初動が肝心。身内が逮捕されたらすぐに弁護士へ


逮捕

身内が逮捕されたとき、全く制限がなく面会できるのは弁護士だけです。
家族の接見ですら、警察の立会いがあったり、時間が制限されたりといろいろと不都合が多いものです。

良い弁護士に巡りあえば、早期釈放や不起訴の可能性も高まります。
では、身内の逮捕の時に、弁護士がどのような役割を果たすのか、どんな弁護士に頼めばいいのかなどについて解説していきます。

刑事事件はスピーディな対応が重要です!

もし、あなたの家族、友人、親族が、刑事事件で逮捕、勾留などの身柄拘束を受けた場合には、刑事事件の得意な弁護士にすぐ相談をしましょう。刑事弁護を開始するタイミングが早ければ早いほど、身柄拘束が短期で終了し、示談成立、起訴猶予などの、有利な結果を獲得できる確率が上がります。

日本の刑事司法では、起訴された場合の有罪率は99.9%と言われており、捜査、起訴と進んだ場合には、手遅れとなりかねません。前科が付き、その後の人生を崩壊させないために、早期の刑事弁護が重要です。

身内が逮捕!!弁護士ができることとは?

接見(逮捕されたご家族との面会)

逮捕の直後は、逮捕された被疑者は、弁護士を除いて、近親者に会うことは許されてません。
ご家族は弁護士を通して、本人の状況を知ることができます。
この身柄拘束初期の段階で、どれだけ被疑者の情報を聞けるか、そして、本当に犯罪を犯しているのか、どの程度の責任があるのかといった戦略をしっかりと立てておくことが肝心です。

したがって、刑事弁護はスピードが命であるといえます。

釈放に向けた活動

被疑者は、警察に逮捕された後、検察官に送致されます。
検察官は、身柄を拘束したまま捜査を継続する必要があると判断した場合には、裁判所に対して勾留の請求ができます。裁判所が勾留を許可すると、最長で20日間釈放されなくなります。

そこで、弁護士は、検察官に対して勾留請求をしないよう働きかけ、もし勾留請求がなされてしまった場合でも、裁判官に対して勾留を許可しないよう働きかけることができます(勾留理由開示、準抗告、勾留取消し請求)。

逮捕されてから勾留請求がされるまでは、最長でも72時間しかないので、迅速に行動する必要があります。
刑事事件では初動が極めて重要で、勾留をされずに釈放されれば、最長でも3日間で身柄拘束から解放されることになります。一刻も早く、弁護士に釈放に向けた活動をしてもらうことが一番大切なのです。

特に、会社員として働いている場合には、数日の無断欠勤が致命傷となり、社会的地位を失うことも多く、非常に重要な時期といえます。

示談交渉

被害者がいる犯罪の場合、釈放や不起訴処分を勝ち取るために、示談交渉はとても重要です。しかし、被害者は、被疑者本人やご家族の方とは会ってくれないことが多く、検察官も被疑者本人や家族には、被害者の連絡先は教えないことが多いです。
特に、痴漢、強制わいせつ、盗撮といった性犯罪の場合には、被害者が恐怖心を感じていることを理由に、連絡先をなかなか開示してくれません。

そこで、弁護士が代わりに示談交渉を行います。
勾留請求がされるまでに示談が成立すれば、勾留請求をされる可能性は格段に下がりますので、やはり示談交渉も迅速に行うべきなのです。

弁護士に依頼するメリット

弁護士は、被害者との交渉とともに、警察・検察との間でも交渉を行います。
このような弁護士の迅速な対応により、身柄拘束が短縮されることはもちろん、最終の処分の決定にも大きな影響を与えます。
身内が逮捕された場合でも、ご家族の方が捜査機関との交渉を行うことは困難でしょう。

早期の釈放

弁護士が、検察官や裁判官に対して勾留をしないよう働きかけることによって、勾留をされる可能性は下がり、その分早く釈放される可能性が高まります。
弁護士は、検察官や裁判官に対し、どれほど身柄拘束の必要性が少ないかということを切々と語った意見書を提出することができます。

事件化の阻止

弁護士が示談を成立させ、被害届を出さない約束書を作成してもらうことで刑事事件化を阻止できます。
被害届を出さないという約束書に法的拘束力はありませんが、後日、被害届は出されたとしても、実際には警察は積極的に事件化させようとはしません。既に被害弁償が示談によって済んでいるので、弁護士から警察に働きかけ早期終結を図ります。

逮捕の阻止

刑事事件発生直後で、まだ逮捕されていないような場合には、法律事務所に相談に行くと、弁護士が在宅で捜査を進めてもらえるよう警察と交渉することがあります。逮捕されないまま(在宅のまま)、検察へ捜査内容を送る書類送検がなされ、そして不起訴になれば全く身柄を高速されずに済むことも多いといえます。

