婚約者の不倫で婚約破棄・・・慰謝料請求ができる?


婚約破棄

婚約したばかりは心が躍り、結婚式が待ち遠しいというカップルも、「マリッジブルー」なんて言葉もあるとおり、結婚直前になると、つい結婚した後の生活のマイナスな部分ばかりが見えてしまうこともあります。

婚約したので、結婚に向けて着々と準備をすすめていたのに、結婚式の直前になって突然「やっぱり結婚するのはしばらく待ってほしい」などとパートナーに言われて婚約破棄されてご相談に来る方もいます。

婚約破棄の場合、精神的なショックはもちろん、結婚式費用の前払、家財道具の購入、結納金、指輪の代金など、経済的にもたくさんの負担をした後の出来事となり、事態は深刻です。

しかしながら、婚約破棄の場合、離婚と似ている状況ではありながら、法的に保護される「婚姻」という状態にまでは至っていないことから、保護が薄く、高額な損害賠償を認めてもらうことは非常に難しいという現状もあります。

婚約破棄の場合、どんな損害賠償請求が認められるのでしょうか。

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「婚約」の意味とは?

婚約破棄による損害賠償が認められるためには、まず、法的に認められる「婚約」があったという状態にある必要があります。

幼い子が「結婚しよう!」と約束をする場合もあると思いますが、単に「結婚しよう」とうい約束をしたというだけで、法律上の「婚約」が成立すると認められるわけではありません。

この「婚約」の意味は、実際に婚約破棄がトラブルとなった際に、「まだ婚約はしていなかった」などと主張されて争いになるケースが多いです。

婚約が成立しているかどうかを判断するにあたって、特別な行為が必要なわけではなく、様々な行為を総合して判断をします。その際に参考とされる事情には以下のようなものがあります。

☛ お互いの家族を紹介しあっているかどうか
☛ 結婚式場を予約しているかどうか
☛ 婚約指輪を受け取っているか
☛ 結納金を受け取っているか

これはつまり、単なる約束ではなく、実際にその約束に従って当事者以外の人にも伝え、実際に結婚に向かって動き出していたかが「婚約」の判断では重要視されるということです。

婚約破棄の責任は?

「婚約」が成立したと判断される場合には、それは結婚と同様に、法的に保護される関係となったことを意味します。したがって、この婚約を一方的に破棄するということになると、その責任は婚約破棄の原因を作った方にあるということになります。

婚約破棄の原因としては、結婚関係の解消(離婚)と同様に、以下のようなケースが考えられます。

☛ パートナーの不倫が発覚した
☛ パートナーが暴力を振るう(DV)
☛ パートナーが暴言、罵声を浴びせる(モラハラ)
☛ パートナーが失踪した
☛ パートナーが重度の精神病にかかった
☛ パートナーが性的に不能となってしまった
☛ パートナーが失業・倒産などにより著しく収入が低下した
☛ パートナーの性格が常識を外れるほどに異常であることが明らかとなった
☛ パートナーに隠している重大な秘密があった(前科、多額の借金など)

婚約をした場合には、誠実に交際をして、結婚を成立させるように努力する義務があると、裁判例でも認められています。そして、この中には、不倫をしない義務(貞操義務)も含まれているとされていますから、既に婚約が成立している場合には、結婚していないからといって浮気をしてよいわけではありません。

このような正当な理由がある場合には、婚約を破棄することができ、そして、婚約破棄の原因を作ったパートナーに対して、責任を追及することができるのです。

これに対して、性格が合わない、家族との馬が合わないといった理由は、婚約までしたからには二人で乗り越えていくべき問題であって、婚約を破棄する理由として認められるのは簡単ではありません。

婚約破棄で求めるべき損害賠償とは?

婚約破棄が一方のパートナーの責任である場合には、そのパートナーに対して損害賠償の請求をすることができます。

この場合請求できる損害は、財産的損害と精神的損害にわけられます。

婚約破棄の財産的損害

婚約破棄の財産的損害とは、婚約破棄がなければ実際には支出しなかったであろうお金のうちの相当な部分をいいます。

たとえば、一般的な婚約破棄では、以下のような損害の賠償が請求されます。

☛ 結婚式場の前払い金、キャンセル費用
☛ 新居の初期費用
☛ 婚約指輪の購入費用
☛ 結納金
☛ 家財道具の購入費用
☛ (引越した場合には)引っ越し費用
☛ (すでに退職していた場合には)退職しなければ得られたであろう利益

ただし、これは責任が認められた場合に請求できる金額ですから、自分の方に責任がある場合には、請求することはできません。たとえば、結納金について、結納金を送った男性側だけに婚約破棄の原因があるという場合には、結納金の返還を求めることはできないとされています。

婚約破棄の精神的損害(慰謝料)

婚約破棄の場合の慰謝料はケースバイケースで異なってきますが、離婚・不倫の際の慰謝料の相場が、一定の参考になります。

(参考)不倫の慰謝料、ベストな相場は??慰謝料額を左右する12のポイント

ただし、まだ結婚という状態にはなっていない以上、結婚をしていた夫婦が一方の不倫を原因に離婚した場合に比べれば、一般的にいって慰謝料は低くなる傾向にあるといえるでしょう。

婚約破棄の慰謝料の額を決めるにあたっては、以下のような事情を参考にします。

☛ 婚約していた期間
☛ 交際の期間、交際の程度
☛ 婚約破棄の原因
☛ 婚約破棄に至った経緯

まとめ

婚約をしたとしても、結婚が近くなって心変わりをしたり、これで最後と思うとつい浮気をしてしまったりといったトラブルがよくあります。

婚約を破棄されてしまった場合でも、損害賠償を請求できる可能性がありますので、元の生活に少しでも回復できるよう、この記事を参考にしてみてください。

一時の感情で「結婚しよう」と約束したり、「結婚をやめよう」と感情が変化することとなると、予想外の損害賠償が降りかかるおそれがありますので、十分注意が必要です。

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