モラハラ夫と法的に離婚する方法が5分でわかるチェックポイント


モラハラ夫

モラハラ問題は、一見すると全く問題なく仲良い夫婦のはずが、家では夫が妻に対してモラハラをすることで強いストレスを与えている場合など、ほとんどの場合第三者の気付かないところで進行します。

モラハラ加害者の夫すら、自分がモラハラをしていることに気付いておらず、モラハラ被害者の妻も、モラハラにあたるのかどうか判断できずに我慢しているというケースもあります。

同様の理由で、被害者すら自分がモラハラを受けていると気付かずにストレスを貯め込んでいるというケースもあります。特に、「モラハラ」という言葉が登場するまでは、昭和的な夫婦感、「亭主関白」などといった言葉の下に、被害が覆い隠されてきました。

今回は、モラハラを受け続けた妻の立場から、モラハラ夫と離婚するための手順について解説します。妻がモラハラ加害者側の場合にも同様ですので、参考にしてください。

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モラハラってどういう行為?

モラハラの定義

夫から傷つく行為を受けていたとしても、それがモラハラとなるのかどうか、すぐには判断が付かないでしょう。精神的な暴力は外から見えづらいですが、そのまま放置しておけば、積み重なってストレスが大きくなり、事態はますます悪化します。

モラハラとは、ことばの暴力や嫌がらせなど、身体的行為を伴わない精神的な暴力のことを意味します。

モラハラの特徴

モラハラにはさまざまな行為がありますが、次のような特徴があります。

1.被害者やその親族の非を見つけ、それをさげすむことを自分の自尊心に変える
2.自分より弱い立場にある人間に精神的な苦痛を与えることが自分の満足につながる
3.加害者、被害者共にモラハラであることに気付いていない場合が多い

夫婦間のモラハラの例は、次の通りです

☞ ささいなミスをあげつらって文句を言い続ける
☞ 妻が謝っても許さず、執拗に謝らせ続ける
☞ 「お前は本当に駄目なやつだ」「生きている価値がない」など人間性否定
☞ 体型や行動をからかう
☞ 相手に伝わるように舌うちや大きなため息を繰り返す
☞ 自分が正しく、妻が間違っていると決めつける
☞ 人前で妻を馬鹿にする
☞ 生活費を全く入れず、浪費が激しいと文句をいう
☞ 話しかけても一切無視し続ける
☞ わざと大きな音を立てたり、物を投げつけたりする
☞ 友人、親族と密に連絡を取らせないようにする
☞ 体調が悪いこと、機嫌が悪いことをすべて妻のせいにする

ごく一例にすぎませんが、このような行為は、妻を精神的に攻撃し、自分の支配下に置くための行為であるといえ、モラハラにあたります。

モラハラを行う夫は、外では非常に人当たりの良い性格であることも多く、周囲には理解されにくいため、証拠収集が重要となります。

モラハラかな?と思ったら

最初は良い夫だと思ったのに、突然モラハラかな?と思ってしまった場合、もはや修復は困難であると考えましょう。

モラハラは、精神的な嫌がらせですが、モラハラ加害者はモラハラを行っているとは全く認識していないケースが多いといえます。というのも、悪気があって行っているわけではないケースがほとんどだからです。

話し合って改善を求めることは難しく、むしろ指摘をすると更に逆上して怒鳴るなどモラハラが酷くなるおそれがありますし、場合によっては身体的暴力を伴う場合もあるでしょう。

したがって、「モラハラかな?」と思ったら、離婚に向けて進む道を覚悟しましょう。

モラハラを理由とした協議離婚

モラハラ夫は離婚を認めない

モラハラ夫との離婚を決意した場合、まずは、他の理由での離婚と同様、お話合いによる離婚(協議離婚)を目指してお話合いを行うことになります。

しかしながら、モラハラの場合、他の理由での離婚とは違って、モラハラ夫が自分に離婚原因のあることを理解していませんから、離婚を認めないことが多いです。それどころか「一緒にいてやっているだけありがたいと思え!」などモラハラが悪化することも考えられます。

モラハラ夫はお金も支払わない

離婚と同時に決めなければならないこととして、「お金の問題」があります。すなわち、財産分与、慰謝料、養育費についてです。

モラハラ夫の場合、自分に離婚原因があるとは思ってもみませんから、当然慰謝料など支払おうとはしませんし、人格的に否定していた妻に対して、少しでもお金を支払いたくないという気持ちが非常に強いですから、特にお金に関する離婚協議は困難を極めます。

