動物病院でのトラブルから最愛のペットを守る8つのポイント


体調不良のペットを動物病院で治療してもらうとしたら、逆にトラブルに巻き込まれてしまったという相談ケースがあります。

動物病院の獣医師は、ペットの命を扱う仕事であり、細心の注意を払うべきですが、ミスやトラブルは起こるものです。動物病院でのトラブルの際、どのように対応すべきかについて解説していきます。

ペットサロン・トリマーなどのトラブルはこちらの記事を参考にしてください。
(参考)ペットサロンでのトラブルから最愛のペットを守る3つのポイント

獣医

獣医師は診療を拒否できない

獣医師法では、獣医師は診療を求められた場合には、正当な理由がない限り診療を拒否することはできないと定められています。

獣医師法19条1項
診療を業務とする獣医師は、診療を求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。

診療とは、獣医学的に必要な検査や処置のことで、診療内容については、飼い主への説明義務があります。

インフォームド・コンセント

獣医師による診療内容の説明にもとづき、飼い主が診療内容について事前に同意することをインフォームド・コンセントといいます。

獣医師が診療前に説明すべきとされている事項は


☞ ペットの病状、病態
☞ 検査、治療の方針
☞ 選択肢
☞ 診療後の予後
☞ 診療料金

などで、飼い主の同意を得ながら治療を進めなければなりません。

獣医師が勝手に治療を進めると、飼い主の「自己決定権の侵害」となり損害賠償の対象になります。

善管注意義務

獣医師は、善良な管理者の注意をもって診療行為をしなければならないとされています。

例えば、「手術前に適切な検査を怠り、術後に死亡した」というケースでは、善管注意義務違反が問題となります。

ここでポイントになるのは、その違反とペットの死亡に「相当因果関係」がないと、損害賠償ができないということです。

ペット医療過誤訴訟の注意

動物病院を相手に訴訟を起こすときの注意点は次のとおりです。

民事裁判は法的責任を追及するには有効な手段ですが、費用面では赤字になってしまうことが多いです。

治療行為に関する証拠は獣医側がもっている

カルテなど、治療行為が違法であったかどうかを判断する証拠は獣医側にあり、ペットの飼い主側にはほとんどありません。

したがって、訴訟をする際には、開示を求めるか、証拠保全などの方法によって証拠を収集しておくことが必要です。

一般的な医療水準から見ての判断になる

一般的な医療水準から正しい診療が行われたかどうかを判断することとなります。

一般的な医療水準にしたがった診療を行った結果としても救うことができなかった場合には、損害賠償が認められない可能性があります。

ペットの慰謝料は思ったより小さい

ペットは、法律上は「動産」つまり物として評価されることとなります。愛着のある飼い主からすればペットは物ではないでしょうが、法律上はペットは物なのです。

その結果、慰謝料をはじめとした損害額は、飼い主が思ったよりも少額になるケースがほとんどであろうと思います3

獣医師による鑑定があった方がいい

飼い主の側に立って「この診療はおかしい」「治るはずの状況であったのに」という意見を書いてくれる獣医師を探しましょう。

慰謝料の相場

判例をもとに、ペット慰謝料の相場を紹介します。

☞ 最期を看取れなかった:3万円
☞ 眼部への後遺症:5万円
☞ 避妊手術での死亡:20万円
☞ 治療選択時の自己決定権侵害で死亡:30万円
☞ 詐欺行為での慰謝料:30万円
☞ 糖尿病犬へのインシュリン投与を怠ったための死亡:60万円

同意書の意味

入院や手術の際にとりかわされる同意書は、治療方針について説明をうけ、その治療方法について同意したということを記録に残すのが本来の目的になります。

例えば、「手術によって生じた事態に病院は一切責任を負わない」といった条項は、消費者契約法により無効になります。

トラブル回避のコツ

獣医による説明を待つ姿勢ですと「言われたまま」に治療をされたという形になってしまいます。
ですので、積極的に質問して、自分の納得いく治療を選んでいきましょう。

事前に質問しておくべきポイントとしては、次のようなものが考えられます。

☞ 体調不良の原因
☞ 病名
☞ 検査の必要性の有無
☞ 検査でわかること
☞ 検査自体のリスク
☞ どのような治療法か?
☞ ほかの治療法がないのか?
☞ 各治療法におけるメリットとデメリット
☞ 手術の必要性
☞ 手術の危険性

ペットの治療については、飼い主に自己決定権がありますから、専門家である獣医の判断を尊重しながら、納得のいく治療を選択しましょう。

もし獣医にケガを負わせたら

攻撃性のあるペットは、獣医に襲いかかる場合があります。このような場合に、「もしケガを負わせたら飼い主に賠償責任がある」と心得ましょう。

ただし、飼い主が、あらかじめ獣医に「うちの犬が噛みつくおそれがある」と説明をし、獣医も診療可能と判断したうえでの事故の場合は、損害賠償額は減額されると考えられます。

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