大麻で逮捕されたら?不起訴・執行猶予のための刑事弁護


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「ハッパ、マリファナ、グラス、チョコ、クサ・・・。」

これらは全て大麻の別名です。一般的にはマリファナという言い方が最も馴染み深いでしょうか。

実は、大麻取締法違反での逮捕者数は、覚醒剤取締法違反に次ぐ多さを誇っています。

最近は、芸能人や元スポーツ選手の覚せい剤逮捕だけでなく、有名俳優や女優が大麻所持により逮捕されたり、大麻を吸引している画像が週刊誌によりスクープされることも少なくありません。

大麻は、海外の一部では合法とされているばかりか、入手するために多額の費用が必要となるわけではありません。そのため、大麻を甘く見る傾向があるように思います。「覚せい剤は使わないけれど、大麻なら・・・。」という鈍麻した気持ちが、逮捕のもとです。

したがって、未成年をはじめとする一般市民にとって心理的ハードルが高くない犯罪の一種ともいえますが、大麻を使用することは法律で禁止された違法行為です。刑事罰の対象となりますから、逮捕されるリスクがあります。

また、大麻の使用を合法にせよ、という運動もあります。しかし、まだ日本では大麻取締法に違反した場合には逮捕されることになります。そして、犯罪統計学的に見ても、大麻は再犯率が高い、という特徴があります。

今回は、大麻取締法違反で逮捕された場合の刑事弁護について、大麻犯罪の刑事弁護人の経験豊富な弁護士が、解説していきます。

刑事事件はスピーディな対応が重要です!

もし、あなたの家族、友人、親族が、刑事事件で逮捕、勾留などの身柄拘束を受けた場合には、刑事事件の得意な弁護士にすぐ相談をしましょう。刑事弁護を開始するタイミングが早ければ早いほど、身柄拘束が短期で終了し、示談成立、起訴猶予などの、有利な結果を獲得できる確率が上がります。

日本の刑事司法では、起訴された場合の有罪率は99.9%と言われており、捜査、起訴と進んだ場合には、手遅れとなりかねません。前科が付き、その後の人生を崩壊させないために、早期の刑事弁護が重要です。

大麻取締法で罰せられる大麻犯罪とは?

「大麻」という言葉、覚せい剤に負けず劣らずニュース等でよく耳にしますよね。

では、大麻に関する犯罪に関してどれだけの知識をお持ちでしょうか。

勘違いされている方も少なくないのですが、大麻を吸った、すなわち「使用」する行為自体は、大麻取締法による刑罰を科されることはありません。

大麻を栽培したり、輸出・輸入したり、所持・譲渡・譲受をした場合に刑罰が科せられるのです。

また、大麻を利用してお金を稼ごうという目的、法律の専門用語でいいますと「営利目的」でこれらの行為を行った場合は、自分で使用するために行う場合より、重い刑罰が科せられます。

上記のように、大麻を使用すること自体は法律上禁止されていません。もっとも、法律が大麻の使用は合法である、としているわけではないので注意が必要です。

あなたが大麻を吸う場合を想像してみて下さい。大麻を使用するためには、大麻を「所持」したり「譲り受け」る行為が必要不可欠です。

よって、これらの行為を行った時点で大麻取締法に違反することになります。

大麻であることを知らないまま所持している場合は犯罪が成立しないものの、「これは大麻かもしれない。」と思っている場合には犯罪が成立するおそれがあります。「怪しいクサだったけれど合法だと思って、まさか大麻だとは・・・」と言い訳しても、逮捕を逃れることはできません。

大麻取締法違反の刑罰の相場

次に、大麻取締法違反の行為をしてしまった場合、どの程度の刑罰となるかについて見ていきましょう。

大麻取締法では、大麻に関する行為について、刑罰を次のように定めています。

  1. 大麻の栽培・輸入・輸出
  2. ・自己使用目的の場合: 7年以下の懲役
    ・営利目的の場合: 10年以下の懲役、「情状により」10年以下の懲役及び300万円以下の罰金

  3. 大麻の所持・譲り受け渡し
  4. ・自己使用目的の場合: 5年以下の懲役
    ・営利目的の場合: 7年以下の懲役、「情状により」7年以下の懲役及び200万円以下の罰金

さきほど解説したとおり、大麻の使用については、刑罰が定められていませんが、大麻を使用する場合には、あわせて大麻取締法で禁止される行為を行ってしまうのが通常でしょう。

また、これらの刑罰に加えて、所持していた大麻などは没収されます。

どのような場合に大麻が発覚するの?

