遺言の作成ポイントが5分でわかる!遺言書の作り方


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遺言を残さないで亡くなってしまうと、相続人間でトラブルとなるケースが多いと聞いて遺言を書こうというご相談をされる方が増えてきました。

しかし、いざ遺言を書いてみようとすると、書き方がわからないという方が多いようです。

今回は、あなたが遺言を書きたいと思い立ったときに役に立つ、遺言の目的や、遺言の活用方法、遺言を作成する際のポイントについて、解説していきます。

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遺言・遺産相続の問題は、当事者だけで解決しようとすると争いが拡大するケースが多く、不利な解決になりかねません。

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遺言の目的

遺言とは、被相続人が、自分の意思にしたがって遺産の処分をしてもらうために残す書面のことです。
遺言が存在しない場合には、原則として、法律に定められた通りに(「法定相続分」といいます)遺産を分割することとなります。

遺言を行う際には、これを後で証拠とするために、遺言書を作成することによって行います。

遺言の目的には次のことが考えられます。

☞ 遺産相続の争いを回避する
☞ 相続人の負担を軽減する
☞ 配偶者や子ではない人に財産を与える
☞ 特定の相続人に財産を与えない
☞ 寄付をする

法律上の効力を認められる遺言書の形式は?

法律上の効力を認められる遺言は、公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言の3つに分類されます。
(緊急時などに認められる特別方式もありますが、ここでは一般方式について解説していきます。)

遺言書の種類

公正証書遺言

公正証書遺言とは、公証役場で公証人が関与して作成する遺言のことをいいます。

原本が公証役場で保管されるため、紛失や偽造のおそれ、無効となるおそれがなく、正本を紛失しても再交付を受けることができます。

公正証書遺言の作成には、遺言者の真意を確保するため、2人の証人の立ち会いが必要で、遺言の内容が外部に漏れてしまう危険性があります。その場合には、弁護士や司法書士等の法的に守秘義務のある専門家に証人を依頼することをお勧めします。

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、筆記用具と紙、印鑑があれば作成できる、一番簡単な遺言書です。

ただし、民法で定められたとおりに作成をしないと、遺言として認められず、被相続人の意思に反して、死亡後に無効となってしまうおそれがあります。

また、自身で保管するため、紛失や偽造のおそれがあります。

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、遺言書の内容を秘密にしつつ、公証役場を利用して作成する遺言書のことをいいます。

遺言者が署名押印の上、封印した遺言書を公証役場に提出し、公証人が遺言書が遺言者のものであることを確認するというプロセスをとります。

ただし、公証役場には遺言書を作成したという記録が残るだけで、遺言書の保管は自身で行うため、紛失や偽造のおそれがあります。また、内容の不備により遺言書自体が無効となる可能性もあります。

したがって、秘密証書遺言が活用されるケースは少ないといえます。

公正証書遺言がオススメです!

自筆証書遺言の場合、一人で作成することができ、費用も全くかかりませんので、作成が非常に簡単であるというメリットがあります。

しかしながら、被相続人がからだが不自由であったり、判断能力が低下していて「遺言能力」に関する争いとなってしまうおそれがあります。また、法律に定められた一定の形式にしたがっていない場合には、死亡後に遺言が無効となてしまうおそれすらあります。

このような不都合を回避するため、公証人、司法書士や弁護士といった専門家の費用などの出費がかかってしまったとしても、確実な遺言を残すために公正証書遺言を作成することがオススメです。

法的に効力が認められるのは「遺言事項」のみ!

遺言書を作成するにあたって、何を書いても法的拘束力が発生するというわけではありません。これは、あまりに無限定に遺言の効力を認めてしまうと、かえって、被相続人の意思によって相続トラブルが起こりやすくなるおそれがあるためです。

法律上の効果が認められる事項は「遺言事項」として法律に定められているもののみです。

ただし、遺言事項でなかったとしても、書く意味が全くないわけではありません。遺言事項以外のことでも記載していけないわけではなく、記載しておくことによって事実上の効果があるようなこともあります。

たとえば、法定相続分よりも少ない取り分しか得られなかった相続人に対して、生前の苦労に対する感謝の言葉を述べたり、なぜそのような相続分にすることとなったのかという理由を的確に説明することによって相続トラブルを回避するという効果が期待できます。
また、死後の供養について、その方法や埋葬してほしい場所などを記載しておき、相続人の協力を求めるといった使い方も可能です。

