弁護士が解説!W不倫(ダブル不倫)を発見した場合の慰謝料請求のポイントと相場


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夫の浮気が発覚し、相手方に慰謝料請求をしようと準備を始めた矢先、相手も既婚者だったことが判明!

こんなときはどうしたらよいでしょうか?

ダブル不倫は、未婚者と既婚者の不倫と違い、被害者が二人いることが特徴です。

被害者が二人いるので、請求方法等の対応を間違えば、解決に至るまでに多くの時間と労力を使うことになりますし、自身の家庭の方が損害が大きかった、ということとなれば泣きっ面に蜂です。

今回は、離婚事件を得意とする弁護士が、ダブル不倫の際にとるべき適切な方針と、慰謝料請求の相場、増額事由について解説します。

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離婚による慰謝料は、相場として50万円~300万円と言われておりますが、明確な基準がなく、個別の事案に応じて、増額・減額事由となる要素を、証拠と共に収集していかなければなりません。

ダブル不倫とは?

ダブル不倫とは、一般的に、既婚者同士が不倫をすることをいいます。

不倫している当事者のうち、男性には妻が、そして女性には夫がいるということです。つまり、不倫の当事者である双方ともが、自分の妻又は夫に内緒で交際をしているという関係です。

未婚者と既婚者との不倫と比べた場合の一番の違いは、「被害者が2人いる」ということです。双方の配偶者が不倫をされた被害者となるため、場合によっては、不倫当事者の双方ともが慰謝料の請求をされる可能性があるということです。

ダブル不倫の慰謝料請求の方針を決める4つの要素

ダブル不倫は、被害者が二人いることから、どのように慰謝料請求をするのが適切であるかは、ケースによって異なるといえます。

したがって、ご自身のケースに即して、個別に適切な対応を検討していかなければなりません。

その中でも、ダブル不倫の慰謝料請求の方針を決めるにあたり、考慮しておくべき4つの要素を解説します。

お互いの夫婦が離婚を検討しているか、継続か

双方の夫婦が離婚をするのか、しないのかの見極めが大切です。

例えば、どちらの夫婦も離婚を望まなかった場合、お互い慰謝料を請求しあわないことが考えられます。また、慰謝料請求をする場合でも、双方の夫婦が修復する場合は、慰謝料額が安くなります。

