弁護士が語る!クレーム対応に強い会社を作る4つのポイント!


クレーム対応

クレームの中には、会社の欠点を正してくれるヒントになるような有益なものもあれば、明らかに理不尽なことを要求する、いわゆるモンスタークレーマーも存在し、その対応は非常に困難です。
  
今回は、様々な種類のクレームに対して適切に対応し、特に理不尽なクレームに対しては断固たる覚悟で対応できる強い会社を作るため、弁護士の目線から、クレーム対応におけるポイントをまとめてみました。

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理不尽なクレームに負けない適切な対処法

事実関係を正確に調査し、証拠に残すこと

理不尽なクレームの多くは、クレーマーの感情が先行し、事実関係に関する主張は曖昧であったり、そもそも事実関係に関する認識が大きく誤っていたりする場合が多いといえます。
したがって、まずは、どのような事実関係に基づいてクレームを行っているのか、十分にヒアリングを行い、そのクレーマーの認識している事実関係が正しいものであるかどうか、十分に調査をする必要があります。

この過程で、クレーマーが、クレームの時点でどのような発言をしていたかという点が、あとから争いになる場合もありますので、録音をとる、メモをとる、事後に報告書を作成するといった方法によって、クレーマーとの間のやり取りを証拠に残しておくことも重要です。

実際のクレーム対応の現場では、クレーマーの感情を爆発させた勢いに押されて、ただクレームの言い分しか聞いておらず、具体的な事実関係については全く把握していなかったというご相談もよくあります。
細かい事実確認をしつこく行うと、逆に怒らせてしまうのではないかという不安を抱く担当者もいるとは思いますが、適切な対応をするためにはまず事実関係の把握が必要であることを十分に説明し、理解を得た上でヒアリングをしっかりと行うべきでしょう。

たとえば、よくあるクレームの例として、商品の欠陥に関するクレーム(「購入したラジカセが壊れていて、音が出なかった」など)があります。
   
このような場合、会社に責任があるかどうかを判断するためには、「本当に買ったときから壊れていたのか?」「どこが壊れていたのか?」「買った後で持ち帰る際に落としたのではないか?」といった疑問が浮かび、これらを解決しなければ、会社に責任があるかどうかを判断することはできません。
   
つまり、会社の行為と商品の欠陥との間に因果関係がなければ、会社の責任自体が存在しないとういケースもありうるのです。

このようなヒアリングは、まずは時系列で事実関係を詳細に聞いた上で、気になる点を中心に質問していく形式がよいでしょう。

一貫性をもった公平な対応をすること

クレームに対して、会社の態度を時と場合によってコロコロ変えていては、ますます信頼感を失い、その対応が悪いという理由で二次的なクレームを受けることにもなりかねません。
クレーム対応には、会社内で基準とマニュアルを作成し、どのような場合にどういった対応をするかは明確に決めておかなければなりません。

そして、基準を定めることによって、同じクレームが起こったときには同じ対応をすることによって、公平な対応をしていることを説明し、お客様の理解を求めることができます。

基準を超えた理不尽なクレームには、断固たる態度で拒否しなければなりません。クレームを挙げてくる人は、被害者意識が高揚していますから、これに対して更に対応をしていると、トラブルが拡大し、更にクレームが大きくなっていくことにもなりかねません。
特に、会社に非がある場合に謝罪をすることは当然ではあるものの、金銭の要求に及んだ場合には十分に注意が必要です。要求されている額が正当な額である場合はよいですが、過大な要求となっている場合には、応じる必要はないといえます。

たとえば、レストランのウェイターがお客様に水をこぼしてしまった場合、謝罪の要求に応じるのは当然でしょうが、クリーニング代として一定額をお支払する、デザートをサービスするといった基準を店が決めていた場合に、さらに洋服代金を請求してくるクレーマーに対しては、厳格にお断りをしてよいといえるでしょう。

謝罪、金銭賠償といった解決法の意味をよく考えること

クレーム内容について、会社に非があるという場合、謝罪をすることが必要です。謝罪をしてしまうと、すべての責任を認め、なんでも言うことを聞かなければならないと考えて、頑として謝罪をしないという会社もありますが、それでは対応が不誠実であるといえますし、ますますクレームが拡大する原因となります。

