ポケモンGoのプレイ、犯罪や違法行為、交通事故を起こさぬよう、法律上注意すべきポイント


ポケモンGO犯罪

スマートフォン用ゲーム「ポケモンGO」が世界的なブームになりつつあります。

「ポケモンGO」は、現実に外出し、GPSを使って外を歩き、スマホの画面を通して見る世界に潜むポケモンたちを探し、捕獲するゲームです。

先行配信されたアメリカでは、スマホの画面に集中するあまり、交通事故に遭ったり、崖に落ちたりするトラブルが報告されています。

既に日本でも、次のようなニュースが、「ポケモンGO」を、社会的にますます有名にしています。

  • ポケモンGOのながら運転で摘発
  • ポケモンGO中に迷子になり高速道路で保護
  • ポケモンGO中の自転車と歩行者が衝突

刑事事件はスピーディな対応が重要です!

もし、あなたの家族、友人、親族が、刑事事件で逮捕、勾留などの身柄拘束を受けた場合には、刑事事件の得意な弁護士にすぐ相談をしましょう。刑事弁護を開始するタイミングが早ければ早いほど、身柄拘束が短期で終了し、示談成立、起訴猶予などの、有利な結果を獲得できる確率が上がります。

日本の刑事司法では、起訴された場合の有罪率は99.9%と言われており、捜査、起訴と進んだ場合には、手遅れとなりかねません。前科が付き、その後の人生を崩壊させないために、早期の刑事弁護が重要です。

日本での配信は、ちょうど子どもたちが夏休みのタイミング。かなりのポケモントレーナーの増加が予想されます。

内閣サイバーセキュリティ―センターは、注意喚起の文書を通達したほか、事故にあわないようLINEやTwitterなどで注意点を知らせる取り組みを始めています。

ゲームが原因で、犯罪行為を起こしてしまったり、違法行為を起こしてしまう前に、法律上注意すべきポイントを確認しておきましょう。

ポケモンGoの内容

まず、ポケモンGOを知らない人のために、大人気スマホゲーム「ポケモンGO」について、簡単に説明しておきます。

ポケモンGOは大人気のスマホゲーム

ポケモンGOのプレーヤーは実際に街中を歩きまわり、Googleマップをもとにした地図でポケモンを探します。ポケモンを発見すると、現実のカメラ映像にキャラクターが投影されるます。

プレーヤーはポケモントレーナーとなって、ポケモンを捕獲するのが基本的な遊び方です。

「ポケモンGO」の最大の特徴は、AR (Augmented Reality:拡張現実)技術を採用したことです。スマホのカメラを通して見る現実の景色の中に、モンスターの画像が合成表示されることで、あたかもポケモンが現実世界に出てきた楽しさが味わえます。

ポケモンGOの世界的人気、なぜ?

では、こんなシンプルな内容のゲームですが、ポケモンGOはなぜこれほどまでに空前の世界的ブームを起こしているのでしょうか。

シンプルな内容のゲームですが、「現実世界とスマホゲームをARで融合したこと」と「世界的に人気のあるポケモンを採用したこと」により、ブームが加速していると考えられます。

ポケモンこと「ポケットモンスター」は、もともと1996年に任天堂からゲームボーイ用に発売されたゲームです。発売からすでに20年の歴史があり、現在では、ゲームボーイのほかに、アニメやカードゲーム等も派生しています。

親子二代で楽しまれているケースもあり、もともと熱心なファンが存在していました。

すでに成功していたゲーム世界に、現実世界での双方向性が追加されたことで、これまで、インドアな遊びだったゲームが「家の外に出て行かなければできない」アウトドアゲームになり、今までにない楽しみ方ができると爆発的に人気が出たと考えられます。

熱中の裏には、他人を顧みない行為も

ゲームに熱中するあまり、周囲への配慮を怠り、他人を顧みない行為をする方も見受けられます。

先行配信されたアメリカでは、すでに社会問題化の兆しがあるほどです。

たかがゲーム、されどゲーム。ゲームで犯罪行為を起こし、人生を棒に振ってしまうことのないよう、ポケモンGOをプレイ中に犯してしまいがちな犯罪行為、違法行為を解説します。

犯罪行為、違法行為を行わないように

ポケモンGOにあまりに熱中しすぎ、犯罪行為、違法行為を行ってしまうニュースが相次いでいます。

ゲームに熱中するあまり、不注意が原因で、犯罪行為に巻き込まれてしまったり、違法行為を起こしてしまわないように、今一度チェックしておきたい法律を確認してみましょう。

建造物侵入罪のおそれ

ポケモンGOに夢中になるがあまりに、立ち入ってはならない区域に立ち入り、犯罪行為となってしまうケースがあります。

建造物侵入罪とは?

