弁護士が教える!インターネットのITトラブルとその対処法


インターネットトラブル

人々の生活の中に浸透してきたインターネットは、今は私達の生活に欠かせないコミュニケーションツールとなっていますが、これにともなってインターネットに関連する様々なトラブルの相談が増加しております。

インターネットは日常生活に不可欠なインフラとなり、情報発信の手段として重要性を増すようになりました。従来から情報発信の中心であったテレビ、ラジオ、新聞から、その中心はインターネットへ移行し、企業のプレスリリースや、個人の意見に至るまで、ホームページ、ブログ、SNSを通じて様々な情報が発信されているのが現代社会です。

その一方で、年々、トラブルの内容も多様化、巧妙化しており、気付かないうちにあなたも被害に遭っているかもしれません。インターネットがこれほど不可欠な存在になる以前は、インターネットトラブルはさほど問題にならないと軽視されてきましたが、今や、企業の存亡、個人の財産にかかわる重大で深刻なトラブルに発展する危険も多いといえます。

そこでどんなトラブルがあり、どんな対処法があるのか、ご相談の多いケースをまとめてみました。

IT問題に強い弁護士に法律相談!

IT技術の進歩に伴い、法律は徐々に整備されつつありますが、まだ新しい分野について法律が十分な状態ではありません。

ITに関係する事業、技術、行為が適法であるかを知りたいIT企業、ネット上の誹謗中傷等のトラブルにお困りの方は、ITに詳しい弁護士へ法律相談ください。ITを熟知した弁護士が、徹底的にリーガルサポートします。

スパムメール

スパムメールの被害事例

宣伝や広告のメール、出会い系やアダルトサイトの広告メール、架空請求のメールなど、不要なメールが大量に送られてくることを、スパムメールといいます。

平成20年、特定電子メール法、特定商取引法が改正され、基本的には、あらかじめ同意した人に対してしかメールを発信してはいけないこととなりましたから、無作為にスパムメールを送る行為は違法となります。

無断でメーリングリストに登録する行為も同様に違法になります。特に、すぐに解除できるような仕組みになっていないメールマガジン(解除の仕方がわかりにくいメールマガジンなど)の場合、違法性の高い業者の可能性があります。

スパムメールの対処法

スパムメールを送られないようにする対処法について、次の通りアドバイスできます。

☞ 定期的にメールアドレスを変える
☞ 不特定多数に公開する場合の専用のメールアドレスを作成する
☞ プロイダーの迷惑メール対策サービスを使う
☞ スパムメール対策ソフトを使用する
☞ 不用意に第三者に対してメールアドレスを公開しない

非常に迷惑でストレスのかかる行為ですが、相手にしなければそれ以上の害はないため、対処法は単純です。

また、どうしても自分で対処できない場合には、迷惑メール相談センターか、都道府県警察サイバー犯罪相談窓口まで相談しましょう。

インターネット上での誹謗中傷

インターネット誹謗中傷の被害パターン

無料ブログ、匿名掲示板の登場などにより、インターネット上で誰でも気軽に情報発信ができるようになりました。それと同時に法人、個人限らず、インターネット上で誹謗中傷されるケースの相談が激増しています。

インターネット黎明期では、インターネット上の情報は信頼性が薄く、噂程度のものにすぎないことからさほど対策の必要性は議論されませんでしたが、今では重大な問題です。

ご相談を受けるケースは、たとえば以下のようなものです。

個人の方からのご相談
☛ 個人の誹謗中傷が書かれた
☛ 指名を検索すると「詐欺師」「前科持ち」などのネガティブなワードが関連づけられる
☞ ブログやレビューに大量の悪評を書き込まれた
☞ 腹いせに元恋人からヌード写真をインターネット上に公開された
☞ 個人情報(氏名・住所・電話番号など)が匿名掲示板に投稿された
☞ 過去の前科について、氏名を公開して書込みされた
☞ 自分のなりすましがSNSで暴言を吐いている

法人の方からのご相談
☞ 法人についての虚偽情報や内部情報が流れて業務を妨害された
☞ 法人の検索候補にネガティブなキーワードが表示された
☛ 会社の営業秘密にあたるノウハウが公開された
☛ クレーム対応でトラブルとなった顧客から、従業員の指名、住所などの個人情報がネット上に公開された
☛ 従業員の不祥事をきっかけにインターネット上で不買運動がおこった
☛ 競合他社が、自社製品に対して匿名で称賛するいわゆる「ステルスマーケティング」をしている
☛ 競合他社が、こちらの製品について虚偽の風評を流している
☛ 不満をもって辞めた従業員が会社批判の書き込みを行った
☛ 従業員がSNSで就業中に不適切な画像を流し、炎上、拡散した

