である「容疑B」で再逮捕されてしまったわけですから、今度は「容疑B」について逮捕・勾留による身柄拘束が続くことになってしまうのです。

したがって、やはり保釈されたい、とお考えの場合は、今度は逮捕、起訴された容疑Bについて、保釈請求し、それが認められる必要があります。

まとめ

今回は、「再逮捕」について、刑事弁護を得意とする弁護士が説明してきましたが、いかがだったでしょうか。

再逮捕は時として捜査機関側の捜査テクニックとして使われることがあります。

また、検察や警察にそのような策略が仮になかったとしても、身柄拘束が長引くことによって、不当な自白などを行ってしまいかねません。

そのため、再逮捕を回避し、不要な身柄拘束期間を短くするためにも、できるだけ早期に、弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士に依頼すれば、再逮捕を含めての刑事手続きの説明だけでなく、逮捕後の取調べへの対応などについても的確なアドバイスを受けることができます。

刑事事件はスピーディな対応が重要です!

もし、あなたの家族、友人、親族が、刑事事件で逮捕、勾留などの身柄拘束を受けた場合には、刑事事件の得意な弁護士にすぐ相談をしましょう。刑事弁護を開始するタイミングが早ければ早いほど、身柄拘束が短期で終了し、示談成立、起訴猶予などの、有利な結果を獲得できる確率が上がります。

日本の刑事司法では、起訴された場合の有罪率は99.9%と言われており、捜査、起訴と進んだ場合には、手遅れとなりかねません。前科が付き、その後の人生を崩壊させないために、早期の刑事弁護が重要です。


関連記事を見る