謝罪をすることと、相手の言い分のすべてを認めてなんでも言うことを聞くこととは別です。したがって、何に対して謝罪をするのかを明確にして謝罪をすることが必要でしょう。「~~についてご迷惑をおかけしたことについて、申し訳ありません。」といった謝り方をして、誤解を招かないように注意しましょう。

また、謝罪と金銭賠償も区別して考える必要がありますから、謝罪をしたからといって、要求された額のお金を当然に支払わなければならないわけでもありません。

違法行為には断固たる対応をすること

クレームを受けた場合で、事実関係の調査・確認の結果、会社に非があることが発覚した場合、すべて会社が悪いといった空気になり、なんでも従わなければならないという流れになりがちです。

しかしながら、会社に非があるとしても、暴力・脅迫などの手段を用いて金銭を要求することが許されるわけではありませんし、必要以上に土下座をさせるといった屈辱的な謝罪方法を要求することや、店先で暴れる、会社に電話を必要以上に繰り返しかけるといった営業妨害行為を行うことが正当化されるわけではありません。

これらの行為は、行き過ぎれば、刑法上の犯罪行為にもなりかねない危険な行為ですから、クレームの内容がもっともであったとしても、このような行為については、すぐに止めるよう強く要求すべきです。
そして、万が一注意しても増長する場合には、警察を呼んで対応するといったことも検討すべきでしょう。

クレーム解決を弁護士に依頼するメリット

本業に集中して取り組むことができる

クレーム対応には非常に多くの時間を割かなければなりません。その上、重要なクレームについては、会社内でそれなりの地位、権限を持った責任者が対応することが必要です。
特に、理不尽なクレーマーの場合には、長時間の電話対応が必要であったり、訪問して謝罪するよう要求されたりと、時間がかかる一方で、その時間を節約しようという態度が悟られてしまうと、これが不誠実な対応であるという二次的なクレームを引き起こすことになります。

したがって、クレーム対応をする重要な人物が、その時間に本業に集中して取り組むことができれば、その分だけ会社に多くの利益をもたらすことができます。

訴訟をする・される可能性を踏まえた対応ができる

弁護士が依頼を受けた場合には、クレームが拡大して訴訟となった場合には、その弁護士が対応してくれることとなるでしょう。
したがって、弁護士の提案する解決案を飲まない場合には、クレーマーは、その後の訴訟を覚悟しなければならないことになります。

クレーム対応のマニュアル化ができる

消費者問題や企業法務に強い弁護士であれば、多くのクレーム対応の相談を受け、解決してきた実績があります。弁護士は、証拠や証言から、事実関係を調査・把握する専門的な訓練を積んでいます。
弁護士に一度適切な対応を教わっておけば、同じクレームが来たときには同様の対応をし、これを社内でマニュアル化しておくことによって、次回以降のクレームにも適切な対応をすることが可能です。

第三者的な立ち位置から交渉ができる

クレームの内容について、少しでも会社に非がある場合、クレームの一部が過剰な要求であったとしても、冷たい断り方をしてしまえば、不誠実な対応であると言われがちです。これは、非があるにもかかわらず、その会社自身が、その要求を断っていることが気に食わないという感情から来るものです。

弁護士が依頼を受けた場合、弁護士は会社の代理人として、その行為の効果は会社に帰属しますが、会社自身とは異なるため、第三者的な目線で発言をすることができ、柔軟な交渉が可能です。

法律・裁判例に照らした適切な解決をすることができる

弁護士は法律・裁判例の知識、経験が豊富で、これをクレーム対応にも生かすことができます。
一般的な感覚とは異なって、実は会社の損害賠償は不要という場合で、円満な解決のために迷惑をかけたことについてだけ謝罪をすればよいというケースもあります。

そして、そのような場合には、法律・裁判例に基づいて弁護士から適切な説明をすることによってクレームを解決することができるでしょう。

まとめ

今回は、クレーム対応に強い会社を作るためのポイントについて、4つの観点からまとめてみました。

クレームの中には、会社に非があった部分を改善するための有効なヒントにするべき内容のものもあり、しっかりと内容を吟味して適切に対応するべきです。

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