モラハラ夫は親権を要求する

モラハラ夫は、自分が悪いことをしているとは思っていないため、子供に対する愛情は人一倍あることが多いといえます。

そうすると、「このモラハラが子どもに及んだらどうしよう」と考えるあなたとの間で大きなギャップが生じ、親権について合意に至ることが困難となります。

モラハラ夫との協議離婚のポイント

モラハラ夫との協議離婚を進める場合、モラハラ夫の側から次のような対応をされることがよくあります。

☞ 一度は約束したことを覆す
☞ 嘘をつく
☞ 暴言、罵声が更にひどくなる
☞ 離婚協議を開始したことを理由に嫌がらせをされる

モラハラ夫に対して、こちらもモラハラでやり返していては、離婚協議はますます進みません。目的をしっかりと決め、モラハラに対しても冷静に切替していかなければなりません。

あなたの目的=「有利な条件で離婚すること」でしょうから、相手のモラハラに対してこちらも嫌がらせで応戦することがあってはなりません。あきらめず何度も粘り強く話し合いを重ねることによって、モラハラに打ち勝つ必要があります。

途中で嫌になって離婚協議を放置してしまってもいけません。

モラハラで離婚するために裁判所を利用しよう!(離婚調停・離婚訴訟)

このようにモラハラ夫と話し合いで協議離婚を成立させるのは至難の業です。

モラハラ夫との離婚を早急に進めるのであれば、離婚調停を行って、調停委員という第三者に間を取り持ってもらって話し合いをし、離婚調停でもまとまらない場合には離婚訴訟で決着をつけるべきです。

モラハラは離婚原因になるのか?

離婚訴訟において離婚が認められるのは、法律で定められた5つの法定離婚原因(事由)にあたる場合のみとされています。詳しくは、次の記事を参考にしてください。

(参考)法定離婚原因が必要!相手に反対されても裁判で離婚する方法

法定離婚原因(事由)のうち、モラハラは、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」(5号)に該当する可能性のある行為です。

次のようなモラハラは、特に違法性が強く、離婚原因に該当しやすいと考えられます。

☞ モラハラの回数が多い場合
☞ モラハラの継続期間が長い場合
☞ モラハラ被害者の側に落ち度がない場合
☞ モラハラ被害者のモラハラによる精神疾患のあど損害が大きい場合

裁判所が裁量的に離婚訴訟を棄却することが認められているとおり、「いかに酷いモラハラであるか」を裁判官に伝わるように請求しなければなりません。

モラハラ離婚を調停で認めてもらうために

離婚調停はあくまでもお話合いの場ですから、モラハラ夫が調停の席にすらつかない可能性があります。また、モラハラ夫の外面は非常によい場合がありますから、調停委員にはモラハラを気付いてもらえない可能性もあります。

そうすると、調停でもモラハラの証拠を収集することが重要となってきます。

中には、年配のモラハラに理解のない男性調停委員などだと、「昭和の時代であればこの程度の夫婦喧嘩は当然だろう・・・。」などという間違ったイメージを抱かれてしまうことすらあります。

モラハラ離婚を訴訟で認めてもらうために

モラハラは、家庭内だけで行われるケースがほとんどのため、なかなか外部の人、特に裁判官には理解してもらえません。

裁判官に対してモラハラの実態、程度を理解してもらうためには、モラハラの事実を示す証拠を的確に収集しておく必要があります。

たとえば、次のような証拠が考えられます。

☞ モラハラ加害者の言動の録音
☞ モラハラを受けた日時、場所、具体的な様子を詳細に示したメモ
☞ モラハラを目撃した親族などの陳述書
☞ モラハラによって精神的疾患になった場合には、診断書

特にモラハラ加害者の言動は二転三転することが多いですから、証拠はモラハラ言動があったらできる限り早くそろえる必要があります。

まとめ

モラハラは、外部には気づかれにくい行動であると共にモラハラ当事者ですら気付いていないケースも多いものです。

モラハラかな?と思ったら、すぐに証拠化しておき、離婚が先になるとしても準備をしておく必要があるでしょう。

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