社会保障と税の分野において、行政の効率化、国民の利便性の向上、公平・公正な社会の実現を目的として、平成28年1月から導入されているマイナンバーですが、今後ますます活用が広がっていくことが予想されます。
税金と絡みがあるとなると、真っ先に気になるのが、「マイナンバーによって相続はどう変わるのか?」という点ではないでしょうか。
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このページの目次
マイナンバーと相続の関係
マイナンバーは、税と社会保障の分野で利用されるものとされていますので、税の一分野である相続税とも大きな関係を持つことになります。
一番皆さんがマイナンバーに触れる機会が多くなるのは、所得税に関する部分ではないでしょうか。確定申告をする際に必要となったり、会社で源泉徴収、年末調整の際に必要となったりといったケースです。
所得情報、所得税の納付情報がマイナンバーによって一括把握、一括管理されると共に、平成33年以降は預金口座情報、証券口座情報とも関連させることができるようになる予定です。
このような所得把握が進めば、相続税の分野においても大きな影響が出てくるでしょう。
マイナンバーが必要な相続の期間
相続税の申告にマイナンバーが必要なのは、平成28年に発生した相続税の分からとされています。
相続税の申告漏れが指摘されやすくなる?
これまでも相続税の申告漏れについては厳しい監督がされてきましたが、マイナンバーによって所得情報が管理されるということとなると、ますます相続税の申告漏れ、脱税などが指摘されやすくなることが予想されます。
マイナンバーが導入されることによってさらに指摘されやすくなる相続税申告漏れのケースとしては、次のようなものが考えられます。当てはまる人は十分な注意が必要です。
収入が少なく、資産が多いケース
亡くなった方が主婦であったのに多くの不動産を持っていたという場合などがこれにあたります。
「怪しい」と指摘する税務当局に対して、どのようにして不動産を取得したのかを適切に説明できるようにしておきましょう。
収入は多いのに申告額が少ないケース
亡くなった方が相当多くの収入があったのに相続財産がほとんどなかったという場合がこれにあたります。
その収入の使途について、適切に説明できるような資料を準備しておきましょう。
妻の財産が以上に多いケース
亡くなった方の収入が多いのに資産が少なく、その反面、その奥さんの資産が非常に多いという場合がこれにあたります。
奥さんの資産形成がどのようになされたのか、適切に説明できるような資料を準備しておきましょう。
相続の際に必要なマイナンバーについて
相続税を申告する際に必要な書類として、申告書にマイナンバーを記載することが必要となることに加えて、次の書類を添付することが必要となります。
☞ 納税者本人(財産を取得した人)の通知カードまたは住民票(個人番号付き)の写し+免許証などの写真付き身分証明書の写し
平成28年1月以降に発生する相続税の申告から必要となりますので、注意が必要です。
まとめ
相続とマイナンバーについて解説しました。マイナンバーが平成28年1月より相続税の申告の際に必要となることによって、相続税の税務調査がますます容易になります。
これまで見逃されていた相続税の節税対策や脱税が、マイナンバーの導入で指摘されやすくなります。
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