ここまでお読みいただければ、大麻に関する行為を行うことが、いかにリスクの大きいことであるか、よくご理解いただけたのではないでしょうか。

では、大麻を所持していたことは、どのような場合に警察に発覚し、逮捕に至るのでしょうか。

上記の通り、大麻は「使用」では逮捕できないため、「所持」や「栽培」などで逮捕されます。

「自宅でこっそり栽培しているからばれることはないだろう・・・。」、と過信して使用していたような場合でも、甘い考えといわざるをえません。

次にご説明するようなことがきっかけとなり、大麻に関する犯罪が発覚し、ある日突然逮捕されるという法律相談も多くあります。

近所の人や同居人、友人・知人からの通報で発覚

大麻を使用したり栽培する場所は、自宅であるケースが多くみられます。

大麻を栽培するのは比較的容易である、といわれています。そのため、自宅でこっそり栽培すれば、まさか大麻を栽培しているなどとバレることはないだろうと考える方が多いようです。

大麻の映像をニュースでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、大麻は1メートルくらいの高さに成長します。

また、大麻を吸う際には特有の匂いが発生します。天涯孤独で、他人と一切交流を持たずに生活を送ることは難しいです。

次のような経緯で、自宅に捜索が入り、大麻の所持・栽培が発覚することがあるのです。

  • ☛ 自宅に呼んだ知人が、大麻らしきものが栽培されている、と通報。
  • ☛ ベランダで栽培していたら、隣人が警察に通報。
  • ☛ 一緒に住んでいた、別れた元恋人が通報。

「大麻栽培はバレない。」というのは、甘い考え方であることが理解いただけたでしょうか。

また、大麻栽培がバレた場合のリスクは、逮捕、起訴、刑事罰と、非常に重いものです。

売人が逮捕され、芋づる式で発覚

捜査機関は、大麻や大麻の種などを販売していたいわゆる「売人」を逮捕すると、顧客名簿やメール・LINE等でのやり取りについて捜査します。

大麻の売人を徹底的に捜査した結果、芋づる式で購入した者にまで捜査が及び、逮捕に至ることがあるのです。

大麻の「譲受けや譲り渡し」も処罰されるのは、前でご説明した通りです。当然ながら逮捕の対象となります。

したがって、過去に大麻を使用していたが、現在は大麻から足を洗い、一切使っていないような場合でも、過去の「譲り受け」行為により逮捕されてしまうこともあるのです。

警察官からの職務質問で発覚

大麻の譲受け、譲渡しが頻繁に行われているような地域や、逮捕者が出た場所に警察官が紛れ込み、いわゆる内偵捜査が行われています。

あやしげな行為をしていると、警察からの職務質問によって、大麻を所持していたことが発覚し、逮捕されることもあります。

薬物犯罪担当の捜査官は、持ち物検査を得意としています。大麻所持者がうまく隠したつもりでも、結局、大麻が見つかり、発覚することもあります。

「まさか自分が大麻を所持しているとは思わないはず。」という考えは、甘いと言わざるを得ません。

大麻取締法違反で逮捕後、刑事手続の流れは?