これらの行為はいずれも名誉棄損罪、信用棄損罪、業務妨害罪などの犯罪に問われる可能性が高く、損害賠償も請求できる可能性が高いですが、そのためには早期に対処しなければなりません。

インターネット問題、IT問題は、技術的な知識がないと対応できないのではないか、専門書籍を読む必要があるのではないかと、パソコンアレルギーになって対処が遅れるケースも多くみられます。しかしながら、戦場がオンラインに移ったというだけで問題の重大性は変化するわけではなく、法的な対応方法の本質はかわりません。

インターネット上の誹謗中傷などの書き込みに対する初動対応は、こちらの記事も参考にしてください。

(参考)インターネット上の書き込み、誹謗中傷に対する削除などの対応で注意すべきポイント

インターネット誹謗中傷の対処法

悪質な書込みがなされたサイトの管理者、プロバイダーに対して、削除要求を行うと共に、発信者情報の開示請求を行います。

現在のインターネットでは、ある書込みを別の誰かが自分のブログで取り上げられたり、ニュース記事をシェアしたりと、情報がスピーディに拡散されていきます。また、時間が経てばGoogleの検索でもキャッシュが残るようになります。

したがって、削除請求をする際には、初動のスピードが勝負となります。

なお、削除要求の代理行為は、法的問題の代理行為にあたりますので、弁護士以外の者が行うことは法律で禁じられています。誹謗中傷対策などを得意分野として挙げるSEO業者などにはご注意ください。次のチェックリストを参考にしてください。

違法業者かもしれないチェックリスト
☞ 「提携弁護士」「顧問弁護士」などの記載があるが、どこの誰かがわからない
☞ 「弁護士に任せる」と言われているが、弁護士との面談をしたことがない
☞ 削除要求業務の報酬の振込先が業者の口座である
☞ 依頼人本人名義で交渉を行っている
☞ 弁護士の連絡先がフリーメールのアドレス、携帯電話番号のみである

架空請求(ワンクリック詐欺)

架空請求の被害事例

ネットサーフィン中に突然身に覚えのない請求画面を表示させ、困惑に乗じて支払をさせるという詐欺の手法です。

アダルトサイトなどでよく使われており、「あなたのIPアドレスを把握しましたので追いかけることができます」といった脅しをかけて支払を強要します。また、請求画面をなかなか消すことができないようになっており、パソコンに弱い人の中には、家族にばれないように支払を選ぶ人も多いようです。

架空請求(ワンクリック詐欺)の対処法

基本的には無視することが一番の対策です。ブラウザを閉じる、もしくはキャッシュを消すなどの単純な方法で大抵は対処できます。

逆に、もし既にお金を支払ってしまった場合には、取り返すことがかなり困難です。

実際のところは、IPアドレスは誰でも知ることができ、これだけでプロバイダーからあなたの氏名、住所、電話番号などを知ることができるのは、弁護士が訴訟をした場合などだけなので、無視が一番です。

ワンクリック詐欺(架空請求)については、こちらの記事も参考にしてください。
(参考)悪質なワンクリック詐欺の正しい対処法!詐欺かな?と思ったら

フィッシング

フィッシングの被害事例

金融機関や有名企業など、特定の団体を装った偽のウェブサイトにアクセスさせて個人情報を盗む手口を、フィッシングといいます。これをメールで行い、実在の企業を装ったメールでアカウント情報、パスワードの確認などの名目で個人情報やクレジットカード情報などを盗み取るのがフィッシングメールです。

たとえば、銀行のネットバンキングサイトを似せた偽ホームページにて、銀行口座へのログイン情報を入力させて入手し、その情報を元に本物の口座から不正出金をするという手法です。

フィッシングの対処法

まずは、安易に個人情報を送付してしまう前に、連絡をしてきた金融機関・企業に電話をする、連絡をしてきた金融機関・企業のホームページに接続して確認するといった方法によって、個人情報を送付する必要があるかを確認してください。

フィッシングメールの問合せが相次いでいる場合、ホームページでも注意が喚起されている可能性もあります。

まとめ

インターネットでよくある被害相談のケースについて、まとめてみました。インターネットの普及は生活を非常に便利にしましたが、新たな法律問題も多く生み出しています。

IT問題に強い弁護士に法律相談!

IT技術の進歩に伴い、法律は徐々に整備されつつありますが、まだ新しい分野について法律が十分な状態ではありません。

ITに関係する事業、技術、行為が適法であるかを知りたいIT企業、ネット上の誹謗中傷等のトラブルにお困りの方は、ITに詳しい弁護士へ法律相談ください。ITを熟知した弁護士が、徹底的にリーガルサポートします。


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