スマホこっそり見るとプライバシー侵害?ベッキー不倫騒動に学ぶスマホのプライバシー


スマホプライバシー

ベッキーの不倫騒動のスキャンダルで、LINE画像が流出して話題となりました。どのような手口でLINE画像がスマホから流出したかは不明ですが、私たちのスマホのプライバシー対策は十分でしょうか?

夫婦が相手の不倫を疑ったとき、不倫をしているかどうかを確認するのに一番確実な方法は、相手のスマホをこっそり見ることでしょう。

今回は、夫婦が相手のスマホをこっそりのぞき見したときに、プライバシー侵害となるのか、どのようなリスクがあるのかを解説します。

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スマホののぞき見はプライバシー侵害?

相談ケース:スマホを見られたのでプライバシー侵害で訴えたい

ご相談者
確かに不倫をしてしまったことについては悪いと思って反省していますが、自分が知らない間にこっそりとスマホをのぞき見されていて、さらには私のスマホを使って不倫相手にメールまで送っていました。

プライバシー侵害で、逆に訴えることはできないのでしょうか。

不倫をすることは損害賠償の対象となりうる行為ですが、スマホを勝手に見られたことでプライバシー侵害として訴えたいという相談内容です。

スマホののぞき見はプライバシー侵害

プライバシー権とは?

裁判事例において、「プライバシー」とは、次のように定められています。


1.私生活上の事実、または、私生活上の事実らしく受け取られるおそれがある事実
2.一般人が公開を欲しない
3.一般人にまだ知られていない事実

プライバシー権の定義は、裁判事例で以下のように定義されています。

☞ 「私生活上の事柄をみだりに公開されない法的保障、権利
~「宴のあと」事件(東京地裁昭和39年9月28日判決

☞ 「他者が管理する自己の情報をコントロール(開示、訂正、削除)する権利」
~個人情報保護法制定の経緯

プライバシー侵害が適法となる場合

以上のとおり保護されるプライバシー権ですが、次の場合には、プライバシー権侵害が違法性を否定されます。


1、プライバシー権の保持者が承諾
2.公的な事実であって公共性がある場合
3.正当な理由がある場合(他の利益、プライバシー権保持者の権利との調整)

スマホをこっそり見る行為について

スマホの中には、次のような情報が多く記録されていますが、これらの情報が、一般人が知られたくない、私生活上の秘密に属する事実であって、一般人に知られていない事実であることは明らかですから、プライバシーの範囲に属するものであることが明らかです。

☞ アドレス
☞ 電話番号
☞ 住所
☞ アドレス帳に入っている連絡先
☞ 電話発着情報
☞ インターネット履歴
☞ GPS位置情報
☞ 画像、写真
☞ 音楽、録音
☞ スケジュール、カレンダー情報
☞ 電信マネー利用情報

そして、こっそり見ているわけですから、本人の承諾がないことも明らかです。

ただし、スマホの中身以外の事情で、明らかに不倫していることが明らかである場合などには、スマホを見ることによって得られる利益と、スマホを見られることによって侵害されるプライバシー権の程度との比較をし、プライバシーの侵害をすることに正当な理由があると判断される場合もあり得ます。

プライバシー侵害の責任は?

損害賠償請求と差止請求

プライバシー侵害の責任は、損害賠償請求と差止請求との2つがあります。

プライバシーを侵害されたことによって精神的損害を負ったことからその損害の賠償請求をするのが前者、これ以上のプライバシー侵害を食い止めるための請求が差し止め請求です。

スマホをこっそりとみられたというケースの場合、損害賠償の請求が問題となるでしょう。

スマホをのぞき見されたことを理由に損害賠償請求できるか

とはいえ、実際には不倫をしていたという場合には、スマホをこっそり見られたことによるプライバシー侵害を理由とする損害賠償請求よりも、不倫を理由とする損害賠償請求(慰謝料請求)のほうが高額になるケースがほとんどでしょう。

不倫の慰謝料請求の訴訟では、民事事件の場合、証拠の収集方法にかかわらずその証拠が訴訟において有効なものとして採用されることから、プライバシー侵害によって収集した証拠であっても不倫行為を証明する証拠として使うことができます。

また、明らかに不倫を疑うことのできる不審な言動があった場合などには、スマホをこっそりチェックすることも、プライバシー侵害に正当な理由があるとして違法性を否定される可能性もあります。

パスワードを使うと不正アクセス禁止法違反も

メールソフトやSNSのアカウントなど、パスワードが必要なサービスに接続をすることは、不正に他人のパスワードを利用することになりますから、不正アクセス禁止法に違反するおそれがあります。

不正アクセス禁止法違反の場合、3年以下の懲役、または、100万円以下の罰金という処罰の可能性があります。

したがって、端末に保存されているメールを見るだけでなく、自分から接続をしてメールを受信する行為や、パスワードのかかったLINE、Facebookにアクセスする行為は刑事罰のおそれがありますので注意が必要です。

まとめ

スマホをこっそりのぞき見することは、プライバシー侵害にあたりますから、何の理由もなく他人のスマホを興味本位で勝手に見ることは許されません。

しかしながら、他の言動から明らかに不倫を疑うことができる場合など正当な理由がある場合にはスマホのチェックが違法とならない場合もあり、その場合には、証拠を収集されれば不倫の慰謝料を請求される(慰謝料を請求できる)こととなります。

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