賃貸オーナーのリスクの一つに、賃借人が居座り始めた場合に「高額の立退料」が必要となるケースがあります。
貸していた家を、いざ新しく建て直しをしようと思ったり、都市開発プロジェクトに応じて売却しようと思ったりした時に、大きなハードルとして立ちはだかるのが今まで借りていた賃借人の立退き問題です。
今回は立退料の相場と、立退料が増額になる場合、減額になる場合について解説します。
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このページの目次
住居である場合には引越し費用、営業店舗である場合には損失補てん
まず、立退料のベースとなる考え方は、貸していた不動産が住居として使用されていた場合には、引越し費用を考え、営業店舗として使用されていた場合には損失補てんを考えるという考え方です。
退去時の引越し費用という考え方
退去時の引越し費用をベースとして交渉をするという考え方は、一般的に、立退き交渉をする人がよく用いる相場の考え方です。
こちらの都合で退去してもらうわけですから「引越し費用くらいは出しましょう」という考え方です。
具体的には新居への「引越し代、新居の初期費用(敷金・礼金・保証金など)」などの合算額を立退料のベースとする考え方になります。
早く立ち退いてほしいために、新居となる引越し先を探してくれるという労力をかけている人もいます。
賃借人に発生する経済的損失という考え方
賃借人に発生した経済的な損失を補てんするのが立退料のベースであるという考え方は、裁判所の考え方に近い算出方法です。
この考え方にしたがうと、例えば商売をしている賃借人の場合、以前と同じ営業状態を継続できた場合と比べて、新しい移転先での営業をした場合の設備補償や休業補償、減収補償などが、立退料を考える上でのベースとなってきます。
立退き交渉の具体的なポイントについては、こちらの記事を参考にしてください。
立退料が低額になる場合
近隣不動産の賃料が相場よりも安いことを理由に、立退料が低額に収まった裁判事例もあります。
ただし、何十年にも渡って賃料を据え置きで更新していた場合などは、「同じ家賃で新居を探すことができないから、その差分は補填してください。」という趣旨の裁判事例もありますので、まずは弁護士、司法書士など不動産に強い専門家に相談する方がよいでしょう。
立退料が高額になる場合
店舗の入居から間もない時期の立退きの場合
賃貸人の都合で、入居から間もない時期に早期の契約解除をするということとなると、それにともなう損失補償がある程度高額になることを覚悟しなければなりません。
また、店舗として入居して、室内にいろいろな改装を行っていた場合には、その造作の買取費用相当額を立退料として上乗せすることを要求されることが多いといえます。
賃借人が営業を廃止せざるを得ない場合
賃借人が、他の場所では営業を継続できない事情がある場合には、立ち退いてしまえば営業を廃止しなければならないため、その補償額が高額となることを覚悟しなければなりません。
まとめ
立退料の相場には一律いくらといったものはなく、法律で明確に決められたものもありません。
引越し費用や、営業損失の額など、賃借人の状況にあわせた算出方法を示して、交渉を行うこととなります。
適切な算出をするには賃借人の状況をきちんと把握する必要があります。
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