離婚弁護士が解説する!熟年離婚をしたくなったときに注意すべき4つのポイント


熟年離婚慰謝料法律相談弁護士東京

あなたは熟年離婚と聞いて、どんなイメージを持ちますか?

「なぜいまさら?」そんな声がきこえてきてしまうこともしばしばですが、近年増加傾向にあるのも事実です。

夫が定年退職を迎えたタイミングやお子さまが自立したタイミングで、離婚という決断をする方がいらっしゃいます。

ただ、離婚というのはやはり体力や気力を消耗するものです。話し合いで円満に解決できれば良いですが、財産分与など話がかみ合わずにもめてしまった場合、裁判となり、費用も時間もかかります。離婚裁判には1~2年かかることもあるため、決断は慎重に考えた方が良いでしょう。

まずは、熟年離婚がどういったものなのか、みてみましょう。熟年離婚をお考えの方は、特に慎重な注意が必要ですので、離婚問題に詳しい弁護士にご相談ください。

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なぜ熟年離婚をするのか?

熟年離婚とは、婚姻期間が20年以上の夫婦の離婚を言います。結婚して20年以上。長年連れ添ってきたのに、なぜ離婚という選択をするのでしょうか?

長年連れ添っているわけですから、通常の離婚理由でも上位の「性格の不一致」や「価値観の相違」も含まれますが、熟年離婚の特徴としては、長年感じてきた我慢できない感情が主な理由であるケースが多いです。

例えば、配偶者が浮気をしていて、許すことの我慢より一人で気軽になりたいという理由で離婚を決意するケース。また、今までは子供のためと思い我慢してきたけれど、子どもも成長して我慢する必要がなくなったために、離婚を決意するなど。

傍からは仲睦まじく見える夫婦でも、どこに離婚の種が眠っているかわかりません。

もしあなたが、今まさに我慢の限界を迎え、熟年離婚を考えているとしたら、いくつか注意して欲しい点があるので、ぜひ事前にチェックしておきましょう。

熟年離婚によくあるパターン

熟年離婚で、ご相談の多いよくあるパターンを紹介します。

価値観の違い、性格の不一致

他人からは分かりにくいことが多いですが、根本的な考え方が相手と合わないことほどつらいことはありません。

結婚当初から価値観の違いに気付きながら、我慢し続けていたということが少なくありません。

長年我慢し続けていたことでも、子どもの自立や定年退職等をきっかけに、これ以上我慢し続けることはできないと考えたり、それまで許せていた欠点を許せなくなったりして、離婚に至るケースがあります。

舅、姑と合わない、介護がつらい

相手方の舅や姑とソリが合わないというケースは少なくありません。

結婚当初から合わないケースもあれば、結婚の途中で何かのきっかけで合わなくなったというケースもあります。長い結婚生活の中で、積もり積もった不満が爆発して離婚に至るケースがあります。

また、結婚生活が長いと、いずれ介護の問題が出てきます。介護は、肉体的・精神的負担を伴うため、介護の開始前に離婚を切り出すケースがあります。

浪費・借金

パチスロ、競馬等ギャンブルも遊びの範囲であれば特に問題はないですが、遊びの範囲を超えて、借金をしてまでやるほどのめり込んでしまうと、生活費を圧迫するなど夫婦生活に支障をきたします。

また、飲み会等交際費がかさんでいたり、収入に見合わない高級品ばかり買いたがるなど金銭的な問題が離婚を決意させることがあります。

家事をしてくれないなど家庭を顧みない

家事に関することを全くしてくれないなど日頃の小さな不満の積み重ねで、離婚を決意する方も少なくありません。

定年退職をきっかけに、一日中家で一緒に過ごしているにも関わらず、全て妻が家事一切をするという状況に我慢の限界を迎え、離婚を決意する妻が少なくありません。

相手による精神的・肉体的虐待

夫婦間での暴力に長年耐えてきたところ、定年退職するタイミングなどで、一緒にいる時間が増えることを懸念して離婚を決意するケースがあります。

相手の異性問題(浮気・不倫)

熟年離婚のみではなく、通常の離婚においても多い問題が浮気です。

特に熟年離婚においては、長年の不倫を知りながらも、子どものために我慢していたケースや、熟年になって初めて相手が不倫をしたことで、長年連れ添ったにも関らず裏切られたことにより、信頼関係がなくなるケースなどがあります。

他に好きな人ができた

インターネットの普及などもあり、年齢に関係なく出会いのきっかけが増えています。

もう愛情の冷めてしまった配偶者よりも、好きな相手といたいと思い離婚を決断するケースがあります。

熟年離婚のメリット・デメリットとは?