以下では、法律上の効果が認められる「遺言事項」は、以下の15点です。

財産に関する遺言事項

1.祭祀主催者の指定
2.相続分の指定・指定の委託
3.遺産分割方法の指定・指定の委託
4.特別受益の持戻しの免除
5.相続人相互間の担保責任の指定
6.遺贈
7.遺留分減殺方法の指定
8.一般財団法人の設立・財産の拠出
9.生命保険受取人の変更
10.信託の設定
11.「相続させる」旨の遺言

身分関係に関する遺言事項

12.遺言認知
13.未成年後見人の指定・未成年後見監督人の指定
14.推定相続人の遺言廃除・取消し

遺言の執行に関する遺言事項

15.遺言執行者の指定・指定の委託

遺言書作成時の注意点

遺言作成時には遺言能力が必要

遺言能力がなくなった時点で作成された遺言書は、法的な効力が認められません。
15歳未満の人や、アルツハイマー病等で判断能力がなくなった人には、遺言能力がないとされる可能性が高いといえます。

自筆証書遺言、秘密証書遺言の場合には検認手続きが必要

検認手続きとは、家庭裁判所の裁判官が相続人全員立会のもとで遺言書を確認する手続きのことをいいます。検認手続きの前に開封した場合には5万円以下の過料に処せられるおそれがあります。

複数の遺言書がある場合

遺言書が複数ある場合には、日付の新しいものを優先します。ただし、新しい遺言に矛盾しない部分に限り、古い遺言の効力も維持されます。

2人以上の者が1つの遺言書を残す共同遺言は?

共同遺言は効力が認められません。夫婦でもそれぞれ別々の遺言書を用意するようにしましょう。

遺産分割の争いを遺言書で解決できるケース

あなたの想定外のところで遺産相続争いが生まれることが多々あります。
被相続人が次のような場合は、遺言をきちんと残すことが賢明です。
以下のようなケースでは、遺言の作成によって遺産相続の争い、トラブルが回避できる可能性がありますので、遺言の作成を検討すべきです。

前妻に子がいて、後妻と再婚しているケース

現在の家族に対して明かしていない家族がいる場合(たとえば隠し子がいる場合)、被相続人が死んだ後に争いになる可能性が相当高いでしょう。

また、離婚と再婚をしている場合には、前妻の子供と後妻が同居していなかったり、後妻との間に新たな子供がいたりして、お互いの家族の仲が悪かったりするケースがよくあります。

このような場合、遺言なしに遺産分割協議をしようとすれば、それぞれの主張が全く折り合わず、スムーズには進まないでしょう。

前妻とその子にも、きちんと一定程度の財産が行きわたるような意思表示をしておくことによって、それ以上の主張を抑え、円満な遺産分割ができるようになるでしょう。

家族が疎遠になっているケース

家族と疎遠になっている場合や、一部の家族と連絡がとれない状況にある場合、いざ被相続人が死んでから連絡をとりあうと、お互いの意思が全く合わずに争いが激化することがよくあります。

また、家族の中に行方不明の人がいるという場合にも、その人を突き止めなければ相続が進まないということになりかねませんから、遺言によって財産を与えない旨を決めておく必要があります。

相続人の数が多く、不動産を持っているというケース

相続人間の関係が円満ならよいですが、そうではない場合に、財産が不動産しかないということになると、分割が困難となることがあります。

「この不動産に住みたい」という相続人が不動産を買い取るお金をもっていればよいですが、そうでない場合には、遺言を作成しておかなければ、売却してその売却代金を分割するという方法しかなくなってしまうことになりかねません。

預金が全くなく、相続財産が不動産しかないというケースでも同様の問題となります。

家族で事業をおこなっているケース

あなたが家族経営で事業をおこなっている場合、あなたの財産の一部がその事業のために使用されている場合があります。

この場合、相続人の事業に対する思いが共通の場合にはよいですが、相続人の間でトラブルとなると、一部の財産を事業のために使うことができなくなり、廃業の危機となるおそれがありますので、遺言によって解決する必要があるでしょう。

まとめ

遺言を残す際に最も確実な方法が「公正証書遺言」です。証人2人の立会が必要ですが、弁護士や司法書士に立ち会ってもらえば、外部に漏れる心配はありません。

その際には、よくある遺産相続争いのケースについてアドバイスを受け、自分が該当していないかよくチェックしてましょう。自分の想定外のことでご遺族の争いに発展させたくないですからね。

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遺言・遺産相続の問題は、当事者だけで解決しようとすると争いが拡大するケースが多く、不利な解決になりかねません。

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