あっという間の相続手続きは3か月、10か月が山場!弁護士が解説する相続手続きのスケジュール


相続手続き法律相談弁護士東京

相続とは、お亡くなりになった方の財産、権利義務関係を、一定の人的関係にある人が、まるまる引き継ぐための手続きをいいます。

相続は、人がなくなったときには必ず発生するものであり、お亡くなりになる方は、平成27年には年間130万人を超えており、今後も増加し続けると予想されています。

人がなくなれば、そこには必ず相続が発生しますが、一定以上の財産を保有してなくなったケースで相続税がかかる以外は、庶民には関係ないと思われがちです。しかし、相続というのは、お金だけの問題ではありませんから、どのような方でも理解しておかなければならない重大な問題です。

相続には、相続人間の話し合いという民事的な側面と、公的な届け出などという側面がありますが、今回は後者について解説します。

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相続の手続きまとめ

いざ相続がはじまった後に、手続きの流れを確認しはじめると、あまりの手続きの多さに忙殺され、あっという間に時間がたってしまいがちです。

そのため、まずは、いつまでにどんな手続きを行わなければならないのかという、大まかなスケジュールを把握してください。

大まかな手続きの流れは、次の通りです。

  1. 1.相続開始(死亡)
  2. 2.死亡届の提出
  3. 3.遺言書の確認
  4. 4.相続財産の調査・評価
  5. 5.遺産相続方法の決定
  6. 6.遺産分割協議
  7. 7.相続税の申告

このうち、遺産分割協議の部分については、私的な話し合いの手続きから調停、審判に至るまでさまざまですが、今回の解説は公的な手続きを中心に解説しますので、詳しくは他の記事で解説していきます。

【ステップ①】相続開始(死亡)・死亡届

被相続人の死亡とともに、相続が開始されます。

ご家族が亡くなってから7日以内に、死亡届を役所に出します。

【ステップ②】遺言書の確認

次に、遺言書があるかどうかを確認します。これは、遺言書が有効に成立している場合には、相続の内容や手続きが変わってくるためです。

具体的には、遺言書がある場合には、原則として遺言書に従って相続が進み、遺言書が民法上の「遺留分」という、最低限相続できる権利を侵害している場合に、その分だけは相続するという手続き「遺留分減殺請求」ができるという流れになります。

これに対して、遺言書がない場合には、遺産分割協議によって相続の仕方が決められることとなります。

遺言書の探し方は、次のとおり、遺言書の種類によって異なります。

自筆証書遺言のケース

自筆証書遺言とは、被相続人、すなわち、亡くなったご家族が自筆で記載した遺言書のことです。

自筆証書遺言の場合、手がかりとなるのは、死に際の言葉であったり、ご家族が生前に大事なものを保管していた場所を探したりといった方法によって発見するしかありません。

ただし、自筆証書遺言の場合には、書き方や形式が、民法に定められた条件を満たしていない場合には無効となるため注意が必要です。

また、自筆証書遺言を発見した場合には、家庭裁判所で開封し、検認という手続きを行わなければなりません。

公正証書遺言のケース

公正証書遺言とは、公証人役場に出向いて、公証人に作成してもらう遺言のことです。

公正証書遺言の場合には、公証役場に原本が保管されることから、公証役場の遺言検索を利用することによって、公正証書遺言が残されているかどうかを調査することが可能です。

複数の遺言が発見された場合

以上、自筆証書遺言、公正証書遺言など、遺言の形式にかかわらず、複数の遺言が発見された場合には、あとの日付に作成された遺言が有効となります。

この点、自筆証書遺言に日付の記載がない場合には、自筆証書遺言が無効となるため、あとから作られた自筆証書遺言が出てきたとしても、公正証書遺言を優先することとなります。

この点からも、公正証書遺言による相続の準備が重要であることが、十分ご理解いただけるのではないでしょうか。

【ステップ③】相続財産の調査と相続方法の決定

遺言を調査することと並行して、相続財産の調査、探索を行います。

相続財産には、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産、すなわち借金なども含まれます。

借金の中には、単純に「人にお金を借りた。」というものから、自宅の住宅ローンや、さらには、他人のために連帯保証人になっていた、というものにも注意が必要です。

プラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合には、「相続放棄」「限定承認」という手続きを家庭裁判所へ申し立てることを検討しましょう。

相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産も、一切相続を行わないという制度です。これに対して、限定承認とは、プラスの財産の範囲内で、限定的にマイナスの財産も相続するという制度です。

相続放棄の制度は、各相続人が個別に行うことができるのに対し、限定承認の制度は、全相続人が一緒に手続きを行わなければ、利用することができません。

これら相続放棄、限定承認の申し立ては、相続開始から3か月以内に行わなければなりません。

【ステップ④】相続財産の分割

有効な遺言がある場合には、その内容に従って遺産の分割を行います。

ただし、遺言所の中に、すべての遺産分割方法が記載してあれば、すべてこれに従えばよいわけですが、一部しか指定がない場合には、残りの部分についてはやはり遺産分割協議が必要となります。

遺産分割協議は、まずは話し合いで行い、話し合いが成立したら遺産分割協議書を作成し、財産の移転を行います。話し合いでまとまらない場合には、裁判所へ、調停、審判の申し立てを行います。

【ステップ⑤】相続税の申告

相続財産が一定以上の金額の場合には、相続税を計算、申告し、納付する必要があります。

まず、相続開始から4か月以内に、準確定申告を行わなければなりません。この準確定申告は、亡くなったご家族の所得税を確定申告することを意味する制度です。

そして、相続税の申告を、相続開始から10か月以内に行わなければなりません。

この期限に遅れると、各種の特例を利用できなくなってしまう場合がありますので、期限には注意が必要です。

まとめ

以上、今回は、相続手続きの大まかな流れについて解説しました。

特に、相続放棄、限定承認の期限となる「3か月」、相続税申告の期限となる「10か月」は、大きな山場であり、注意しておかなければならない期限です。

相続手続きを円滑に進めるためには、相続を専門とする各士業の専門家チームで対応をするのが一般的です。

相続手続きにお悩みの場合には、リーガルチェッカーまでお問合せください。

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