任意整理とは、借金を整理するための方法のうち、裁判所における法的な手続きを使わない方法のことをいいます。
借金を整理する方法には、自己破産など裁判所を使って行う方法が有名で、これらを総称して「債務整理」といいますが、自己破産するほど借金が多額ではない場合や、あなたにしっかりとした収入があって借金を返済できる可能性が高い場合には、任意整理がおすすめです。
今回は、債務整理のひとつの手段である任意整理について、解説していきます。
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多くの借金問題を解決してきた弁護士が、債務整理、自己破産、個人再生について、親身に対応します。
債務整理で失敗しないためには、弁護士選びが重要です。1日も早く借金をきれいに整理して、落ち着いた生活を取り戻しましょう。
このページの目次
任意整理とは?
任意整理は、債務整理の中でも、自己破産といった借金を帳消しにする制度を使う場合とは違って、借金自体は今後も消費者金融などの貸金業者に対して支払いを続けていくことを前提とした手続きです。
任意整理を行った場合に、通常通り返済していくのと何が変わるかというと、、交渉によって、以下の扱いができる可能性が高まるという点です。
☞ 分割払いの交渉、分割額の減額(分割回数の増加)
☞ 払い過ぎていた利息の返還(過払い金請求)
利息・遅延損害金をカットしてもらい、元本だけを今よりも長期の返済計画のもとに少額ずつ分割して返済していくという交渉がまとまれば、借金を返済しきれるという方も多いのではないでしょうか。
また、裁判所を介する必要がないため、手続きが簡単であり、スピーディに借金を整理できる方法であるといえます。
あなたは任意整理が使える?検討してみよう!
任意整理は、借金について少なくとも元本は返済しなければならない手続きですので、長期返済としても到底返しきれない程の借金がある場合や、収入が全くないといった場合には任意整理によって解決することはできません(このような場合には自己破産を検討することとなります)。
一般的にいって、以下の手順によって、あなたが任意整理を行うことができる人かどうかをチェックすることができるといわれています。
毎月いくらなら返済できるのか?
一般的に、毎月返済できる上限の額は、以下のようにいわれています。
これは、法律でこのように決まっているわけではなく、「借金返済にこの程度の割合の収入をあてても、生活をしていけるだろう」という相場として一般的にいわれているものです。
これを毎月の返済額として計算します。
どれくらい長期にわたって返済できるのか?
長期分割返済について、消費者金融などの貸金業者が交渉に応じてくれる一般的な相場は、3~5年であるといわれています。
債務者の側からしてもこれ以上借金を返し続けるのは生活への負担が大きすぎます。
任意整理と自己破産の分かれ目
以上のことから、先程計算した毎月の返済額を、3~5年返済し続けて返しきれるほどの借金であれば任意整理が可能、10年などもっと長期の返済計画としないと返しきれないのであれば自己破産、という判断になります。
もちろん、個別の事情によってケースバイケースですから、この計算式だけで割り切れる問題ばかりではありません。
任意整理を成功させるには?
任意整理を成功させたければ、貸金業者との交渉に強い専門家(弁護士、司法書士など)に依頼するのがよいでしょう。
貸金業者は、金融関係のプロであり、借金返済に関する交渉を日常業務として知識・経験を多く有していますから、あなたが単独で挑むのはお勧めしません。
その上、「一旦は借りたもの・・・返さなければならないのが原則」という大前提がある以上、開き直った態度や思い切った交渉は借りた本人には到底難しいものです。
任意整理のながれ
では、専門家に依頼した場合の、任意整理の手続きのながれについて説明していきます。
相談、任意整理手続きの説明
まずは、任意整理手続きに詳しい専門家に相談しましょう。
相談料は無料である事務所がほとんどです。というのも、収入が少ない場合には、専門家の費用はすべて法テラスが立て替えてくれる制度を利用することができるからです。
任意整理手続きのながれと、今後のスケジュールについて説明を受け、依頼をします。
受任通知、履歴開示
すべての債権者に対して受任通知を送ります。
これにより債権者によるしつこい取り立てがすべてストップし、裁判や執行なども意味をなさなくなります。
その上で、各債権者に履歴開示を請求し、いくら借りたか(借金額)、いくら返したか(返済額)を債権者ごとに整理していきます。
利息制限法による引き直し計算
利息制限法という法律で決まっている金利の上限以上の金利で借りた債権者がないかどうかをチェックします。
上限金利以上の金利を支払続けている場合には、払い過ぎの可能性があり、その場合には払い過ぎた分について取り戻すことができます(過払い金請求)。
方針の決定
この段階で、借金額と返済額、現在の元本額などの情報がわかりますので、今現在のあなたの収入で、どの程度の分割支払をすれば返済できるかが判断できます。
したがって、ここで、任意整理か自己破産かを判断することになります。
和解交渉
利息制限法による引き直し計算を行った結果、過払い金請求ができなくても、元本が減少する可能性があります。
その上で、減少した元本について、利息カットや遅延損害金カットなどの交渉をします。
また、分割支払いの場合には、その分割方法についても交渉します。
和解締結、支払い
支払方法、支払額が合意できれば、和解契約を締結することとなります。
その上で、和解書の記載にしたがって、支払を行うこととなります。分割支払いの場合には、この後しばらくの間支払が続くこととなります。
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