交通事故問題を弁護士や司法書士といった専門家に依頼すると、弁護士費用がかかるものの、自分で請求するよりも多くの慰謝料などの損害賠償を請求できる可能性が高くなります。というのも、弁護士が請求する場合、自賠責の基準や任意保険会社の基準ではなく、裁判所の基準で請求を行うからです。
とはいえ、交通事故の弁護士費用をできる限り抑えなければ、多くの損害賠償を取得できたとしても元も子もありません。交通事故問題を弁護士に相談したいけれど、弁護士費用が高額にならないか、相談料が多くかかるのではないか不安だという方は、この記事を参考にしてみてください。
弁護士費用以外の点で、弁護士に交通事故問題を依頼するかどうかお悩みの方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
交通事故・慰謝料請求に強い弁護士へ相談
交通事故のトラブルは、弁護士に相談することによって、早期に、慰謝料の増額を期待することができます。
保険会社は法律の専門家であり、突然の交通事故で被害者となったあなたが、ストレスを抱えながら交渉をするのでは、良い解決は得られません。交通事故の解決実績が豊富な専門弁護士が、あなたの被害回復のためにフルサポートします。
このページの目次
ある事務所の交通事故の弁護士費用
東京都内のある事務所の交通事故弁護士費用の例が次の通りです。交通事故分野は、多くの弁護士事務所が専門性を強調して宣伝していますから、費用の面でもおおまかな相場があります。費用面だけでなく、専門性と知識経験を有しているか、一度対面で相談をしてからお決めになるとよいでしょう。
初回相談無料
2回目以降、30分5000円
☞ 着手金
無料
☞ 報酬金
15万円+賠償額の10%
☞ 後遺障害認定の申請代行
10万円
ただし、上記の金額と同様の表記であったとしても、「賠償額」の意味について、すでに支払われた金額を含めるのかどうか、自賠責で保障される額として当然提案される額を含めるのかどうかなど、細かい計算方法によって弁護士費用は大きく変わってきますので、契約前に事前に確認しておきましょう。
弁護士報酬の自由化
弁護士の所属する日本弁護士連合会(日弁連)では、過去には「日弁連報酬基準」という基準を発表しており、弁護士はみなこれに従って報酬を決めなければならないこととされていました。
しかしながら、平成16年4月1日より、弁護士による広告の解禁などの時代の変化から、自由競争を行うべきであるとして、報酬の自由化がなされ、現在は各事務所が弁護士報酬を自由に決定することが可能です。
とはいえ、現在でも「弁護士の報酬に関する規定」という規定に次のように定めることによって、弁護士報酬は無条件に高額にできるわけではありません。
弁護士の報酬は経済的利益、事案の難易、時間及び労力、その他の事情に照らし合わせ、適正かつ妥当なものでなくてはならない。
したがって、弁護士費用は変わらずある程度の相場の範囲で決定されることとなりますので、交通事故で弁護士を選択する際には、弁護士費用だけでなく、専門性、人柄、説明のわかりやすさといった点を指標にすべきなのです。
交通事故弁護士費用の基礎知識
まずは弁護士費用の一例を見ていただきましたが、ここで使われていた専門用語について、どのような費用を意味するのかについて基礎知識を解説します。
着手金
着手金とは、弁護士に依頼した時点で着手前に支払う金銭です。事件処理の結果にかかわらず必要であり、中途解約されても返金されないのが原則です。
着手金は、依頼された事件の難易度、業務量などによって決定されます。日弁連旧報酬基準では、請求する経済的利益の額に応じて決定され、最低額は10万円とされています。
交通事故の着手金は、無料としている事務所がほとんどであるかと思います。
報酬金
報酬金とは、依頼した事件が終了した際に支払う弁護士費用です。依頼した事件の終了時に支払うこととなり、交通事故の場合には保険会社から得られた損害賠償額から差し引かれることが多いです。
報酬金は、依頼した事件によって得られた経済的利益に応じて増減するのが原則です。
交通事故の場合、得られた損害賠償額の10%程度が相場とされます。この場合の基準が、得られた損害賠償額全額なのか、すでに保険会社から提案された額からの増額分なのか、自賠責として当然補償される分は控除するのかといった事情によって弁護士費用は大きく変わりますので、契約前に事前に確認しておきましょう。
実費・日当
実費とは、郵便物の郵送代、交渉・裁判の際の弁護士の交通費、訴訟をする際に裁判所に納付する印紙代などをいいます。これら実費は、事件終了時に依頼者負担として清算されることがほとんどです。
日当とは、弁護士が事務所を離れる際に必要となる金額ですが、交通事故の場合、一定程度以上の遠出が必要となるケース以外は、日当を請求されることは少ないでしょう。
交通事故では、依頼者負担の少ない費用体系が一般的
弁護士費用の計算方法として、日弁連旧報酬基準にしたがって算出しますと、着手金・報酬金ともに請求すべき金額によって決定されますので、事件を依頼する際にある程度高額な着手金が発生することとなります。交通事故の被害者となりながら、さらに補償を受けるのに弁護士費用がかかることは妥当ではないでしょう。
現在は、多くの事務所が、交通事故の弁護士費用について着手金を無料としています。ただ、着手金が無料であることだけに目を引かれて、報酬金が相場より割高な事務所もありますので、十分注意が必要です。
弁護士費用特約で、すべての弁護士費用負担がなくなる
あなたが加入している保険会社で「弁護士費用特約」という特約に加入している場合には、弁護士に交通事故の交渉・裁判を依頼した場合の弁護士費用の大半が、保険会社から支払われることとなります。
その上限は保険会社によってサービスの差があるものの、弁護士費用300万円まで、法律相談費用10万円までと定められています。
まずは、ご自身の加入している任意保険会社の弁護士費用特約サービスがどのようなものであるか、保険会社に確認をしてみてください。
弁護士費用特約についてはこちらの記事も参考にしてください。
(参考)弁護士費用特約とは?交通事故の弁護士費用の負担をゼロに
交通事故訴訟で弁護士費用を加害者負担に
任意の話し合いによる交渉で得られた損害賠償額に納得がいかない場合や、交通事故の態様に争いがある場合には、裁判で争うこととなります。裁判上は、民法上の「不法行為」という請求となり、この場合、損害額の1割程度を弁護士費用として加害者に請求することが可能です。
とはいえ、交通事故訴訟の大半は和解によって解決するため、和解による解決の場合には弁護士費用を加害者に負担させることはできず、あくまでも勝訴判決を得る必要があります。
まとめ
交通事故の弁護士費用について、一般的な相場を解説しました。今回解説した以上の金額を請求された場合には、相場を超える金額である可能性があるため、弁護士の選択に慎重になった方がよいでしょう。
とはいえ、相場通りの金額であったとしても、最終的に交通事故に強い弁護士を選ぶポイントは弁護士費用ではなく、その知識、経験、説明や人柄を総合的に見て、実際に会って確認するべきです。
交通事故・慰謝料請求に強い弁護士へ相談
交通事故のトラブルは、弁護士に相談することによって、早期に、慰謝料の増額を期待することができます。
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