実際、弁護士がつかないと逮捕・勾留されてしまう事件であっても、実際には家族も仕事もしっかりとしていて、勾留の必要性はないのではないか、という事案もかなりの数あるという印象です。

逮捕日の調整

逮捕されることは確実であるが、いつになるかわからないという場合、弁護士が警察と交渉することで逮捕日を調整することができる場合があります。有給休暇を使って逮捕・勾留の期間を乗り切って、起訴後に保釈をし、円満に職場復帰した事例もあります。

弁護士に依頼するデメリット、注意事項

事件を早急に解決させたいのであれば、私選弁護人に依頼するのが一番です。
国選弁護人の場合、その刑事事件に関することしか担当できないため、柔軟でスムーズな対応がしづらいものです。

弁護士費用がかかる

弁護士を依頼する場合の、もっとも大きいデメリットは、費用がかかるという点ではないでしょうか。
相談料は1時間1万円程度、接見のみの依頼であれば5万円~10万円程度、着手金と報酬金については、それぞれ30万円程度が相場と言われています。

国選弁護人を頼む場合は?

国選弁護人とは、逮捕・勾留された人が貧困等の理由で私選弁護人を呼べない際に、国が弁護士費用を負担して選任する弁護人のことです。国が弁護士費用の負担をしまするため、本人がどの弁護士を国選弁護人にするか選ぶことはできません。

当番弁護士を頼む場合は

当番弁護士は初回だけ無料の接見を行い、逮捕されてしまった方に対して法的なアドバイスをする弁護士です。逮捕後であれば、条件なく呼ぶことが可能ですが1回しか利用できません。
当番弁護士として接見してくれた弁護士を、私選弁護人として選任することも可能です。

起訴された後は打ち手が少ない

起訴された後だと、状況は厳しくなり、打てる手段も少なくなります。
また、裁判の期日は裁判所によって自動的に決定されるため、示談などの交渉を行う時間的余裕はどうしても少なくなります。
また、この段になっても弁護人を選任していない場合には、国選弁護人が選任されることになります。

刑事事件に強い弁護士の探し方

知り合い経由で探す

知人の弁護士、もしくは逮捕されたことがある人に紹介してもらう方法です。弁護士の知人であれば、本人が刑事事件を得意としていなくても知り合いの刑事弁護に強い弁護士を紹介してくれる可能性はあります。
逮捕経験者であればお世話になった弁護士の料金体系も聞くことできるでしょう。また紹介しか受け付けていない腕のある弁護士事務所もあります。

弁護士会経由で探す

弁護士会を通して各都道府県の法律相談センタ-から弁護士を紹介してもらう方法があります。
この窓口相談には、相談料として30分5000円程の費用がかかります。

インターネットで探す

GoogleやYahoo!で「刑事事件 弁護士」、「刑事事件 弁護士 東京」などと検索します。
たくさんの法律事務所がヒットしますが、どの弁護士が刑事事件に強いかはわからないものです。
そこで、次に、刑事事件に強い弁護士の選び方を見ていきます。

本当に刑事事件に強い弁護士の選び方とは?

刑事事件の解決実績のある弁護士を探す場合のポイントをまとめました。

実績
☞ 不起訴を獲得した数、割合
☞ 相談実績、解決実績の数

機動性
☞ 土日祝日も対応
☞ 24時間対応
☞ 弁護士に直通で電話がつながるかどうか
☞ メールやチャットといった簡易な方法で連絡をとる手段がととのっているかどうか
☞ 即日接見に対応してもらえるかどうか

注意すること
☞ 検索結果が上位だからと惑わされない
☞ いいビルに入っているからと惑わされない
☞ 大々的に広告をかけているからと惑わされない
☞ 人数が多いからといって惑わされず、対応してくれる弁護士の経験、腕に注目する
   

   

まとめ

刑事弁護は時間との勝負です。被疑者が逮捕されると、48時間以内に検察に送致され、24時間以内(逮捕後合計で72時間以内)に勾留の請求がなされます。身内に逮捕者が出た場合には、この短時間の間に刑事事件に強い弁護士を探し出すことが重要なポイントとなります。

弁護士に依頼する際は、刑事事件の流れや被疑者・被告人の今後の処遇について説明を求め、弁護士として具体的にどういう弁護活動してくれるのか、その弁護活動にはどういう意味があるのかについても問い合わせてみましょう。

刑事事件はスピーディな対応が重要です!

もし、あなたの家族、友人、親族が、刑事事件で逮捕、勾留などの身柄拘束を受けた場合には、刑事事件の得意な弁護士にすぐ相談をしましょう。刑事弁護を開始するタイミングが早ければ早いほど、身柄拘束が短期で終了し、示談成立、起訴猶予などの、有利な結果を獲得できる確率が上がります。

日本の刑事司法では、起訴された場合の有罪率は99.9%と言われており、捜査、起訴と進んだ場合には、手遅れとなりかねません。前科が付き、その後の人生を崩壊させないために、早期の刑事弁護が重要です。


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