オリンパスに学ぶ会社の不祥事。内部通報した社員は絶対的に正しい


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オリンパスの不正を内部通報した社員への不当な配置転換を行った事件について、オリンパスに対して社員が2600万円の損害賠償と職位の回復を求めていた訴訟が、平成28年2月18日このたびようやく和解が成立しました。

内部告発や公益通報をした社員は「公益通報通報者保護法」によって、不当な解雇や不利益から守られています。

今回はオリンパス事件とともに「内部通報制度」が企業経営においてなぜ大切なのかについて解説していきます。

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オリンパス不当配転訴訟とは?

オリンパス事件の概要

社会的に話題となった「オリンパス事件」といえば、不正な粉飾会計を10年間続けていたことで有名となった事件ですが、実は「オリンパス不当配転訴訟」という別の問題にも発展して、こちらもまた大いに世間を騒がせておりました。

この「オリンパス不当配転訴訟」は、オリンパスの不正行動を内部通報した社員が、オリンパスから不当な配置転換を命令されたことに不服を申し立ててオリンパスを訴え、訴訟となったという事件です。

原告となった社員は、最高裁で勝訴判決が確定した後もオリンパスから不当な扱いを受け続けていたと主張して、再び提訴をしたというもので、このたびようやくオリンパスと社員との間で和解が成立して終了となりました。

オリンパス不当配転訴訟における和解の内容

今回のオリンパス不当配転訴訟において成立した和解の内容は、以下の通りです。

☞ オリンパス側が当該社員に和解金として1100万円を支払う
☞ オリンパスは和解の内容をオリンパスの全ての社員に知らせる
☞ 今後、オリンパスは当該社員に対してこれ以上の不当な取り扱いをしないと約束する

オリンパスにとって、敗訴に近い、社員の勝訴に近い和解内容となっています。

内部告発とは

内部告発とは、会社内部で起こった法令などに違反する行為を、警察やマスコミなどに情報提供することの総称をいいます。

厚生労働省のホームページでも

公益通報者保護制度は、国民生活の安心や安全を脅かすことになる事業者の法令違反の発生と被害の防止を図る観点から、公益のために事業者の法令違反行為を通報した事業者内部の労働者に対する解雇等の不利益な取扱いを禁止するものです。

とあるように、内部告発をした社員もまた、会社から不利益な取扱いを受けないよう法律によって守られているのです。

過去に「内部告発を理由とする懲戒解雇」が無効となった裁判事例もありますから、今回のオリンパスの和解内容も妥当なものといえるでしょう。

内部通報制度を作ろう

内部告発の本来の目的は、会社の利益、ひいては、公共の利益を考えての行為です。会社の中で通報する制度がなかったり、通報制度はあるけれども実際には機能していないに等しい状態であるといったことから、内部告発をせざるを得ない状況になるのです。

経営陣の知らないところで内部告発した社員が、今回のオリンパスのように更に拡大したトラブルによって訴訟を起こすというのは、企業にとってダメージが大きいと言わざるを得ません。

そこで、きちんとした内部通報制度が必要ということになります。

適切な内部通報制度を作るポイントは次のとおりです。

☞ 内部通報をしたことを理由として、解雇等の不利益取り扱いをすることを禁止すること
☞ 通報、相談窓口を設置し、社内に周知すること
☞ 個人情報の保護
☞ 通報者への処理の通知

なお、内部通報制度を設置するにあたっては、内閣府の出している「公益通報者保護法に関する民間事業者向けガイドライン」が参考になります。

まとめ

内部告発をした社員への不当な扱いは、これを行った企業に対して、裁判所は厳しい判断をすることが、今回のオリンパスの件でも明らかになりました。

本来ならば英雄になるはずの勇気ある行動をきちんとサポートする仕組みを取り入れることは、コンプライアンス経営にかかせないものです。

第二のオリンパス不当配転訴訟が起こらないよう、経営者の方は十分に気をつけてください。就業規則に内部通報制度を盛り込むことで訴訟リスクを軽減することができます。

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