ハラスメントは、日本語に訳すると、「嫌がらせ」となります。
職場で起きるハラスメントは、職場における強い地位を利用したパワーハラスメント、性的な言動を伴うセクシュアルハラスメント、妊娠・出産を理由として行うマタニティハラスメントが有名です。
今回、厚生労働省は、平成28年4月から、相談のしやすさを向上させるべく、ハラスメントの相談窓口を一本化するとのことでした。
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このページの目次
セクハラ・パワハラの相談窓口
セクハラとは?
セクハラには、大きく分けて「対価型」「環境型」の2種類があります。
対価型のセクハラとは?
対価型のセクハラとは、加害者が、職場内の地位や役職を利用して、セクハラを拒否したことを理由に解雇、降格、減給などの不利益な処分を与えるケースをいいます。
たとえば、昇進を条件に肉体関係を要求する行為などがこれにあたります。
環境型のセクハラ
環境型のセクハラとは、性的な言動によって不快感を与えて、職場環境を悪化させるケースをいいます。
たとえば、職場に卑猥なポスターを張る、しつこく下ネタを言い続ける、胸や尻に触れるといった行為などがこれにあたります。
判断の基準は一般人
通常の一般人の感じ方を基準として、セクハラにあたるかどうかを判断するのが原則ですが、同じ行為であっても相手によって感じ方も変わりますから、容易に一般化をすることは困難です。
そうすると、被害者がセクハラであると感じると、ある程度被害者の感じ方が尊重されやすくなってきますから、注意が必要で、自分は示すための行為であったと思っていたり、いつものことだから、と思っていたりしても、実は不快感を我慢させ続けているという場合もあります。
セクハラ・パワハラの相談窓口は?
現在は、セクハラの相談窓口は、都道府県労働局にある「雇用均等室」が対応している一方、パワハラの相談窓口は総務部や労働基準部が対応してきました。
しかしながら、セクハラとパワハラを同時に受けたケースなど相談窓口がわかりにくくなっていました。また、同じ企業に対して異なる部署が指導や勧告を行うケースもありました。
平成28年4月からは、嫌がらせ被害への対応業務を「雇用環境・均等部(質)に集約することとなり、被害相談から調停・あっせんまで一体的に取扱うこととなりました。
職場に起こりがちなハラスメント!こんなにある?
セクハラ・パワハラは有名ですが、職場ではこれ以外にも、多くのハラスメントの危険があります。それぞれ、あなたが被害者または加害者になっていないか、チェックしてみてください。
アカデミック・ハラスメント(アカハラ)
研究の場においては、教える側と学ぶ側のパワーバランスが崩れやすく、特に教授ともなると学内で大きな権限を持つこととなります。このようなパワーバランスの格差を利用して学校内で起こるハラスメントのことをいいます。
アルコール・ハラスメント(アルハラ)
アルコールを理由としたハラスメント全般をいいます。本人の意思に反してアルコールをイッキさせたり、アルコールを飲むことを断りづらい空気にしたりすることを含め、意図的な飲酒強要によって急性アルコール中毒によって死亡するおそれもあるため注意が必要です。
終われハラスメント(オワハラ)
就職活動中の学生に対して、内定を出した企業が、これ以上就職活動を行わないよう、また、他の内定先企業の内定を断るよう圧力をかけるハラスメントです。
オワハラについては、こちらの記事も参考にしてください。
(参考)要注意!内定辞退や内定取り消しは,法律的にNGになるかも!?
ジェンダー・ハラスメント
その性に特有のイメージを元に行われる性差別的なハラスメントのことをいいます。たとえば「男なんだから泣いてはいけない」「女はお茶くみとコピー取りをやっていればよい」といった固定観念を押し付けるハラスメントがこれに当たります。
スメル・ハラスメント(スメハラ)
臭いによる嫌がらせ全般を指します。常識を外れた異様な体臭や、強すぎる香水の匂いなどにより、他人を不快にしたり、職場環境を悪化させたりすることがこれに当たります。
セカンド・ハラスメント(セカハラ)
セクハラの解決に向かう際の二次被害のことをいいます。セクハラを解決する際には、両当事者から事実関係を聴取しなければなりませんが、その聴取の仕方が不適切であると、被害者に対して更に精神的なダメージを与えることにもなりかねません。
ソーシャルメディア・ハラスメント(ソーハラ)
最近流行のSNSを用いて、職場におけるパワーバランスを利用して行うハラスメントのことをいいます。SNSの友達申請は、職場の上位の者が下位の者に行った場合、事実上断るのは困難ですから、不当な嫌がらせになっていないか十分な注意が必要です。
マタニティ・ハラスメント(マタハラ)
妊娠を報告したら降格させられた、産休・育休をとるのであれば退職をするよう強要されたなど、妊娠・出産を理由として職場内で嫌がらせを行う行為が、マタニティ・ハラスメント(マタハラ)として最近問題になっています。
まとめ
厚生労働省は、平成28年4月より、ハラスメント紛争の一元的解決にあたる新部署を労働局内に設置し、窓口を一元化するとともに、企業に対する指導、啓発を強化することを発表しました。
労働局の相談事例でも、ハラスメントが最も多いという結果が出ているところでもあり、ハラスメント問題の抜本的解決が期待されます。
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