奨励金をもらって第2新卒を活躍させよう!助成金も拡大


若者

厚生労働省は、今回、既卒者や仲裁者の採用機会を拡大するため、既卒者を新卒として採用した場合(いわゆる第2新卒の場合)、奨励金を支給することを発表しました。

今回はこの、「三年以内既卒者等採用定着奨励金」について、その概要、支給要件、支給額を解説します。

また、あわせて、キャリアアップ助成金も拡大され、非正規社員を正社員に転換した場合に支給される助成金の額も増加することとなりました。

なお、その他の助成金は、こちらの記事を参考にしてください。

(参考) 実はこんなにある!助成金・補助金を活用しよう!

キャリアアップ助成金の拡充については、こちらの記事を参考にしてください。
(参考)拡充されたキャリアアップ助成金を解説!事例で見る助成金申請。

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「三年以内既卒者等採用定着奨励金」とは?

厚労省の発表では、この助成金の内容は、以下のように説明されています。

学校等の既卒者や中退者の応募機会の拡大および採用・定着を図るため、既卒者等が応募可能な新卒求人の申込みまたは募集を新たに行い、採用後一定期間定着させた事業主に対して奨励金を支給します。

平成27年度の補正予算に組み込まれ、新卒以外の社員も、正社員として採用して長く定着させようという目的をもった企業を援助する助成金です。

既卒者とは?

既卒者とは、既に大学などの学校を卒業した人、すなわち、新卒でない人のことをいいます。

中退者とは?

中退とは、大学などの学校を中退した人をいいます。こちらも、既卒者と同様に、伝統的には新卒採用の対象とはならないことが多いものです。

対象となる事業者は?

平成31年3月31日までに募集を行い、平成31年4月30日までに対象者を雇い入れた事業主を対象としています。

支給要件は?

既卒者の場合

既卒者の場合の支給要件は、以下の二つです。


1.既卒者、中退者が応募可能な新卒求人の申し込みまたは募集を行い、その求人や募集に応募した既卒者、中退者を通常の労働者として雇用したこと(すくなくとも、卒業または中退後3年以内の者が応募可能であることが必要とされます)

2.その求人の申し込みまたは募集前の3年度の間に、既卒者などが応募可能な新卒求人の申し込みまたは募集を行っていないこと

したがって、今回はじめて(もしくは3年度の間を空けて)既卒者や中退者が、新卒者と同様にはたらける制度を準備して求人を行った企業が対象となるということです。

ただ、卒業後何年も仕事をしていない人を対象とする必要はなく、3年以内の者が応募できる制度であれば、それ以上に職歴のない人を新卒として雇う制度は必要ないということとなっています。

高校中退者の場合

高校中退者の場合の要件は、以下の2つです。


1.高校中退者が応募できる高卒求人の申し込みまたは募集を行い、その求人や募集に応募した高校中退者を通常の労働者として雇用したこと(少なくとも中退後3年いないの者が応募可能であることが必要です)

2.その求人の申し込みまたは募集前3年度の間で、高校中退者が応募できる高卒求人の申し込みまたは募集を行っていないこと

したがって、今回はじめて(もしくは3年度の間を空けて)高校中退者が、高校新卒者と同様にはたらける制度を準備して求人を行った企業が対象となるということです。

ただ、卒業後何年も仕事をしていない人を対象とする必要はなく、3年以内の者が応募できる制度であれば、それ以上に職歴のない人を新卒として雇う制度は必要ないということとなっています。

支給額は?

既卒者の場合

中小企業に対して、採用1年目に1人あたり50万円
(大企業に対しては35万円、若者認定事業主は10万円加算)

2~3年目は、各年10万円

既卒者2人目の採用について、採用1年目に1人あたり15万円

2~3年目は、各年10万円

高校中退者の場合

中小企業に対して、採用1年目に1人あたり60万円
(大企業に対しては40万円、若者認定事業主は10万円加算)

2~3年目は、各年10万円

高校中退者2人目の採用について、採用1年目に1人あたり25万円

2~3年目は各年10万円

支給額

支給のながれ

新卒求人の申し込みまたは募集

新卒求人の申し込みまたは募集を行う際の提出書類


1.その求人や募集に関する求人票または募集要項など
2.その求人や募集の前の3年度の間の新卒者を対象とした求人票または募集要項など

採用選考

対象者の雇い入れ

第1期支給申請

雇い入れから、1年間定着した場合に行います。

支給の際、支給申請書と合わせた提出書類は次のとおりです。提出先は労働局です。

1.その労働者との労働契約について確認できる書類またはその写し
2.その労働者の卒業や宅学の事実、その時期が確認できる書類
3.その労働者の支給対象期間中の出勤状況が確認できる書類
4.その労働者に対して支給対象期間中に支払われるべき賃金について支払ったことが確認できる書類
5.若者認定事業主の場合、認定通知書の写し
6.誓約書
7.その他、奨励金の要件を確認するために必要となる書類

第2支給申請

第1支給申請からさらに1年間定着した後で行います。

第3支給申請

第2支給申請からさらに1年間定着した後で行います。

若者認定事業主とは?

若者認定事業主とは、「若者雇用促進法」に基づく認定制度です。

若者の採用や育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが有料な中小企業を認定し、若者の採用を支援していく制度です。

詳しくは、こちらの労働局のホームページを参考にしてください。

(参考)若者雇用促進法に基づく「認定企業」

キャリアアップ助成金も拡充!

さらに、平成27年度補正予算では、キャリアアップ助成金も拡大されました。

具体的には、有期契約労働者を正社員雇用に転換または派遣労働者を直接雇用した場合(正規雇用当転換コース)の支給額を増額されることとなりました。

正社員雇用の場合の増額

就業規則などに定めた転換制度に基づいて、有期雇用を正規雇用に転換した場合の支給額が、中小企業で現在の1人あたり50万円を60万円に増額、有期雇用を無期雇用に転換した場合、現在の1人あたり20万円から30万円に増額されます。

多様な正社員の場合の増額

有期契約労働者または無期契約労働者を多様な正社員(勤務地限定、職務限定、短時間正社員など、正社員の中でも一部の労働条件が限定された社員)に転換した場合、1人当たりの支給額を10万円ずつ増額されます。

多様な正社員を正規雇用に転換した場合について、1人あたり20万円を支給する助成金枠も創設されました。

より一層「多様な正社員」という制度を流行らせようという最近の流れの一環でしょう。

まとめ

助成金制度は多く存在しますが、すべてを把握するのは困難です。今回の記事は、若者を積極的に採用したいという企業に対して支援する最近の国の動きをとらえて解説したものですので、若者を積極的に登用して勢いのある会社経営をしたい方にはチャンスでしょう。参考にしてみてください。

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