会社の種類は?起業するなら知っておきたい6つの法人形態


会社設立

会社設立しようと考えたときに、多くの方がまず思いつく法人形態は「株式会社」ではないでしょうか。しかし、なぜ「株式会社」がこんなに多いのでしょうか?

法人には、株式会社だけではなく他にもさまざまな種類があります。また、他の法人形態を選ぶことによって、「機動的な意思決定」、「コスト削減」など、事業のニーズにあったメリットもあります。

会社設立時には、ビジネスアイディアに気をとられがちですが、会社設立の基礎となる法人形態について理解し、展開していく事業に最もふさわしい法人形態を選んでいきましょう。

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営利法人と非営利法人の区別が基本

まず、法人形態は、会社のような「営利法人」と、一般社団法人やNPO法人のような「非営利法人」に大きく分けられます。

営利・非営利というと、「利益を得てよいかどうか」で分けられると思いがちですが、そうではありません。ここでの営利・非営利とは、「構成員へ利益を分配するかしないか」で区別されています。

どちらを選択するかは、法人設立の動機と照らし合わせながら考える必要があります。多くの出資を受け、組織を大きくしていきたい場合には営利法人を、営利追及よりも社会性に重きを置く場合には非営利法人を検討する方がよいといえます。

営利法人とは?

営利法人とは、構成員への利益の分配を目的とした法人です。会社がこれにあたります。

たとえば、株式会社は、出資を受ける手段として配当という形で株主に利益還元をしています。

会社には、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社の4種類があります。このうち合同会社、合資会社、合名会社は持分会社と総称されます。

株式会社とは?

株式会社は、社員全員が有限責任社員の会社です。有限責任社員である株主は、会社に対して一定額の出資義務を負いますが、それ以外は債権者に対して責任を負うことはありません。

株式会社は、持分会社に比べると認知度が高く信用力があるため、契約や資金調達の場面で有利になることがあります。

設立手続に関しては、株式会社は、持分会社よりも手続が厳格で、定款に公証人の認証を得る必要があります。運営においては、株式会社はある程度の規模の組織が活動していくことを想定しているため、株主総会等の機関の設置が義務付けられるなど様々な会社法上の制約に従うことになります。

持分会社(合同会社、合資会社、合名会社)とは?

持分会社は、株式会社と異なり社員間の結びつきが強く、社員自身に経営能力があることを予定しています。持分会社の中の3つの分類は、債権者に対して負う責任の取り方について異なり、その社員の責任が有限か無限かにより区別されます。

また、定款で定めた自主的な規律にしたがって会社を運営することを定款自治といいますが、持分会社は株式会社よりも定款自治が広く認められているため、柔軟に活動したい場合には持分会社を選択する方がよいといえます。

設立手続に関しては、持分会社は株式会社のような厳格さがないため定款認証が不要で、その分費用を抑えることが可能です。運営においては、役員の任期に定めがなく任期満了に伴う変更登記が不要で、毎年の決算公告も不要です。

合同会社とは?

合同会社は、株式会社と同じく社員全員が有限責任社員の会社です。合同会社はH18年に施行された会社法により新設された法人形態です。そのため、株式会社に比べると認知度が低く信用力に欠ける面もあるといえます。

しかし、直近の登記統計によると年間の会社設立数106,644件のうち、合同会社の設立件数は19,808件となっています(法務省2014年登記統計より)。この数字はこの年に設立された会社の中で、6社に1社以上は合同会社ということを示しています。

株式会社と比較してデメリットとされてきた認知度の低さというものが解消されつつあるようです。費用を抑えたい設立段階では、合同会社として設立し、その後必要があれば組織を変更して株式会社に移行するという選択肢もあります。

株式会社と合同会社の比較

株式会社 合同会社
メリット ・ 認知度、信用力が高い
・ 上場も可能
・ 設立費用が割安
・ 決算公告が不要
・ 役員変更登記が不要
・ 広範な定款自治
デメリット ・ 設立費用が高い ・ 認知度、信用力が低い
・ 上場するには組織変更が必要

合資会社、合名会社とは?

合資会社は、社員が無限責任社員と有限責任社員からなる会社です。

合名会社は、社員全員が無限責任社員の会社です。

無限責任社員は会社の保証人のような地位をもち、会社が債務を完済できない場合には、債権者に対し直接弁済する責任を負います。この2社には、無限責任社員が必要とされているため、経営者の責任が重くあまり利用が進んでいない法人形態です。

非営利法人とは?

非営利法人とは、構成員への利益の分配を目的としない法人です。一般社団法人やNPO法人がこれにあたります。

非営利法人は、利益を得てはいけないと誤解されがちですが、そうではありません。非営利法人においても収益事業を行うことが認められていますし、従業員を有償で雇用することもできます。

ただし、非営利法人の収益は、構成員に分配するのではなく事業のために使うことになります。

一般社団法人とは?

一般社団法人は、NPO法人とは異なり原則として事業内容に制限のない法人です。そのため、様々な事業に活用しやすい法人形態と言えます。

また、一般社団法人は、社員2人以上で設立することができ、社員10人以上が必要とされているNPO法人に比べると少人数での設立が可能となります。さらに、通常の一般社団法人においては、所轄庁の厳格な審査はなく登記により簡便に法人格を取得することができます。

公益性のある事業を行っている場合には、公益認定を受けることで、公益社団法人として税制上の優遇措置を受けることができます。

NPO法人とは?

NPO法人は、NPO法所定の20種類の分野に該当する社会貢献活動を不特定多数のために行う法人です。

NPO法人は、今回あげた法人のうち唯一、設立時に所轄庁の認証を必要とするため、設立までに時間がかかります。また、設立後は所轄庁の監督のもと活動することになるため、事務手続きの面では煩雑です。

しかしNPO法人は、所轄庁の関与があるからこそ、財務面や活動面においての透明性が高く信用力のある法人といえます。そうした点から、官公署からの事業委託や補助金を受けやすい傾向にあります。

所轄庁から認定を受けることで、認定NPO法人として税制上の優遇措置を受けることができます。

一般社団法人とNPO法人の比較

一般社団法人 NPO法人
メリット ・ 少人数で設立できる
・ 登記のみで設立できる
・ 事業内容に制限がない
・ 設立時に費用がかからない
・ 認知度・信用力が高い
・ 官公署から事業委託・補助金を受けやすい
デメリット ・ 認知度・信用力が劣る ・ 設立に時間がかかる
・ 事務手続が煩雑

まとめ

法人を設立するにあたっては、検討事項が多岐にわたります。まずは、様々な法人形態の中から展開していく事業に最もふさわしい法人形態を選択しましょう。

その際には、法人ごとに設立の要件や手続が異なる点を踏まえてよく検討する必要があります。選択肢に迷われた際にはぜひ一度専門家にご相談ください。

倉本 由紀子(くらもと・ゆきこ) 司法書士 行政書士
東京司法書士会所属 東京都行政書士会所属
法人設立などの商業登記から不動産登記、相続手続、裁判手続、後見業務、医療法人等各種法人支援など幅広くサポートさせていただいております。お困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。
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