通常の離婚と比べ、熟年離婚の場合は、長年耐えてきたものがあり、感情的に離婚するというよりも、タイミングをはかって離婚するケースが多いです。しかし、そのタイミングや準備の手順を間違ってしまうと、思わぬことで金銭面に困窮したりするケースがあります。

離婚という文字が頭に浮かんだら、まずは熟年離婚のメリット・デメリットをしっかりと理解しておくことが大切です。

熟年離婚のメリット

配偶者が原因となっている悩みから解放されます

家庭内暴力・借金など金銭的な問題・舅、姑との関係・介護・浮気

新しい生活を始められます

第二の人生をスタートできます。自分だけの時間を持つことができるようになり、これまでできなかった趣味や生活(旅行など)をすることができます。新しい恋愛をすることも可能。

熟年離婚のデメリット

金銭面での不安

金銭的な面が大きいと考えられます。財産分与などがありますが、金銭的に困窮する場合も考えられます。今まで働いたことがなかった場合は、勤める必要性が高くなります。

離婚後も生活があるので、離婚の前に金銭的な問題面を考えておきましょう。

世間体が悪くなる

離婚が増えているとはいえ、未だ離婚のイメージは良いとはいえません。ある程度の年齢を重ねていることもあり、新たなパートナーを見つけにくいとも言えます。

熟年離婚で特に注意しなければならない4つのポイント

熟年離婚を考える際には、以下の4つのポイントに特に注意して、しっかりと準備を進めましょう。弁護士などの専門家のアドバイスを早めに受けておくのも効果的です。

財産分与が高額になりがち

熟年離婚においては、通常の離婚よりも財産分与の点でもめる可能性があります。それは、結婚生活が長いために、夫婦で共に所有しているものが多くなるからです。

家やマンション、貯金などの額もそれなりに多くなっていることが考えられます。

相手に財産を取られたくないために、離婚調停中に財産を処分してしまう人もいるので、「処分禁止の仮処分」を離婚調停前に行っておく事が必要です。

そうすれば、所有している土地や建物を売却しようとしても売却を止める事ができます。また、不動産の現物を残すための対策としては、貯蓄をしておくことも大切です。

年金分割に関する理解が必須

年金分割制度は、離婚後に配偶者の年金保険料の納付実績の一部を分割し、それをもう片方の配偶者が受け取れるという制度です。

この制度は、「厚生年金保険および共済年金の部分」に限っており「婚姻期間中の保険料納付実績」を分割する制度です。

国民の基礎年金である「国民年金」に相当する部分や「厚生年金基金・国民年金基金」等に相当する部分は分割の対象にはならないので、注意が必要です。

また、「婚姻前の期間」の分は反映されません。さらに、将来受け取る予定の年金金額の2分の1をもらえるわけではなく、保険料の納付実績の分割を受けるという制度ですので、しっかりと理解しておきましょう。

不倫が原因の場合、慰謝料請求される

長年の結婚生活で妻に飽きて不倫の末、離婚というケースがあります。その場合は、慰謝料請求される可能性があります。

長年の性格の不一致・セックスレスが離婚理由とならない可能性

離婚原因で最も多いと言われているものは、性格の不一致です。

ただ、法律上は、性格の不一致を理由とした離婚は認められていないので、これだけが理由で離婚をすることはできません。例えば、片方が性格の不一致が原因で、離婚を申し立てても、もう一方が離婚に応じない場合には、正式な離婚手続きを進めることはできません。

この場合、夫婦で納得するまで話しあう「協議離婚」か、第三者の介入を得る「離婚調停」という手段を取ることができます。いずれにせよ、双方の合意を得られるまでは、離婚を進めることができないと覚えておきましょう。

協議離婚や離婚調停で話し合いが不調になった場合には、離婚裁判を行う事になります。

離婚裁判を行うためには、正式な離婚理由が必要となります。ただし、性格の不一致は法律上の離婚理由にはなりませんので、その場合は、婚姻関係を継続しがたい重大な理由に該当するものを準備する事が必要です。

まとめ

熟年離婚の場合、通常の離婚とは違った注意点があります。

長い婚姻期間がある分、長年の不満の蓄積や財産分与の問題、今後の生活について等。離婚後も生活していかなくてはならないので、なるべく不利にならないよう準備をしていくことが大切です。

上記にご紹介した点を踏まえて、準備を整えた上で、再度本当に離婚をしたいのかどうか考えてみてはいかがでしょうか?

細かなことについては、専門家に相談しながら進める方が、離婚のタイミングや事前準備にとまどうこともなくなります。少しでも不安のある方は、専門家へご相談ください。

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