 
建造物侵入罪とは、正当な理由がないのに、以下の場所へ侵入した場合に成立する罪です。

  • 住居侵入罪
  •   人の住居(人が日常生活を行っている空間、ホテルや仮宿泊所、自動車、船なども、日常生活を行っていれば該当します。)

  • 邸宅侵入罪
  •   人の看守する邸宅(住居用に建てられたけれど、現在は住居として使用されていない建物のこと。空家や使用されていない別荘など。公道や他人の土地と明確に区画されているときは、敷地部分も含めてすべて邸宅といいます)

  • 建造物侵入罪
  •   人の看守する建造物(住居・邸宅以外の建物。官公署の庁舎、倉庫、学校、お店、事業所など。それと、その敷地)

  • 艦船侵入罪
  •   人の看守する艦船(船舶一般、大小を問わない)

以上それぞれの類型の建造物侵入罪について、正当な理由もなく、これら他人の住居などに侵入する行為に対しては、3年以下の懲役または10万円以下の罰金刑が科されます。

住居侵入罪や建造物侵入罪における住居や建造物は、建物そのものだけではなく、その付属地も含みます。

例えば、家(住居)の庭、マンションやアパートなど共同住宅の共有スペース、学校の校庭などに無断で立ち入った場合も、住居侵入罪や建造物侵入罪に問われます。

刑法130条

正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10円以下の罰金に処する。

建造物侵入罪となると、どの程度の刑罰?

ポケモンGOをプレイしていて建造物侵入罪として逮捕・起訴された場合、建造物侵入罪では、有罪判決の内、およそ60%が懲役刑、40%が罰金刑となっています。

懲役刑の刑期は、1年から2年未満がおよそ57%、6か月から1年未満がおよそ40%となっています。また、罰金刑の場合には、ほとんどが10万円となっています。

初犯であれば罰金刑、軽い犯罪の前科があれば執行猶予付きの懲役刑、重罪での前科や複数の前科があれば実刑、といった相場観であることが予想されます。

なぜポケモンGOで建造物侵入罪を犯してしまうのか

ポケモンGOでは、現実世界を歩き回りながらポケモンを探す性質上、ポケモンが立入禁止の場所や私有地にいる可能性も考えられます。

その際、ポケモンを捕獲するために、正当な理由がないにも関わらず、許可なく不法に侵入してしまうケースが出てくるかもしれません。

ポケモンがいるからといって、不用意に知らない土地に立ち入らないよう注意しましょう。

ポケモンはあくまでも公的な場所で捕獲、が原則です。

道交法違反

次に、ポケモンGOをしながら他人の私有地に入ってはならないとすると、次は公的な場所でポケモンGOを行うことを考えます。

すると、街中や道路でポケモンGOをすることとなるわけですが、これもまた犯罪行為のおそれがあります。道路でポケモンGOをプレイする際には、道路交通法に気を配らなければなりません。

道交法違反で今回該当する内容、条文

歩きスマホが問題となっていますが、それに加えて、自動車や自転車を運転しながらポケモンGOをする方が出てくる可能性が考えられます。

海外では、自動車を運転しながらゲームをしたことで事故につながったケースが報告されています。

自動車や自転車を運転しながらゲームをした場合、安全運転義務違反に問われる可能性があります。

第70条(安全運転の義務

車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

  

道交法違反の場合の刑罰は?

自動車や自転車でスマホを使用すれば、どうしても片手運転にならざるを得ません。このような運転方法は、道交法70条の安全運転の義務に違反しているとされ、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

仮に、安全運転義務違反とはされなかったとしても、各都道府県で道路交通法施行細則により、スマホや携帯電話の使用が禁止されるようになっています。

こうした規定のある都道府県では、安全運転義務違反かどうかに関わりなく、自転車を運転しながらスマホを使用すること自体が道交法第71条6号違反となり、5万円以下の罰金になる可能性があります。

なぜポケモンGOで道交法違反を犯してしまうのか

ポケモンGOでは、現実世界の街中でポケモンを探すため、たくさん歩くことが予想されます。

そうすると、より早く、広範囲において探そうと考え、自動車や自転車等の乗り物を利用するユーザーが出てきてもおかしくはありません。ポケモンGOでは、常に画面を見ていないとプレイできないわけではないですが、熱中するがあまり、スマホから顔を上げないプレーヤーが増加しています。

