刑事事件でおすすめの刑事弁護士を選ぶとき注意するポイント


逮捕

家族、友人が逮捕、勾留され、弁護士を選ばなければならないというとき、知り合いに頼りになる刑事事件専門の弁護士がいる場合にはよいですが、そうでない場合には、インターネットで検索するのが一般的となってきたのではないでしょうか。

インターネットで「刑事事件、弁護士」などと検索すると、刑事弁護の専門弁護士であることをうたった広告がたくさん並びます。これほども多くの刑事弁護の専門弁護士がいるのでしょうか?

刑事事件の場合、日本の刑事司法が「人質司法」などと揶揄されるように、身柄拘束をされている時点で、捜査機関側に心理的に一方的な有利をうばわれた状態にあります。ですので、どれほど腕のある弁護士であっても犯罪と内容によっては覆すことができない場合もあります。

しかしながら、弁護士に依頼し、刑事事件をできる限り有利な結論に導くためにも、弁護士の選択が非常に重要となってきます。

刑事事件の場合、家事事件、顧問弁護士などと異なり、短期間が勝負であり、弁護士とのお付き合いも短期間で終了することが一般的です。そのため、継続的に刑事事件を依頼する予定のある職業犯罪者などでもない限り、一般の方が刑事弁護士の「腕」を見極めるのは相当困難でしょう。

今回は、刑事弁護の「腕」を見極めることは非常に困難ではあるものの、広告などからできる限り質のよい弁護士を選ぶために注意すべきポイントを解説します。

刑事事件はスピーディな対応が重要です!

もし、あなたの家族、友人、親族が、刑事事件で逮捕、勾留などの身柄拘束を受けた場合には、刑事事件の得意な弁護士にすぐ相談をしましょう。刑事弁護を開始するタイミングが早ければ早いほど、身柄拘束が短期で終了し、示談成立、起訴猶予などの、有利な結果を獲得できる確率が上がります。

日本の刑事司法では、起訴された場合の有罪率は99.9%と言われており、捜査、起訴と進んだ場合には、手遅れとなりかねません。前科が付き、その後の人生を崩壊させないために、早期の刑事弁護が重要です。

弁護士が直接対応してくれるかどうか

刑事事件は、スピードが命です。

刑事事件の手続きについて解説したこちらの記事でもわかる通り、刑事事件で被疑者が逮捕されると、まずは「逮捕」という身柄拘束で72時間拘束されることが決定されます。その後、この72時間の間に、検察官から勾留請求がなされ、裁判所が勾留決定をされると、少なくとも10日間は「勾留」という身柄拘束をされることが決定されます。

10日間も拘束されれば、通常のサラリーマン、学生であれば、職場、学校にばれてしまいますから、円滑に社会生活に復帰することは絶望的となるでしょう。

このようなスピード命の刑事事件ですから、法律事務所にも迅速な対応が求められます。

そのため、刑事事件を得意とする法律事務所では、問合せ先として、弁護士直通の電話番号を用意している法律事務所が多いです。

というのも、通常の民事事件であれば、事務員が取り次いだり、弁護士が不在の場合には伝言をお願いしておいたりといった対応で十分間に合いますが、刑事事件の場合は一刻を争いますから、即座に対応しなければ手遅れとなってしまうためです。

弁護士直通の電話が用意されており、不在時であっても1~2時間以内には折返しがあることは、刑事事件を得意とする弁護士であれば必須ともいえるでしょう。
弁護士の業務のうち、例外的な場合はあるにせよ、裁判、打合せなどであれば、3時間以上電話の折返しができないという場合は珍しいと思います。

このため、大規模に組織化された事務所は、刑事事件のみに特化しているといったケース以外には、むしろ刑事事件に不向きであるとすらいえます。大量の他の事件を抱え、大規模に組織化されて仕事の効率を重視した大きな事務所が、あなたの身柄拘束だけのために迅速に動くことが可能かどうか、慎重に検討すべきです。

