ヤフオクで商品を購入したのに出品者と連絡が突然とれなくなったといった相談ケースが増えています。
オークション詐欺に遭ってしまうと、怒りが込み上げ、いっきにやる気が起きなくなり、商品代金がそれほど高価でないだけに、出品者の評価でうさばらしをして終了というケースも多いでしょう。
しかし、このようなオークションをめぐるトラブルについても、立派な詐欺であり、詐欺の手口は年々巧妙になっています。オークション詐欺を未然に防ぐ方法について解説します。
その他の詐欺被害については、「詐欺かな?と思ったらシリーズ」を参考にしてみてください。
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「必ず月収100万円!」「すぐに儲かる!」「素人でも簡単!」などの甘い言葉に騙され、多額のお金を騙し取られる被害が後を絶ちません。投資詐欺では、逃げることを前提に、悪質な手口を用いて詐欺をしていますから、被害金の回収は非常に困難です。
投資詐欺の被害金を回収した実績の豊富な弁護士が、個別の事例に即して、できる限りの被害回復を実現すべく、粘り強く交渉します。
このページの目次
オークション詐欺の主な手口
オークション詐欺でよくある相談ケースには、以下のようなものがあります。
代表的な例を見ていきましょう。オークション詐欺の場合、クレームを言う頃には出品者の連絡先がすべて音信不通になっていることが通常です。
出品者が代金を受け取っても商品を送らない
定価よりも安価なブランド品などを購入させて、口座売買などの違法な手口で取得した口座宛てに代金を入金させてお金を騙し取る手法です。
出品情報と全く違う商品を送る
落札した商品情報と、送られてきた商品とが全く異なっており、品質の低いものを送り付ける手法です。
ID乗っ取り
ウィルスソフトなどを用いてオークションのアカウント情報を不正に入手して、別人に成りすまして出品、落札を行う手法です。
商品が盗品だった
盗品だとわかって購入した場合には、購入した人にも盗品譲受罪が成立して刑事罰の対象となります。また、盗まれてから2年以内であれば、真の所有者に取り返されてしまいます。
商品が偽ブランド品だった
偽ブランド品は、オークションこそ多くなっています。特に、オークション上の商品情報でのみ本物のブランド品の画像を使って信用させ、実際に送るのは偽ブランド品というケースも多いといえます。
次点者を狙った詐欺
出品者が自分で落札を繰り返して値段をつりあげ、次点者に対して、キャンセルが出たと伝えて高額で売りつける手法です。
オークションの客側による詐欺も
インターネットオークションが個人間の売買に浸透してきていることから、売る側だけでなく、買う側が詐欺をはたらくケースもありますので、注意が必要です。
例えば、次のようなケースがあります。
代金を支払わない
既に商品を送っているにもかかわらず、「支払い前に動くかどうかを確認したい」などと理由を付け、代金を支払わないオークション客もいるようです。
クレームをつけ、別の商品を返品
商品に欠陥があったとしてクレームを付けたものの、返品・返金に応じる段になって送られてきた商品が、最初に送った商品と全く別物であったというケースです。
オークション詐欺業者の見極め方
以下のチェックリストを参考に、オークション詐欺業者を見極めましょう。
古物商免許の有無
中古品のオークションの場合、出品者が業者であれば、古物商の登録が必要となります。プロフィールページやホームページで確認しておきましょう。
特定商取引法による表示の有無
インターネットオークションは、特定商取引法上の「通信販売」に該当し、出品者が業者であれば、販売業者の情報を記載しておくことが必要となります。
市場価格とかけ離れて安い
ブランド品や希少アイテムなど、人気が高く換金性の高い商品の出品を多数行っており、そのいずれも市場価格よりも相当程度安いという場合、詐欺の可能性が濃厚でしょう。
急に悪い評価がたくさんついている
「連絡がつかない」「対応が悪い」といった不誠実な対応を非難する評価が突然つきはじめたアカウントは、逃げ時の詐欺業者かもしれないので注意が必要です。
入金を急がせる
「代理出品で先にお金が必要だから」などと理由をつけて、オークションサイトのルールよりも早く入金を急がせる場合、詐欺業者のおそれが濃厚です。
連絡先がプリペイド携帯
いつでも連絡を絶って逃げることができるよう、詐欺業者は連絡先を頻繁に変更します。
レビューが少ない、怪しい
過去の取引があまり行われておらずレビューがほとんどついていない場合や、明らかに自作自演なレビューが多くつけられている場合、詐欺業者のおそれがあります。
商品写真がカタログの無断転載
商品写真がカタログの無断転載の場合、実際に送られてくる商品は、その商品ではなく、全く別のものや、偽物の可能性が高いでしょう。
詐欺にあわないための購入時注意点
オークション詐欺に遭わないために、購入時から以下の点に注意してください。
オークションサイト外で取引をしない
「緊急でお金が必要だから先に振込んでほしい」、「次点落札者に譲りたい」といった、オークションサイト外への取引を誘導するものは、詐欺業者の可能性が高いです。オークションサイト外での取引は、オークションサイトの補償も効きません。
