多額の借金を相続したとき相続人が行うべき5つのこと!相続放棄、過払い請求は?


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突然家族が死亡し、相続人となった場合、急な出来事で借金の調査どころでない場合が多いのではないでしょうか。財産調査以外にも、家族が亡くなった場合にはやらなければならないことが山積みですから、財産があまりない場合には、相続問題はどうしても後回しにされてしまいがちです。

しかし、財産がなかったとしても、借金があり、しかもその借金が多額であった場合、相続問題に手を付けずに放置しておくことはおすすめできません。相続人が、借金を相続したことに気付くのは、金融機関から督促を受けたときに初めて、という場合が多いかと思います。

「自分の借金ではないから。」「本人が亡くなってしまったのだから仕方ない。」と考えて放置しておいたのでは、適切な対応を行うべきタイミングを逃すことにもつながりかねませんから、借金が発覚したら即座に対応すべきです。

今回は、多額の借金を相続した可能性がある場合に、相続人が行うべきことを解説していきます。

借金を相続した可能性がある場合には、相続問題に強い弁護士へ、お早目にご相談ください。

相続手続は複雑であり、債務整理も絡む問題ですから、家族が亡くなってしまった多忙な時期の処理は、専門家にお任せ頂くのがよいのではないでしょうか。

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借金を相続したことに気付いた場合の最初の対応

相続人が借金を相続したことに気付くのは、金融機関からの督促を受けた時点というのが最も一般的です。というのも、家族にも内緒で借金を作っていて、亡くなったときに初めて発覚するというケースが少なくないためです。

借金を相続している可能性があると気付いた場合に、まず行うべきことは「債権調査」です。すなわち、いくらの借金があるのか、もしくは借金が存在しないのかについて、調査を行うということです。まずは借金の存在とその金額がはっきりしなければ、その後の適切な方針を立てることができません。

家族にも秘密で借金を作っていた場合には、債権者を特定できないことすらありますが、返済せずに放置しておけば、通常の金融機関であれば、1か月程度で請求書、督促状などを送付してきますので、これを見ることによって、債権者の名前、連絡先を特定することができます。

そして、これによって明らかになったすべての債権者に対して、債権額の調査をするために履歴の開示を依頼します。もし、利息制限法を超える返済を続けていた場合には、過払い金が発生しており、債務が存在しないどころか、もしかしたら返金を受けることができるかもしれません。

債権調査の依頼は、相続人であることがわかる戸籍謄本を添付して行います。

債権調査の方法①「債権者に依頼する」

債権調査の方法としては、まず債権者からの請求を待った上で債権者を特定していき、判明した債権者全員に対して、履歴開示の依頼をする方法があります。

履歴開示の依頼をすると、金融機関にもよりますが、おおむね1週間~2か月程度で、借入と返済の履歴を出してもらうことができます。

債権調査の方法②「信用情報機関に依頼する」

借金をすると、信用情報機関に登録されますので、信用情報機関に情報の開示請求をすることによっても、借金の金額を調査することができます。

信用情報機関からの情報開示を受けることによって、現在取引中の業者、借金が残存している業者だけでなく、既に債務を返済しおえている業者も判明することがあります。

債務整理の方針決定「相続放棄?承認?」

債権調査が完了した後、利息制限法所定の利息に引き直し計算を行うと、払いすぎ(過払金)が発生し、むしろ返金を請求できる場合があります。

このように、債務の総額は、債権調査の結果、すべての債権者から調査結果の回答をもらわなければ計算することができません。したがって、まずは履歴開示を待って、方針を検討することとなります。

履歴開示と引き直し計算の結果、最終的に借金が存在するかどうか、また借金の金額がいくらであるかによって、①相続放棄をして借金を相続しないという選択肢、②承認をして借金を相続して支払っていくという選択肢のいずれの方針がよいかを判断します。

ただし、相続放棄をする場合には、借金だけでなくすべての相続を放棄することとなりますので、他に住宅、預貯金、株式などの資産が多くある場合には注意が必要です。プラスの資産だけを相続して、マイナスの借金だけを相続放棄するということはできません。

なお、相続を承認して債務を支払うこととなった場合には、相続人が複数いる場合には、相続人それぞれが、各相続人の相続持分割合に応じて借金を返済するのが原則です。

相続放棄の方針をとる場合

相続放棄には期間の制限がありますので、相続放棄の方針を選択する場合には、早急に手続きを進めていかなければなりません。

具体的には、相続放棄は、自身の相続開始を知ったときから3か月以内の熟慮期間内に手続きを行わなければなりません。相続放棄の申述は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行うこととされています。