大麻取締法違反で逮捕された場合、一体どのような刑事手続きが待っているのでしょうか。

万が一、あなたや、あなたのご家族、恋人などが、大麻所持などで逮捕されてしまった場合にそなえて、大麻の犯罪で逮捕された後の刑事手続の流れについて、スケジュールを知っておいてください。

ただ、大麻で逮捕された場合、スピーディな刑事弁護が必要となります。どのようなスケジュールであっても、いち早く、刑事弁護に強い弁護士に、法律相談するのがベストな対応です。

大麻で勾留された場合

大麻取締法違反で逮捕されてしまうと、大多数の逮捕者が検察庁に送られ、勾留されることになります。

勾留とは最大で20日間という長期の身柄拘束のことを指します。

では、大麻取締法違反で勾留する目的は、何かご存じですか。

主な目的は、逃亡や、薬物犯罪に関連する仲間との接触を図ることや、証拠を隠滅することや、再犯などを防ぐことにあります。

大麻は、粉末状であればトイレに流す、薬草であれば燃やすなど、容易に証拠隠滅できる、という特徴があります。そのため、大麻犯罪者を家に帰してしまうと、大麻をすぐに隠滅してしまうおそれがあります。

また、大麻を売人から買っていた場合には、釈放されるとすぐに連絡をして、再び大麻犯罪に手を染めるのではないかと疑われます。

そのため、大麻で逮捕されますと、ほとんどのケースで勾留されます。

大麻で勾留されると、接見禁止が付く?

大麻に関する犯罪で、逮捕され、勾留されると、「接見禁止」がつくケースがよくあるといわれています。

実際、ご家族や恋人が大麻で勾留されたといって法律相談にこられる方の中には、接見禁止処分となっている場合が少なくありません。

「接見禁止」とは、たとえ家族など身内であっても、一般人は面会を行なうことができない、という制度です。

このように接見禁止が付いた場合であっても唯一、被疑者と面会できるのはが、弁護士です。

刑事弁護人となると、弁護士は、面会を通して、今後の刑事手続きの流れや方針について説明するとともに、逮捕され精神的に疲れきっている被疑者の支えになる、という役割を果たします。

大麻犯罪でも不起訴になる場合とは?

検察は、勾留中に取調べた内容を踏まえて、被疑者を起訴するか不起訴にするか、決定します。

これは、大麻に関する犯罪で勾留された場合であっても同様です。

このタイミングで不起訴処分を獲得することこそが、最も重要です。

というのも、不起訴処分となればいわゆる「前科」がつかないからです。

大麻を所持していた経緯に同情の余地がある場合や、大麻の分量が少ないなどの場合には、不起訴となる可能性があります。

不起訴にするためには、弁護士が積極的に検察官を説得する材料を集め、的確な意見を述べることが必要です。

大麻で、即決裁判になる場合とは?

大麻取締法違反の事件では、「即決裁判」を利用することもあります。

「即決裁判」とは、即日で手続きが終わり、執行猶予が付くという制度です。

大麻に関する犯罪の場合、初犯であれば(つまり、前科がなければ)、起訴されたとしても執行猶予となる可能性が高いといえます。

ただし、即決裁判を利用する場合は、申立ての時期や申立方法、被疑者の同意が必要など、何点か注意しなければならない留意点があります。

大麻で執行猶予を勝ち取るには?

大麻取締法は、上記でご説明しましたように、有利な情状が認められなければ、懲役刑しかありません。

そこで、大麻に関する犯罪で、起訴されてしまった場合、次は、執行猶予といって、一定期間、犯罪を犯さなければ言い渡された刑が免除される制度の獲得を目指します。

執行猶予になった場合、前科は付きますが、実刑となることはなく、刑務所に行かなくてすみます。

大麻犯罪を犯した場合、有利な情状がポイント!

大麻犯罪を犯してしまった場合、ここまでに解説した刑事手続きの流れからもわかるとおり、釈放、不起訴、執行猶予といった、有利な処分を勝ち取るためには、弁護人の力を借りて、有利な情状を集める必要があります。

大麻のような薬物犯罪は、薬物依存による再犯率が非常に高い、という現状があります。

今回だけは実刑を受けず釈放された場合であっても、再び犯罪を起こしてしまえば、次こそは実刑を受けるでしょう。

「またどうせやるのでは?」と検察官に思われてしまえば、不起訴としてもらうことは難しいでしょうし、「再犯の可能性が高い!」と裁判官に思われてしまえば、執行猶予がつかずに実刑となるリスクが高くなります。

