親族が亡くなった時、初七日から四十九日まで、気の休まるときのないほど忙しいでしょう。葬儀やお墓の段取りも必要となります。
しかしながら、まずは7日以内に死亡届の提出が必要となるのを初め、相続の手続きに関しても死亡日から着々とカウントダウンが始まっています。それぞれの手続きに期限があるものもあり、順序良く進めていかなければなりません。
では、相続手続きはどんな流れで行われるか、解説していきます。
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遺言、遺産分割でお悩みの方、使い込み、遺留分、寄与度にどうしても納得がいかない方は、親族間で紛争を拡大せず、相続問題に強い弁護士にご相談ください。あなたに親身に寄り添った弁護活動で、有利な解決を実現します。
このページの目次
相続手続の流れ
相続の開始
相続は、人が死亡した瞬間から開始されます。
相続財産は、その名義変更等の手続きをして相続人固有の財産になるまでの間、相続人全員の共有財産として扱われます。
「まだ名義変更をしてないから相続していない」ということにはならず、名義変更等はあくまでも手続きの問題であって、何もしていなくても法律上の相続は自動的に開始しているのです。
遺言書の有無の確認
まず遺言書の有無を確認しましょう。有効な遺言書がある場合には、これに従って相続財産の分配を行います。
遺言書がない場合には、相続人間で遺産分割協議を行い、協議の結果に基づいて分割することとなります。
相続人の確定
相続人の調査は、被相続人の出生から死亡までの戸籍を取得することにより行います。その上で、調査の結果判明した相続人全員の戸籍、住民票を取得する必要があります。
相続財産の調査(相続税発生の有無の確認)
被相続人の全ての財産・債務を調査して、財産目録を作成します。
これによって、相続財産の総額を確定することがでいるため、相続税発生の有無を確認し、相続税発生が見込まれる場合には、これを踏まえた分割方法を検討します。
相続放棄・限定承認(死亡から3か月以内)
相続財産のうち、財産より債務の方が明らかに大きい場合には、相続放棄の手続を行うことがおすすめです。
また債務の総額が明らかではなく、相続放棄するかどうかの判断が難しい場合には、被相続人の財産の範囲で債務を支払うという「限定承認の手続」を行うことができます。
いずれの手続も、相続人が被相続人の死亡を知ってから3か月以内に行う必要があります。
準確定申告(死亡から4か月以内)
準確定申告とは、死亡した年の1月1日から死亡した日までの所得につき行う税務申告です。準確定申告の手続は、相続人が被相続人の死亡を知ってから4か月以内に行う必要があります。
遺産分割協議
相続財産の分割方法につき、相続人間で話し合う協議のことです。
当事者間では話し合いができない場合に、弁護士が代理人として、他の相続人の方と話し合いを行います。話がまとまらない場合には、裁判所における調停・審判・裁判の手続を行います。
相続税の申告(死亡から10か月以内)
相続税の申告が必要な場合には、死亡から10か月以内に相続税の申告・納税を行います。
ただし、相続人間で争いがあり、遺産分割協議が長引く場合には、ひとまず法定相続分に基づいて申告を行い、遺産分割協議がまとまった後で修正するという方法によって対処することもあります。
遺産の名義変更
遺産分割協議の内容に基づいて預貯金の解約や払戻し、不動産の名義変更等を行います。手続きの期間は特に決まっていません。
健康保険・年金などの手続き
被相続人が加入していた健康保険や年金などによって、葬祭費や遺族年金等の支給を受けることができます。支給は自動的にされませんので、しかるべき手続きをとることが必要となります。
相続できない人とは
まず、遺言を破棄、偽造、変造、隠匿した人は相続権を失います。これを相続欠格と言い、民法で定められております。このケースに該当すれば特別の手続はなく、相続権を失います。
また、被相続人に対して虐待をしたり、侮辱を加えたりする者に対して、家庭裁判所へ申立てをして家庭裁判所の審判によって相続権を失わせることでき、これを「相続廃除」といいます。
ただし、相続欠格も相続廃除も、その本人は相続権を失いますが、その本人に子がいる場合、子が親に代わって相続権を取得します。これを代襲相続と言います。
なお、相続放棄をした人の子は、代襲相続権はありません。
この点は、相続人の確定に関わるお話ですので、また別の記事で詳しく解説していきます。
まとめ
相続手続きは「親族が集まって決めるだけ」と思われがちですが、上記のように手続きは煩雑で、しかもそれぞれの手続きには期限があります。また、故人に思わぬ借金があった場合、その借金をそのまま相続してしまうことになるおそれもあり、注意が必要です。
まずはどういう手続きが必要なのかを知り、どの専門家に手続きのサポートをお願いすればいいのか、もしもの時に備えて決めておくとよいでしょう。
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