ただし、借金を相続した可能性がある場合には、既に解説したとおり債権調査を行う必要がありますから、この3か月の熟慮期間だけでは、借金がいくらあるのかの調査を十分に行うことができない場合があります。すると、借金がいくらあるのかによって、借金を相続するべきかどうかの方針を決定するわけですから、熟慮期間内には相続放棄が適切かどうかを選択できないこととなってしまいます。

このように、熟慮期間内に相続放棄をすることが可能かどうか判断できない事情がある場合には、家庭裁判所に対して、相続放棄の熟慮期間の延長を申請するようにします。

また、万が一、熟慮期間が経過した後に、突然金融機関から新たな督促が届いた場合には、被相続人の死亡から3か月ではなく、その借金の存在をしってから3か月以内であれば相続放棄が認められるケースが多いですので、専門家のアドバイスを受けて家庭裁判所と交渉をすることがよいでしょう。

例えば、次の裁判例では、相続財産を新たに認識した場合には、その認識したときから相続放棄の熟慮期間が進行することを認めています。

最高裁昭和59年4月28日判決
熟慮期間は原則として相続人が前記各事実を知った時から起算すべきものであるが、相続人において相続開始の原因となる事実及びこれにより自己が法律上相続人となった事実を知った時から3カ月以内に限定承認又は相続放棄をしなかったのは相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、このように信じるについて相当な理由がある場合には、民法第915条第1項所定の期間は、相続人が相続財産の全部若しくは一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべかりし時から起算するのが相当である。

過払い金請求の方針をとる場合

債権調査の結果、利息制限法所定の利息に引き直し計算をすると、返し過ぎたお金がある場合には、過払い金返還請求といって、返し過ぎたお金を返金してもらうことができます。したがって、借金を相続したと思って調査をしてみたら、実は借金がないどころか返金を受けることができたという場合すらあるということです。

過払金請求をする場合には、相続人は、原則として、相続人が複数いる場合には各相続人の相続持分の割合に応じて過払い金請求をすることができます。また、過払い金請求は具体的な債権ですので、これを遺産分割協議によって、一部の相続人に相続させることも可能です。

また、過払い金を訴訟によって請求する場合に、上記の手続きによって過払い金を相続する相続人が複数いる場合には、その全員が訴訟当事者となって訴訟を進行することとなりますが、弁護士に依頼する場合には一人の弁護士に依頼することが可能です。

債務整理の方針をとる場合

債権調査の結果、相続した借金がかなり多額であるけれども、借金以外に資産があることからその資産を相続したという場合には、借金も一緒に相続しなければなりません。資産だけ相続し、借金は相続放棄するということはできません。

この点、相続する資産の範囲で借金も相続するという「限定承認」という方針を選択することも可能です。

資産の方が多額であったり、住宅など捨てることのできない資産を承継したいという感が画あったりする場合には、借金と資産とをまとめて相続することとなります。

このように、熟慮期間内に相続放棄、限定承認を行わず、相続を単純承認することによって借金を相続した場合には、相続した借金の部分について、債務整理を行うこととなります。この場合には、既に相続してしまっているわけですから、自分自身の借金と全く同様に、返済が可能かどうかによって、任意整理、個人再生、自己破産といった債務整理の方針決定を行うこととなります。

ここでは、借金を相続した場合に用いられるケースの多い、任意整理、自己破産について解説します。

任意整理を行う場合

任意整理とは、債権者との交渉によって、債権額の減額、返済方法の分割といった話し合いを行うことを意味します。債権者と直接、書面や電話で話し合いを行い、債権額の減額と分割支払いによって、自己破産せずに支払えるような返済を行うよう交渉をします。

詳しくは、債務整理に詳しい弁護士にご依頼ください。

自己破産を行う場合

借金を相続したものの、相続した借金を返済しきることができないという場合には、自己破産を検討することとなります。

自己破産を行うと、自身の財産によって返済できるだけの借金を返済した上で、その他の借金を帳消しにしてもらうことが可能です。ただし、免責を得るためには一定の制限があります。

まとめ

以上の通り、家族が突然亡くなってしまった場合、借金を相続している可能性がある場合には、早急な対処が必要です。

早め早めに対処していくことによって、むしろ過払い金が請求できたり、相続を放棄することによって借金を引き継がないことができたりといった、選択できる方針は多く存在します。

必ずしも「家族が作った借金だから。」と思って、金融機関の督促の言うなりになって返済をし続けなければならないケースばかりではありませんから、専門家のアドバイスが必須でしょう。

家族から借金を相続した可能性がある場合には、相続と債務整理に強い弁護士へご相談ください。

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