ペットサロンは全国に2万1000店舗もあるといわれております。動物病院が1万1000施設ですから、ペットサロンは愛犬家にとってより身近な存在といえます。
今回はペットサロンでありがちなトラブルや、万が一の時の対応について解説していきます。ペットを愛する飼い主の方は、参考にしてみてください。
獣医とのトラブルはこちらの記事を参考にしてください。
(参考)動物病院でのトラブルから最愛のペットを守る8つのポイント
このページの目次
ペットサロンでのよくあるトラブル
ペットサロンでのトラブルの相談ケースとしてよくあるのが、次のような相談です。
このようなペットサロンでのよくあるトラブル事例に、どのように対応すればよいのでしょうか。
トリミングは請負契約
トリマーさんは、「ペットの毛を指示通りにカットする」という仕事の完成を約束しているものですから請負契約に該当します。
ですので、飼い主からの注文のとおりに完成させる義務があります。
カットが足りない場合は、注文どおりにカットしなおしてもらってから代金を支払えばいいことになります。カットが足りていない以上、まだ完成していないこととなりますから、この段階で代金を支払う必要はありません。
もし逆に「カットしすぎ」というミスの場合、修復が困難ですから、契約の目的を達成することができないことを理由に、代金支払を拒否することができます。
ただし、曖昧な言い方をして、「完成イメージ」がきちんと伝わらなかった場合は、ただの「言いがかり」になりかねませんので、イメージを共有できるように写真の切り抜きなどの見本を持参すべきでしょう。
ペットサロンへの損害賠償
多くのペットサロンは万が一のために「ペット事業者賠償責任保険」という保険に加入しています。
その内容をみると、トラブルの時の対応や補償の相場がわかります。
愛犬にもしものことがあっても、あまり感情的にならず冷静に対応しましょう。愛するペットのことですから、感情的になって多額の慰謝料を請求したいと考える方も多いですが、法律的にはペットは「動産」つまり物と同じ扱いとなってしまい、意外と補償の相場が低いことに驚くかもしれません。
参考に、日本ペットサロン協会の補償額をご覧ください。
ペットが怪我、食中毒をおこした
治療を要する時には治療費用、病院搬送の際の交通費を請求できます。
ペットが逃げて行方不明になった。
ペットサロンが探偵に依頼したりチラシ作成をしたりするなどの対応をとる場合の費用を補償します。
ペットが死亡した
ペットサロンの過失の場合、同等種のペットを再購入する費用相当の損害賠償金が補償されます。
サロンの過失ではない場合でも、慣習としてお見舞金が払われるようです。相場は1匹あたり5万円が限度とされます。
それでも納得がいかなかったら
ペットサロン側の対応が不誠実で納得がいかなかった場合には、まずは内容証明郵便による請求を活用しましょう。
損害賠償や慰謝料を求めるならば、ペットサロンにその意思を伝えたという証拠になります。また、訴訟にするほどの多額の損害賠償とならないケースであっても、正式な形で意思表示をすることによって、ペットサロンの対応が誠実になる可能性があります。
内容証明のメリットとしては
1.意思を明確に伝えられる
2.法的措置を検討しているという心理的圧迫
3.回答に期限を設けられる
4.訴訟の時の証拠になる
があげられます。
まとめ
ペットサロンでは長時間、他所に愛犬、愛猫をあずけることになりますから、ペットの方も情緒不安定になりがちです。
突然動いてハサミが入ってしまったとか、体調不良で病気になったなど、ペットサロンの過失がない場合もトラブルになる場合がありますので、軽微なトラブルはつきものだと覚悟をしておいた方がいいでしょう。
サロン側にミスがあった場合は、訴えるべきことは伝えましょう。「死亡しても文句は言わない、訴えない」という誓約書にサインをさせるペットサロンもあるようですが、無効となる可能性の高いものです。