ご近所の騒音トラブルとその解決法!弁護士が解説!


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アパートやマンションなど集合住宅のご近所トラブルで、最も解決が難しいのが騒音トラブルです。

「生活音が気になった」とアパートの隣人を包丁で切りつけた男が逮捕された事件もあるように、騒音トラブルは、時に傷害事件や殺人事件にまで発展してしまうこともあります。

最近では、二重サッシや二重床、遮音カーテンなど、騒音トラブルを回避するための商品も開発されていますが、それだけでは防ぎきれない生活音もあります。

また、音を出さずに生活するのは不可能なので、誰でも被害者・加害者になる可能性があります。

共同住宅の騒音トラブルは、主観的でデリケートな問題でもあるため、大事に至る前に対応することが求められます。ご近所との騒音トラブルが起こったとき、どう対処すればいいでしょうか。

近所の騒音トラブルの解決法について不動産問題に詳しい弁護士が解説します。

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トラブルになる騒音の種類と原因

特に相談ケースが多く、トラブルにもなりがちな生活騒音には、次のようなものが挙げられます。

  • ☛ 隣室からの話し声
  • ☛ テレビの音
  • ☛ 上階の足音
  • ☛ チャイム音
  • ☛ 楽器の音
  • ☛ ペットの鳴き声

生活騒音には、テレビやステレオの音のように、風向きや窓を開けているときに聞こえる間接的な音と、子どもが走り回る音や壁を叩く音など直接的な振動音の二種類があります。

間接的な騒音は、遮音商品を使ったり窓を締めたりといった工夫をすることで、軽減することが可能な場合も多くあります。

直接的な騒音の場合、意識して音を出しているのでない限り、出さないようにするのは難しいものです。

騒音トラブルは、裁判に発展することも

集合住宅に住む場合、隣室や上階の生活音がある程度聞こえるのは仕方ないことです。

ただし、建物に構造上の問題があって一部の住居のみに音が響きやすかったり、明らかに我慢できる範囲(受忍限度)を超えた騒音の場合、トラブルから裁判に発展することもあり得ます。

裁判になった場合、「受忍限度」を超えているかどうかが争点になります。受忍限度に法律上の基準はなく、個別の判断が求められます。

たとえば、木造アパートと鉄筋コンクリート造のマンションでは、音の伝わり方が大きく違います。木造アパートで鉄筋コンクリート造のマンションと同程度の音の伝わり方を求めても、それは困難です。つまり、鉄筋コンクリート造のマンションより木造アパートのほうが、受忍限度は大きくなるということです。

騒音トラブルの場合、裁判所は、騒音の種類、騒音の発生する時間帯、騒音に対する予防策をとっているか否かなどを総合的に判断して判決を下すことになります。

騒音トラブルの予防と解決法

次に、騒音トラブルが裁判となる前に、予防し、話し合いで解決するために重要となるポイントを解説します。

弁護士として、近所の騒音トラブルに対応した経験をもとに解説しますが、いずれも、弁護士でなくても事前に準備しておける問題ばかりですので、ぜひ参考にして実践してみてください。

近隣とのコミュニケーションを密にする

騒音は、人の感じ方にもよるので、デリケートな問題です。トラブルになるケースは、近隣への配慮が足りない場合が多くあります。

小さな子どもがいたり、受験生がいたり、生活時間帯が異なっていたりすると、チャイム音1つでもトラブルになりかねません。

深刻なトラブルに発展するのを防ぐためには、ご近所付き合いを避けずに近隣とのコミュニケーションを密にとることが重要です。お互いの生活や状況への理解があるのとないのとでは、生活騒音に対する捉え方も大きく変わってきます。

一度も話したことのない隣人の立てる音は騒音に感じますが、一度でも話して相手の状況がわかっている隣人の場合は、多少の騒音は我慢できることもあります。

実際、弁護士が解決するような申告な騒音問題であっても、まずは弁護士が窓口となって話し合いによる解決を試みるのが通常です。

また、密にコミュニケーションをとることで、どうしても我慢できない騒音については、お互いに話し合って解決していくこともできるでしょう。

第三者に間に入ってもらう

騒音トラブルは、大家さんや管理組合、管理会社を通して解決する場合もあります。

物件を管理する大家さんや管理会社は、賃貸借契約に基づき入居者に対して良い住環境を提供する義務があります。そのため、騒音のために入居者が困っているなら、それを解決しなければいけないのです。

複数の入居者から騒音に対する苦情が出ているなら、その騒音が受忍限度を超えていると推察できます。そうなれば、騒音を出している入居者に対して注意もしやすくなりますし、賃貸借契約違反として契約を解除し退去してもらうことも可能です。

入居時に注意する

アパート・マンションに入居するときは、入居しようとしている物件が過去に騒音トラブルがなかったかどうかを確認することをお勧めします。

不動産仲介業者に、過去に騒音トラブルがなかったかどうかを必ず聞いておくようにしましょう。

過去に騒音トラブルがある場合、床材や窓等の構造上の問題から、騒音が起きやすい物件だということも考えられます。そのような物件に入居してしまうと、同じようなトラブルに巻き込まれる可能性も否定できません。

過去に騒音トラブルのあった物件は入居を避けるか、トラブルになった場合の予防策として、賃貸借契約書に証拠として記しておくことも考えられます。

どうしようもない場合は法的手続きを!

騒音トラブルが起き、直接注意したり第三者に入ってもらって解決を図ってもどうしようもない場合は、裁判所で調停手続をすることも考えられます。

最終手段は訴訟となります。騒音トラブルは、傷害罪のような刑事事件には当てはまらないケースが大半で、警察にいっても解決してくれない場合が多いといえます。そのため、民事事件で解決することになります。

民事事件となる場合は、民法709条の不法行為、「故意または過失により他人の権利を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」が根拠となります。

騒音トラブルの場合は、受忍限度を超える騒音=不法行為となります。不法行為が成立した場合、行為の差し止めや損害賠償を請求することができます。

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