相続税申告が必要かどうか、4ステップでサクっと確認して、相続税額を算出しよう!


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相続税がいくらくらいかかるかは、税法に関する専門的な知識が必要であるため、相続を専門とする士業に相談する必要があります。

しかし、相続税を支払う必要があるかどうか、大まかな相続税額がいくら程度であるかは、簡易的に確認することが可能です。

あらかじめ、相続税がどの程度必要となるかを簡易的に確認しておくことによって、いざご家族がお亡くなりになって相続が必要となった場合に、争いの火種としないよう気を付けましょう。

相続税が思いのほか多くかかり、もらえると思っていた金額の相続を受けられずにトラブルとなるケースや、また、相続税が支払いきれるだけの現金がなく、不動産を相続したものの売却を余儀なくされてトラブルとなるケースなども少なくありません。

これらのトラブルケースは、いずれも、あらかじめ相続税額を算出し、相続に向けた生前準備をおこなっていれば、解決できた可能性の高い問題です。

今回は、相続税の申告が必要かどうか、税額はいくらかを確認する方法を解説します。

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相続税額をあらかじめ計算しなかったことで起こるトラブル

相続税額をあらかじめ計算しておくことの重要性を理解してもらうために、次のようなケースを紹介します。

被相続人のAさんには、配偶者のBさん、子のCさん、Dさんがいました。

Aさんは資産家の地主であったため、広大な敷地を所有していました。しかし、敷地にはそれぞれ、Bさん、CさんとDさん及びその家族が住んでいました。

今回、Aさんが亡くなった結果、広大な敷地は、法定相続分にしたがって、Bさんがその半分を、CさんとDさんがそれぞれ4分の1ずつを相続することとなりました。

しかし、敷地が広かったため、非常に多額の相続税を負担しなければならず、Aさんの残した預貯金では支払いきれないことが判明しました。結局、相続税を支払うために敷地の一部を売却する必要が生じたわけです。

この中で、相続人の全員が、それぞれ相続財産となる敷地に居住していたことから、敷地のどの部分を売却するのか、誰が相続税額を負担するのかを押し付け合い、トラブルが激化してしまいました。

このように、特に高額の不動産が相続財産の中にある場合などには、相続税額をあらかじめ計算し、対策をしておくことが必要です。

相続税の算出方法4ステップ

相続税の計算には、専門的な知識が多く必要であり、正確な金額を計算するためには、弁護士、税理士、不動産鑑定士など、多くの専門家が必要となります。

ただ、「だいたいいくらくらいか。」、また、「そもそも相続税の申告が必要かどうか。」といった点をチェックするだけであれば、それほど多くの手間がかからずに、簡易的に計算することが可能です。

相続税を計算するための方法を、4段階にまとめて簡単に解説していきます。

相続財産の金額を把握する

まず、相続をする正味の相続財産の価額を把握しておきましょう。ここでいう相続財産には、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含まれます。

例えば、プラスの財産、マイナスの財産には、次のようなものがありますので、調査、検討してください。

プラスの財産

  • ☛ 現金
  • ☛ 預貯金
  • ☛ 株式
  • ☛ 国債
  • ☛ 自宅などの不動産(土地、建物)
  • ☛ 書画・骨董
  • ☛ ゴルフ会員権など

マイナスの財産

  • ☛ ローン
  • ☛ 滞納している税金
  • ☛ 借金

したがって、以上のうち、プラスの財産からマイナスの財産を差し引きした金額が、正味の相続財産額となります。

この相続財産の把握において重要なことは、それぞれの財産の金額を、どのように評価するか、ということです。

現金、預貯金については、金額が明らかであることから簡単ですが、その他の財産は、どのように評価するかによって、金額が異なる可能のあるものです。

特に、上場株式や国債は、相続時点での相場で評価すればよいですが、非上場株式の評価は、評価方法が幾通りもあり、専門的な判断が必要となります。また、土地、建物などの不動産は、市場での取引価格もまちまちであることから、評価には専門的知識が必須となります。

また、相続財産には含まれないものの、みなし相続財産とされる死亡保険金、死亡退職金や、一定の贈与財産には、相続税が発生します。

これらのみなし相続財産は、いずれもすでに受取人が決まっており、遺産として分割されるものではありませんが、税負担の公平の観点から、相続税の算出根拠に含むこととされています。

基礎控除を超えるかどうかを確認する

次に、相続財産の金額を把握したら、その金額が、基礎控除額を超えるかどうかを検討します。

相続財産の評価額が、基礎控除の金額を超えない場合には、相続税が発生せず、相続税の申告は不要となります。

この基礎控除額について、2015年に重要な改正がなされました。具体的には、定額部分が5000万円から3000万円に、法定相続人1人あたりの基礎控除額が1000万円から600万円に引き下げられました。

この基礎控除額の改正によって、これまでであれば相続税が不要であった家族が、これからは相続財産額が基礎控除額を超え、新たに相続税の支払いが必要となることもあるようになりました。

基礎控除の計算においては、相続放棄をする人がいるケース、養子がいるケースでは、民法の定め方と税法の定め方が異なるため、慎重な配慮が必要です。

すなわち、相続放棄をした人は、民法上は相続人とはなりませんが、税法上は、相続放棄をした人も、法定相続人に含めて基礎控除額を算出します。

また、養子は民法上すべて相続人となりますが、税法では、被相続人に実子がいる場合には養子1人、実子がいない場合も養子2人までしか、法定相続人にはカウントされません(ただし、特別養子、配偶者の実子をのぞく。)。

相続税額の総額を計算する

3番目に、相続税の総額を計算します。

相続財産をどのように分割するかは、遺言書の内容や、遺産分割協議による話し合い、調停、審判などで決めます。

ただ、どのように相続財産を分割したとしても、相続税の総額は同額となることが原則です。

すなわち、相続税額の総額は、法定相続分通りに相続したものとみなして算出します。

各相続人の負担すべき相続税額を計算する

最後に、すでに解説した方法によって算出した相続税額の総額を、各相続人が実際に相続した割合に応じて分けることで、相続人ごとの実際の納税額を計算します。

この際、相続人の資格によって、税額の軽減、控除があります。

例えば、亡くなったご家族の配偶者の場合の配偶者控除が最も有名です。

配偶者控除がある場合には、配偶者の受け取る相続財産が1億6000万円より少ないか、法定相続分より少ない場合には、配偶者には相続財産はかからないこととされています。

まとめ

相続税の計算は、相続財産の正確な評価などもあわせて考えると、非常に複雑かつ専門的であり、相続税を少しでも減らしたいのであれば、生前からの対策が必須となります。

まずは、今回解説した方法によって相続税のおおまかな金額を計算し、「相続税がかなりかかる予定である。」という場合には、早めの対策、専門家への相談をお勧めします。

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