お互いの夫婦のうち、誰がダブル不倫を知っているか

二人の被害者が不倫関係について知っている場合は、請求が複雑になるため、注意が必要です。

しかし、一方の配偶者が不倫の事実を知らない場合、不倫者が配偶者に内密で解決したいと考えるため、内容証明を家庭に送ることは控えた方が良いでしょう。

この場合、実質被害者は一人という構図が作れるので、相手方の配偶者からの慰謝料請求を受けずにすませることが可能です。

誰にダブル不倫の責任があるか

離婚の決め手となった不倫行為の原因がどちらにあるかが重要です。また、原因を作った比重が重ければ、慰謝料の金額は高くなります。

お互いの夫婦のいずれが破綻しているか

不倫の時点で、相手方の結婚生活がすでに破たんしていた場合、慰謝料請求をすることができません。例えば、離婚を前提にすでに別居していた場合などです。

不貞行為による慰謝料請求のためには、請求の根拠として必要な条件があります。

自分の感情に任せて行動をしてしまうと、対応を間違って損をしてしまうことになりかねないので、ぜひ一度、専門家に相談してみましょう。

ケース別ダブル不倫の慰謝料請求

既に解説したとおり、ダブル不倫問題は複雑であり、どのような方針をとるべきかは、個別の事案によってケースバイケースです。

そのため、全ての事案を解説することは困難ですが、ここでは、典型的なケースについて、とるべき慰謝料請求の方針を解説していきます。

こちらが真っ先に行動すべきダブル不倫の例

不倫が原因で離婚が決まっている場合は、速やかに相手方へ慰謝料請求をしましょう。

離婚が決まっている中で、不倫をした配偶者が、相手方からの慰謝料請求を受けたところで、何の関係も無いからです。

離婚が決まっている場合は、この慰謝料は夫婦の財産から支払うのではなく、配偶者個人の財産から支払う必要があります。

先に慰謝料請求を行うことをとどまるべきダブル不倫の例

どちらか一方の夫婦が、不倫が原因で離婚することが決まっている場合は注意が必要です。

不倫によって受けた精神的苦痛は、不倫が原因で離婚にまで至った方が得られる慰謝料額が多くなることが一般的だからです。

不倫はされたけれど、婚姻を継続する場合は、夫婦の財産現象を防ぐために、相手がどう動くかで対応を考えましょう。

ダブル不倫の慰謝料を高額にするために

ダブル不倫の事案において慰謝料請求を行うという方針をとる場合に、その慰謝料の相場はいくらくらいが適切でしょうか。

また、慰謝料を少しでも増額するために、慰謝料が高額化する事案の特徴を検討します。

ダブル不倫の慰謝料相場

双方の婚姻期間を確認しておきましょう。不貞行為による慰謝料額は、婚姻期間によって大きく異なります。

裁判例で多いのは、結婚2~3年の夫婦の場合、慰謝料額は2~300万円ですが、婚姻期間が10年以上の場合は、500万円相当以上のことが多いです。

ダブル不倫の相手の配偶者にばれていない場合の増額ケース

ダブル不倫の事実が、相手の配偶者にはまだバレていないという場合には、こっそり請求した方が慰謝料があがるケースも少なくありません。

もし不倫が相手の配偶者にばれていない場合は、被害者は一人ということになります。

その場合、配偶者にばれたくないと考え、速やかに解決するために、こちらの要求を受け入れやすいと考えられます。

ダブル不倫の慰謝料の考慮要素、増額させる方法

慰謝料の金額は、不倫が原因で離婚するかどうかを含め、婚姻期間や経済状況など様々な事情を考慮して決まります。

  • ☛ 不倫が原因で夫婦が離婚に至った場合は、離婚に至らない場合と比べて高額
  • ☛ 不倫前の夫婦の親密度が高い(夫婦円満)と慰謝料は高くなる傾向
  • ☛ 不貞行為の回数が多いほど高額
  • ☛ 不貞行為の期間が長いほど高額
  • ☛ 加害者の社会的地位や経済力が高い場合も高額
  • ☛ 不倫内容が悪質の場合
  • ☛ 被害者の苦痛の程度が大きい場合
  • ☛ 妊娠の有無
  • ☛ 夫婦間の子供の有無

不倫をした配偶者が離婚を強く望んでいる場合は、相場より高い慰謝料が望めるので、すぐに離婚には応じず、粘ってみましょう。

自分たちの夫婦が離婚しない場合でも泣き寝入りしないためには?

不倫の慰謝料額は、裁判になった際、「不倫によって夫婦関係が破綻し離婚に至った」という場合の方が、離婚に至らなかった場合に比べ、高額となる傾向にあります。

そのため、こちらの損害が、相手の請求してくる損害より大きくなると判断できるようであれば、慰謝料は請求すべきです。

もしあなたが離婚を考えていて、相手方は離婚をしない場合や、不倫自体が相手方の責任が大きい場合などは、泣き寝入りせず、慰謝料請求を視野に入れて準備をしましょう。

ダブル不倫の被害者を減らす方法

ダブル不倫の場合は、慰謝料請求をする権利のある人が二人いることが問題です。

そこで、被害者が一人になるよう動けないか考えてみましょう。

例えば、相手方の配偶者が被害者でないことがあります。既に婚姻関係が破綻していたり、不倫の事実が知られていない場合などです。わかる範囲で構いませんので、弁護士に相談する前に相手方の家庭の事情を調べておくと良いでしょう。

まとめ

不倫をされた方の多くは、配偶者に裏切られたショックで、感情的な行動をとりがちです。

不倫相手に慰謝料請求をするのであれば、なるべく早く問題解決ができるよう動くことが大切です。時間がかかればかかるほど、精神的に負担がかかります。

ダブル不倫においては、請求の手順を間違うと、慰謝料請求において、不利になることもあります。

問題を早期解決させるためには、不倫問題を得意とする弁護士などの専門家にサポートしてもらいましょう。

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