報酬プランは定額制か変動制か

次に、報酬があまりに高額でないか、を検討しましょう。

弁護士の業務は、得られる経済的利益、もしくは、弁護士が要する業務時間数などを基準として報酬を決めることが一般的です。

しかしながら、刑事事件の場合、経済的利益が得られるわけではなく、獲得すべきは身柄の釈放、無罪、執行猶予などといった人生に関わることです。そして、弁護士が要する業務時間数についても、身柄拘束の行方によって左右されますので、予想することが困難です。

そのため、報酬プランは、「定額制」を採用している法律事務所を選択すべきでしょう。

たとえば、「着手金」「身柄釈放」「示談」などと、成功の度合いに応じて、定額の報酬をあらかじめ定め、契約の事前に説明をしてくれる法律事務所が適切です。

報酬が高額すぎない適切なものか

その上で、あまりに報酬が高額すぎないかを検討すべきです。

刑事事件を依頼する依頼者の心境は、自分の大事な人が警察に連れていかれ、すぐに助けなくては今後いつ会えるかわからないという、非常に切羽詰まったものです。

そのため、「助かるなら・・・」と考えてあまりに高額な報酬であっても支払ってしまったり、ろくに報酬の説明も受けずに契約を結んでしまったりして、あとで数百万の報酬を請求されてびっくりする、という話をよくききます。

もちろん、納得の上での報酬であれば、いくらであっても構わないのですが、予想される弁護士の業務量にあまりに釣り合わない報酬は、妥当であるとは思いません。

例えば、弁護士を依頼してもしなくても、いずれにしても逮捕段階で釈放されるであろう微罪に対して、身柄釈放されたことを理由に多額の報酬を請求されるといったケースでは、注意が必要です。

方針の説明を丁寧に行ってくれるかどうか

刑事事件においては、時間が非常に限られているため、その間にやらなければいけないことに優先順位を付けなければならないケースが多いといえます。

被疑者本人の一番望むのは、なんといっても「接見」でしょう。弁護士が会いにきてくれることは非常に心強く、また、警察による威圧的な捜査を防止したり、虚偽の自白へ誘導されることを防いだりして被疑者の権利を守るためにも、頻繁な接見が重要であるのは当然です。

しかしながら、接見を何度繰り返したからといって、身柄釈放が早まるわけではありません。

身柄釈放をできる限り早く行うためには、被害者との示談、情状証拠の収集など、接見以外の弁護士のはたらきが重要となってきます。

では、「接見」に全くいかない弁護士、というのはどうでしょうか。仮に身柄釈放の可能性が上がったとしても、全く接見にいかないというのは、直接の依頼者である被疑者の意見、考えをないがしろにする行為であり、これまた不適切です。

したがって、このような優先順位の付け方、方針について、依頼者に対して、十分な説明と理解を得るために尽力する弁護士が、よい弁護士であるといえるでしょう。

刑事事件の解決実績があるか

刑事事件といっても、内容は様々であり、その解決に至る方針も多くあります。捜査機関との対応、裁判所で行うことのできる手続も、複雑多岐にわたります。

したがって、刑事事件の解決実績が多くあるか、また、相談したい犯罪を解決に導いた事例を経験しているかどうか、という点は、最も重要であるといえるでしょう。

「話しやすい」「すぐに対応してくれる」といった付随的な価値ももちろん重視すべきですが、なにより、事件を早期解決に導いてくれることこそが、弁護士に期待される一番重要な仕事ではないでしょうか。

刑事事件はスピーディな対応が重要です!

もし、あなたの家族、友人、親族が、刑事事件で逮捕、勾留などの身柄拘束を受けた場合には、刑事事件の得意な弁護士にすぐ相談をしましょう。刑事弁護を開始するタイミングが早ければ早いほど、身柄拘束が短期で終了し、示談成立、起訴猶予などの、有利な結果を獲得できる確率が上がります。

日本の刑事司法では、起訴された場合の有罪率は99.9%と言われており、捜査、起訴と進んだ場合には、手遅れとなりかねません。前科が付き、その後の人生を崩壊させないために、早期の刑事弁護が重要です。


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