プロフィール、レビュー、落札一覧の確認
基本的なことですが、プロフィール(店舗名、住所、連絡先などの他、特定商取引法上の表示や古物商の許可)、レビュー、落札一覧を確認しておきましょう。
トラブル口座リストの確認
トラブル口座リストとは、ヤフーオークションにおいてトラブルが多く報告されている口座をリスト化した一覧をいいます。少なくともここに掲載されている口座の方とは取引をしない方がよいでしょう。
補償のある振込方法
一旦オークションサイトに商品代金を預け、商品が発送されてから代金が決裁されるという方法を「エスクロー決裁」といいます。最近のオークションサイトでは対応しているところが多いので、出品者の方に提案してみましょう。
詐欺にあわないための出品時注意点
出品時に品番と写真を控える
偽物返品の相談ケースが相次いでいます。偽物返品がされたときに、偽物であることが証明できるよう、出品時の品番、写真を控えておきましょう。
安易な返品は受けない
商品の欠陥には、配送業者のミスなどが絡む場合もありえます。安易に返品を受け付けるのではなく、まずは事実確認を適切に行いましょう。
代金の確実な支払を確保
分割払いの提案などを受けてはいけません。銀行振込など、確実に入金が確認できる方法で、入金を確認してから商品を送るべきでしょう。
詐欺かな?と思ったら
オークション詐欺業者の場合、「詐欺かな?」と思った頃にはまったく連絡がとれないケースが多いといえますので、スピーディな対応が必要です。
ただ、最終的に被害金を全額回復するのは、民事事件としては困難ですし、裁判をするほど金額も多額ではないことがほとんどですから、補償制度のあるオークションサイトを選ぶのが一番でしょう。
まずは証拠の確保
オークション詐欺業者のアカウントはすぐに削除されたり、連絡先が変更されたりしますので、まずすぐに現在のプロフィール情報などを、スクリーンショットで保存すべきです。
いざ詐欺業者と民事事件で争ったり、警察へ被害届を出したりする場合には、証拠がどれだけ揃っているかが重要になってきます。
あらゆる方法で連絡を
詐欺だ!と決めつける前に、最後にあらゆる方法で一度連絡を取ってみましょう。オークションサイト内でも、チャット、評価欄などを用意しているサイトもありますので、こちらも活用しましょう。
もしかしたら、偶然忙しくて連絡がとれていなかっただけかもしれませn。
内容証明郵便
内容証明郵便を送ることによって、オークション詐欺業者に対して確実に連絡を行ったことを立証できるようになります。悪気があったわけではない場合には、内容証明郵便を送ることで慌てて取引が進むこともあります。
また、明らかに詐欺である場合、オークションサイトの補償制度の要件として、内容証明郵便を送っていることが要件となっている場合があります。
少額訴訟制度
60万円以下の金銭の支払を要求する場合に、原則として1回の審理で終了する簡易な裁判となります。
弁護士に依頼してしまうと、詐欺被害金額がそれほど多額でない場合には弁護士費用分だけ損してしまうことにもなりかねませんが、少額訴訟制度であれば、自身で行うことも可能です。
警察への被害届
警察に対して、「詐欺罪」として被害届を提出します。
詐欺であることを警察にすぐわかってもらうためにも、経緯をまとめたメモを作成し、メールのやり取り、振込履歴をすべて持参すべきです。
オークションサイトの補償制度
オークションサイトごとに補償制度が定められている場合があります。内容証明郵便の送付や、被害届の提出が要件となっている場合が多いでしょう。
有名なヤフーオークションや楽天オークションでは、補償制度が用意されています。
主なオークション詐欺事件
最近話題になったオークション詐欺の事件をまとめました。インターネットの普及に伴い、ますます相談ケースが増えています。
セレブを装い偽ブランド販売、逮捕(2015年)
セレブを装って偽の時計やブレスレットなどの偽ブランド品を売りさばき、約400万円の売上をあげて逮捕されました。
落札キャンセル装い詐欺で逮捕(2015年)
100人から計約1500万円をだまし取ったとして逮捕されました。
警官がオークション詐欺で逮捕(2015年)
落札者に商品を送らず、数万円をだまし取ったとして逮捕されました。警察官であっても詐欺を犯してしまう、オークション詐欺の手軽さの怖さが露呈しました。
嵐の偽サインを販売した親子逮捕(2014年)
嵐の偽サイン3300点を販売、被害額は400万円とのことです。
DVD激安販売業者を逮捕(2005年)
うっかりなどを装い1億円を騙しとったとして逮捕されました。
まとめ
以上、今回は、インターネットの普及にともなってますます手軽になったインターネットオークションにはびこるオークション詐欺について解説しました。
その他の詐欺被害については、「詐欺かな?と思ったらシリーズ」を参考にしてみてください。
(参考)詐欺かな?と思ったら│騙されない詐欺の手口一覧
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