アフィリエイトとは、自分で商材を持たず、他人の商材を紹介することによって、紹介するごとに決められたアフィリエイト報酬をもらう業務をいいます。このようなアフィリエイト業務に従事する人を「アフィリエイター」といいます。
アフィリエイトの場合、商材をどのような内容にするか、どのようなサービスを提供するかは、アフィリエイターが決定することができず、商材を提供する者が決定することとなります。一時期は、情報商材や稼ぎ方に関する高額塾を、アフィリエイトするビジネスが流行した時期もありました。
商材を提供する人の中には、明らかに違法であったり、詐欺的な要素の強い商材を売り出していたりする業者もいます。
このような商材を紹介し、強くお勧めしたことによって紹介者が購入、入会、サービス受給などをしてしまった場合、アフィリエイターにはどのような責任があるのでしょうか。今回はアフィリエイターの責任について解説します。
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このページの目次
アフィリエイターの法的責任
アフィリエイターであっても、一定の場合には法的責任が当然に生じます。したがって、次のような考え方は非常に無責任であり、危険であると言わざるを得ません。
☛ 「責任はすべて商材の提供者が対応してくれる。」
☛ 「購入者のクレームに応じるのはアフィリエイターの仕事ではない。」
☛ 「紹介しているだけだから、買うかどうかは自己責任」
アフィリエイターであれ、紹介する際の文言、記載によって購入を決めた、というのであれば、その紹介文句には責任をもって行わなければなりません。
虚偽の表示をしたり、過大な広告をすれば、景表法に違反する、という問題が生じます。
その上、アフィリエイターの紹介文句が決めてとなって購入をしたところ、これが虚偽の表示であった場合には、民法上は、詐欺によって取り消し可能ということとなりますし、刑法上の詐欺罪が成立すると考えることも可能です。
アフィリエイターも利益を得ていますから、詐欺罪と認定された場合には、刑事責任を追及されるおそれがあります(もちろん、その場合には故意が必要ですが)。
アフィリエイターのその他の責任
法的な責任以外にも、アフィリエイトの規約、ASPの規約などに違反している場合には、アフィリエイトの契約打ち切りや、商材提供者からの責任追及、損害賠償といったケースもあります。
商材を提供している事業者やASPが、このような行為をされると消費者から責任を追及される可能性がある、と考えて規約を作成し、アフィリエイターに禁止行為を課しているのです。
これは、契約上の責任であるため、どのような行為を行ってはならないかは、ご自身の利用する規約を熟読して対応すべきでしょう。
特に、海外事業者の提供するサービスのアフィリエイトは危険
このようにアフィリエイトであっても、商材の内容を全く吟味せずに無責任に紹介することは、後に大きなリスクとなるおそれがあります。
特に、商材を提供する事業者が海外の事業者の場合には、海外商材に特有の、次のようなリスクを加味しなければなりません。
外国語で記載された商材内容を検討することが困難
まず、すでに説明した通り、アフィリエイターが商材、商品の内容を全く吟味せずに紹介をすることは、大きなリスクを負う可能性があるところ、通常のアフィリエイターであれば、自分の紹介する商材の内容程度は把握しているのが一般的でしょう。
特に、紹介記事などを書いてホームページのアクセスを集めるといった場合には、その商品を実際に使用しているのが通常です。
しかしながら、海外事業者の提供する商品、サービスであると、説明書やホームページが外国語であるという理由により、商材の内容を正しく把握するためには一定の困難が伴います。
海外の法律では適法だが日本国内では違法なサービス
知名度のある事業者や、業界内で有力な事業者が自信をもってサービス提供を行っている場合、商材、商品の販売開始時点で、リーガルチェックをするのが普通でしょうから、明らかに違法という商材が出回ることはあまりなく、これを信用して、あまりチェックをせずに紹介しているアフィリエイターも多いのではないでしょうか。
しかしながら、日本国内の事業者であればともかく、海外の事業者である場合、自国の法律で適法であることから、あまり深い検討をせずに日本向けにサービスを提供しているというケースもあり、日本法に照らして適法であるか、また、そもそも日本法が適用されるのかどうかについて、十分な検討がなされていない可能性があります。
なお、これと類似のケースとして、オンラインカジノの利用者逮捕騒動の件が参考になりますので、こちらの記事も併せてごらんください。
(参考)オンラインカジノの利用者が逮捕!違法オンラインカジノを処罰する賭博罪とは?
購入者が責任追及をアフィリエイターに対して行う可能性が高い
海外事業者の提供したアフィリエイト商材が、日本法に照らして違法であるという場合や、消費者トラブルを引き起こした場合には、第一次的な責任はもちろん、商材を提供した事業者にあります。
商材を提供した事業者が国内に存在する場合には、日本の裁判所で容易に責任追及が可能ですから、購入者も、商材を提供した事業者を相手に訴訟を起こすケースが多いでしょう。
しかしながら、商材を提供した事業者が海外である場合には、日本の裁判所で責任を問い、財産に対して強制執行をする、という救済手段が、有効に機能しづらいという問題点があります。
この段になって、購入に対するアフィリエイターの関与が強い場合には、消費者が、より責任追及の容易なアフィリエイターに対して矛先を向けてくる可能性が多いに考えられます。
まとめ
アフィリエイターとはいえ、それでビジネスをしている以上、「ただ紹介しているだけだから」といった考え方は非常に危険です。
アフィリエイト行為に伴って自分に生じる責任を正しく理解し、適切な予防策を講じるべきでしょう。
悪質な業者の中には、詐欺的な商材を高額で売り付けたり、その詐欺行為をアフィリエイターの責任に転嫁したりといったケースも相談を受けることがあります。
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