【クーリングオフ早見表】電気のクリーグオフって、いったいなんだ?


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電気の契約先を自由に選ぶことができる、電力小売りの全面自由化が2016年4月からはじまります。

これに先駆けて、特定商取引法の政令の改正により、電気契約にもクールングオフ制度が適用されるようになりました。

今回は、特定商取引法の現在のクーリングオフの規定も含めて解説していきます。

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電気契約のクールングオフとは

特定商取引法の改正によって行うことができるようになった電気契約のクーリングオフの内容は、電気の訪問販売と電話勧誘による契約に対し、契約書面を受け取ってから8日間は無条件に解約できるというものです。

2016年4月以前の契約でもクーリングオフは利用できます。なお、店舗での契約やインターネットでの契約は適用外です。

電気契約の変更申込みはすでに6万件にせまる勢いで、顧客獲得競争が激化しており、これらの電話勧誘への多くの苦情が消費生活センターに届いているようです。今回の改正はこういった背景を踏まえてのことなのでしょう。

そもそも、クーリングオフってなに?

では、そもそもクーリングオフというのはどのような制度なのでしょうか。国民生活センターの説明がわかりやすいので、こちらをご覧ください。

「クーリングオフ」とは、契約した後、頭を冷やして(Cooling Off)冷静に考え直す時間を消費者に与え、一定期間内であれば無条件で契約を解除することができる特別な制度のことをいいます。

一度契約が成立するとその契約に拘束され、お互いに契約を守るのが契約の原則ですが、この原則に例外を設けたのが「クーリングオフ」制度です。

国民生活センター

クーリングオフできる取引

どのような契約でもクーリングオフができるわけではなく、クーリングオフできる契約には限定があり、その種類によってクーリングオフできる日数も決まっています。

訪問販売

法定書面を受け取った日から8日間はクーリングオフができます。

電話勧誘販売

法定書面を受け取った日から8日間はクーリングオフができます。

商品を開封していても送料は事業者負担で返品できます。

連鎖販売取引(マルチ商法)

連鎖販売取引とは、他の人を加入させれば利益が得られるような商品やサービスを契約させることをいいます。

法定書面を受け取った日もしくは商品を受け取った日の、いずれか遅い日から20日間はクーリングオフができます。

特定継続的役務提供

長期で継続的なサービスであって、一定以上の高価なものが対象となります。

店舗で契約を結んでいても、法定書面を受け取った日から8日間はクーリングオフができます。

特定継続的役務 期間 金額
エステティックサロン 1カ月を超えるもの いずれも5万円を超えるもの
語学教室 2カ月を超えるもの
家庭教師(通信指導等含む) 2カ月を超えるもの
学習塾 2カ月を超えるもの
パソコン教室 2カ月を超えるもの
結婚相手紹介サービス 2カ月を超えるもの

引用:国民センター

業務提供誘引販売取引(内職商法)

内職商法は在宅ワークの募集を装って商品を購入させる売り方のことをいいます。

その売り方自体に違法性がありますが、法定書面を受け取った日から20日間はクーリング・オフができ、購入した商品も送料は事業者負担で返品することができます。

訪問購入

店舗で契約を結んでいても、法定書面を受け取った日から8日間はクーリングオフができます

ただし、以下の商品は、政令で適用外となることが指定されています(政令指定消耗品)。

☞ 動物、植物の加工品である「健康食品」
☞ 不織布、織物
☞ コンドーム、生理用品
☞ 防虫剤、殺虫剤、防臭剤、脱臭剤
☞ 化粧品、毛髪用剤、石けん、浴用剤、合成洗剤、洗浄剤、つや出し剤、ワックス、靴クリーム、歯ブラシ
☞ 履物
☞ 壁紙
☞ 配置薬

また、以下の商品は、訪問購入において適用除外となる物品です。

☞ 自動車(二輪のものを除く)
☞ 家庭用電気機械器具(携行が容易なものを除く)
☞ 家具
☞ 書籍
☞ 有価証券
☞ レコード、音・映像・プログラムを記録した物

クーリング・オフ制度または同様の制度が設けられている取引

特定商取引法で定められているクーリングオフ制度以外にも同様に「やり直し」が認められている制度が設けられた取引をまとめてあるので、参考にしてみてください。

■ 個別クレジット契約
・ 適用対象
  訪問販売・電話勧誘販売・連鎖販売取引・特定継続的役務提供・業務提供誘引販売取引等の契約にともなう個別クレジット契約
・ 期間
  訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供の場合8日間
  連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引の場合20日間
・ 根拠条文:割賦販売法35条の3の10、35条の3の11

■ 生命保険契約・損害保険契約
・ 適用対象
  店舗外での、契約期間1年を超える生命保険・損害保険・傷害疾病定額保険契約
・ 期間:8日間
・ 根拠条文:保険業法309条

■ 宅地建物取引
・ 適用対象:店舗外での、宅地建物取引業者が売り主となる宅地建物取引
・ 期間:8日間
・ 根拠条文:宅地建物取引業法37条の2

■ 預託等取引契約
・ 適用対象:店舗契約を含む、指定商品の3カ月以上の預託取引
・ 期間:14日間
・ 根拠条文:特定商品預託法8条

■ 投資顧問契約
・ 適用対象:店舗契約を含む、金融商品取引業者との投資顧問契約
・ 期間:10日間
・ 根拠条文:金融商品取引法37条の6

■ 冠婚葬祭互助会契約
・ 適用対象:店舗契約を含む、冠婚葬祭互助会の入会契約
・ 期間:8日間
・ 根拠条文:業界標準約款

引用:国民生活センター

クーリングオフの総まとめ

購入形態 有効日数 備考
訪問購入 8日
訪問販売 8日
電話勧誘販売 8日 事業者負担で返品
特定継続的役務提供 8日
クレジット契約 8日 マルチ・内職の場合20日間
生命・損害保険契約 8日
宅地建物取引 8日
冠婚葬祭互助会契約 8日
投資顧問契約 10日
預託等取引契約 14日
内職商法 20日 事業者負担で返品
マルチ商法 20日

このように、クーリングオフ制度は、消費者に損害を与える危険性のある一定のビジネスに対して、消費者が冷静に考えるべき期間を提供する制度です。

今回の電気契約の顧客獲得競争の激化にともない、一定の電気契約についても、そのような危険性のあるビジネスであると考えられ、クーリングオフ制度の対象となったのではないでしょうか。

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