運転中にゲームをするということは、スマホ画面に注力することで、片手運転や脇見運転といった安全運転の義務に反する行為となってしまいます。

自動車や自転車を運転する間は、ゲームをしないようにしましょう。

以前より歩きスマホは社会問題化していた

スマホの普及とともに以前より社会問題化しているのが、歩きスマホによる事故。ポケモンGOの流行より以前でも、様々な問題が生じています。

駅のホームから落ちたり、人や物とぶつかってケガをするだけでなく、他人を事故に巻き込んでしまうケースも増えています。

歩きスマホについては、法律や条例において禁止している明文はありませんが、事故に繋がる可能性が高いです。

歩きスマホが引き起こす事故の中には、周囲の人を巻き込んでしまうケースもあり、中には損害賠償責任や刑事責任を課せられた事例もあります。

ゲームに夢中になったばかりに、加害者となってしまわないよう気を付けましょう。

プライバシー問題は?

ポケモンGOはユーザーのこんな情報を集める・・・ということが注目されています。

ポケモンGOで侵害されるプライバシー?

ポケモンGOは、個人情報に該当する次のような情報を収集しているとされています。

ポケモンGOのサイトを確認してみると、以下の情報を収集すると書かれています。

a. お客様(又はそのお子様)から収集又は受領した情報
i. アカウント情報
iiゲームプレイ情報
iii お子様のアカウント
b. クッキー(Cookie)その他のウェブ技術を使用して収集した情報
c. 本サービスの利用に関連する情報
d.お客様のモバイル機器から送信された情報
e.位置情報

知らず知らずに、ポケモンGOをプレイしているだけで、これほども多くの個人情報を収集されてしまっているのですね。

位置情報の収集はプライバシーの問題となるのでは?

ポケモンGOが流行し、個人情報の収集が注目される中、この問題の改善のため、ポケモンGOはアップデートされました。

リリース当初、ポケモンGOでは、Googleアカウントを利用した場合、ユーザーのGoogleアカウントに「フルアクセス」できる仕様になっていたため、騒動になりました。

開発元であるナイアンティック社は、「プログラム上のエラーだった」と過ちを認め、過剰に得られた個人情報を決して利用しないことを約束し、アプリのアクセス権限を減らすようアップデートされました。

新たなGoogleの許可設定で、ゲーム作者が見られるのは、性別、年齢等、ユーザーが公開しているGoogleのプロフィール情報です。

今後も、ポケモンGoの仕様は日々変更される可能性があります。ポケモンGOをプレイするにあたって、自分が何を公開しているか、改めて確認しておきましょう。

海外ではすでにこんな問題化

世界中でブームを巻き起こしている「ポケモンGO」ですが、先行配信されたアメリカでは、すでにこんな事件やハプニングが発生しています。

  • ゲームの機能を利用し、人けのない駐車場に集まってきたゲームのユーザーを脅して現金などを奪い取る事件が発生
  • ゲーム画面に集中するあまり、周りに注意を払っていなかったユーザーが、スマートフォンを強引に奪い取られる事件が各地で相次ぐ
  • ・ームのモンスターを見つけようとした10代の若者3人が、原子力発電所の敷地内の駐車場に無断で侵入
  • 男女2人が、動物園に不法に入り込んだとして逮捕
  •     

  • テレビ番組の放送中に「ポケモンGO」に熱中した女性キャスターがカメラの前を横切るハプニングが発生

笑い話で済むものから、生命に関わる危険なものまでありますが、プレイをする際には注意する必要があるでしょう。

まとめ

ゲームを安全に楽しくプレイするためにも、スマホ画面に熱中しすぎないように気を付けましょう。

うっかりとした行為が、犯罪行為、違法行為に繋がってしまうことがあります。

上記の内容を、もう一度確認して、安全にゲームを楽しみましょう。

刑事事件はスピーディな対応が重要です!

もし、あなたの家族、友人、親族が、刑事事件で逮捕、勾留などの身柄拘束を受けた場合には、刑事事件の得意な弁護士にすぐ相談をしましょう。刑事弁護を開始するタイミングが早ければ早いほど、身柄拘束が短期で終了し、示談成立、起訴猶予などの、有利な結果を獲得できる確率が上がります。

日本の刑事司法では、起訴された場合の有罪率は99.9%と言われており、捜査、起訴と進んだ場合には、手遅れとなりかねません。前科が付き、その後の人生を崩壊させないために、早期の刑事弁護が重要です。


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