更には、何度も大麻を所持して逮捕されてしまえば、社会復帰もますます難しくなります。

たしかに、大麻は覚せい剤などと比べると比較的依存度が低いとは言われています。しかし、再犯の可能性がゼロとは言えません。そこで、大麻を再び使用しないためにできることを以下、解説します。

家族や恋人によるサポート

大麻取締法違反で逮捕された方との家族や恋人のサポートや監督が大切になります。

身元引受人、監督者がいることは、「今後、大麻を使用したいと本人が言い出したときにも、しっかりと止めます。」と誓う人がいるということですから、再び犯罪を起こす可能性が低いと判断され、有利な情状となります。

ただ、監督をしてくれる人の存在は、できるだけ近しい人がよいでしょう。

大麻を使用するときは、隠れて使用することが一般的でしょうから、「たまに会う」といった程度では監督は難しく、同居していたり、親族であったりするのが一般的です。

大麻犯罪の監督とは具体的に何をすればよいのか分からないかもしれませんが、一日中見張っていろ、というわけではありません。

大麻に関係しそうな人物と連絡を取っていないか、挙動不審なことはないか、どこに出かけているのか、などの点について監督する必要があります。

また、嗅いだことのないような匂いがした場合には、再び大麻を使用していないか、確認することが大切です。

更生施設への入所やクリニックへの通院

大麻は、他の薬物に比べて依存度は低いとはいえ、家族だけでのサポートが難しい場合もあります。

そのような場合には、薬物依存者を更生させる施設の入所を検討したり、クリニックに定期的に通院する、という方法もあります。

病的に大麻へ依存してしまうような場合には、単に本人が「もうやりません。」と言っただけでは、執行猶予などの有利な処分を勝ち取ることが難しいケースもあります。

大麻仲間との接点を断つなどの環境改善

大麻を使用したり、売買しているような仲間がいるからこそ、断りきれないまま、ついつい使用してしまう場合があります。

そこで、悪い仲間とまだ連絡をとっていないだろうかなどに関してチェックし、仲間との連絡先を全て消したり、再び会うことのないように合意書を交わすなど手を尽くす必要があります。

賃貸借契約の解約(栽培していた場合)

大麻を自宅で栽培することは比較的容易である、と言われています。

したがって、自宅の一室を使って大麻を栽培していたり、営利目的で大量の大麻を栽培するために、わざわざ大麻栽培用の部屋を借りているケースも決して少なくありません。

営利目的の場合、自分で使うために大麻を所持していただけのケースに比べて、重く処分されます。

そこで、大麻栽培を継続させないための手段として、逮捕当時、大麻栽培のために賃貸していた部屋を解約する、という工夫もあります。

まとめ

大麻に関する犯罪で、逮捕、起訴されてしまった場合の、刑事弁護のポイントについて、弁護士が解説しました。

大麻は、依存度が比較的低いとされていますが、再び手を出してしまうことは十分考えられます。特に、「軽い気持ちで大麻を使っていた。」という大学生など、若者による大麻の犯行が顕著です。

大麻が違法性の低い薬物だという考え方は間違いです。覚せい剤と同様、法律で禁止されていますから、所持していれば、逮捕され、起訴されてしまいます。

逮捕・拘束され、前科が付くというようなことになれば、人生に多大な影響を与えます。

大麻により逮捕された場合には、一刻も早い対応が不可欠です。再犯防止のためにもフットワーク軽く動いてくれる弁護士に相談するのがおすすめです。

刑事事件はスピーディな対応が重要です!

もし、あなたの家族、友人、親族が、刑事事件で逮捕、勾留などの身柄拘束を受けた場合には、刑事事件の得意な弁護士にすぐ相談をしましょう。刑事弁護を開始するタイミングが早ければ早いほど、身柄拘束が短期で終了し、示談成立、起訴猶予などの、有利な結果を獲得できる確率が上がります。

日本の刑事司法では、起訴された場合の有罪率は99.9%と言われており、捜査、起訴と進んだ場合には、手遅れとなりかねません。前科が付き、その後の人生を崩壊させないために、早期の刑事弁護が重要です。


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